第33話『やりたいこと』

リンとメリアはお互い同じく和矢に憧れていた。

和矢が魔王を倒そうと思った理由、

そしてそれが決して傲りではなく純粋に他人のために戦う覚悟を決めていること

2人は王城から出ることはあり、

そして、リンはメリアに守られながら普通に生活をしていたり、

学んだことと言えば王城の教師にならったことで実践で学んだことはない

そして、和矢は自分のようにただただ勉強するという目的ではなくて魔王を倒すためにどんなことでも耐える根性と精神力、そして目的をどのように達成するべきかを考えながら行動していること

和弥と比べると自分が小さい存在であると思った。

そして、メリアも自分が守る相手はリンだけで王様を守るのは父親で他の町の人間を守るのも衛兵などによるもので皆を守るという規模の大きいものではなかった。

重要度で言えばリン姫を守ることは大きいことだが和矢は自分以上に重要なことを達成するために努力している。

だが、自分は和矢に対抗して速読をマスターしようと思ったことや和矢に負けたくないという意地を見せていたがこんなにも覚悟を決めていて、そして他人の成長を素直に褒めることのできる懐の大きい男に勝てるはずがなかった。

自分が恥ずかしくなった。

そして、同時に和矢にあこがれを抱いた。

そして2人はこんなにも真剣に思える男性に会ったことがなかった。

先ほども自分たちが驚きと怖さで対処できなかったチンピラの件など

2人は和矢の助けになりたくなった。


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3人は王城に戻って

和矢は部屋に戻った。

後3日この国に滞在して、魔法をきっちり使えることを確認できたらすぐにでも出立すると言っていた。

2人は思った。

((一緒についていきたい))


だがそんなことが許されるのか……

王様やメリアの父がそんな勝手なことを許して付いていくことが出来るのか

様々なことを思った。

もしかしたら旅に出たら死んでしまうのではないか?

前のチンピラの対処も出来なかったのに、魔王を倒す旅についていくことが出来るのかなど葛藤していた。

するとリンは口を開いた。


「メリア……私、和矢についていきたい、自分の弱い部分を克服したいのもあるけど、和矢の助けになりたいの……」


と言った。

メリアは黙った。

メリアにもその気持ちがなんとなく分かったからだ

リンは


「最初に言ったのはメリアも同じことを思ってるんでしょう? そして私と同じく彼のことが好きになったんでしょう?」


とリンは続けて行った。

それを聞いてもメリアは


「そう、そうね、あんたと同じく私も和矢の助けになりたいし、一緒についていきたいと思ってる。でも邪魔になるんじゃないのかとか、死ぬ覚悟なんてあるのかとか、不安ばっかり考えてしまって答えがいまだに出ていないわ」


と少し悔しそうに言った。

リンはそれを聞いて


「分かるわ……私も同じだから」


お互いにどうしてとは言わなかった。

何故なら小さいころから2人はずっと一緒にいたのだから

メリアに関してはリンを守る立場の為、

リンの親よりも自分の親よりもリンと一緒にいたのであった。

そして、2人は親友になってお互いのことは言わなくてもなんとなく表情で伝わるようになった。


「一緒に考えて決断してくれる? メリア?」


とリンは言った。

そしてそれを聞いてメリアは


「私こそお願い、一緒に考えてくれる? リン?」


2人は


「「うん!」」


と互いに頷き合った。

そして2人は夜遅くまで話し合った。

結論が出るまで話し合った。

そして


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次の日


「やあ、和矢君、よく眠れたかね?」

「はい! ありがとうございます、まだこの国にいさせてもらいますが残り2日! よろしくお願いします!」

「ああいいとも、他の者たちが投げ出した魔王退治の為なら我々も手を貸さないわけにはいかないよ、遠慮はいらないよ」


と言った。

それを聞いていたリンとメリアは

王様に近づいた。

そして、リンは言った。


「お父様、少しお話良いでしょうか?」

「……今は少し忙しいから後でいいかな?」


そう言って少し俯きながら王様は立ち去った。

和矢は


「どうしたんだい? 思いつめたような顔をして?」


と聞いた

リンとメリアは


「「ちょっと覚悟したことを話したくて」」


と言った。

それを聞いて和矢は


「えっと……あまり無理しないでくださいね?」


と言った。

2人は


「分かってるよ」

「はい、大丈夫です、本当に」


と言って笑顔を見せた。

それを見て和矢は


「そっそれならいいけど、えっと、このあと書庫に行くけど2人はどうする?」


と聞いた。

2人は


「えっと、お父様に話をしたから向かいます」

「私も同じことを言いたいから今はパスで」

「そう? 分かった! 用事が終わったら教えてね?」


と言ってそのまま書庫へと向かった。

そして2人は


「まだ、和矢には気づかれてないか……」

「まあ、和矢はなんだか鈍感そうな感じだからいいんじゃない?」


と言った。

そして2人は


「さっきお父様私たちが言いたいことがなんとなくだけど勘付いたんだと思う」

「そうね、伊達に王様やってないわね」


と言った。


「じゃあ行くよ、多分お父様はあそこにいるから」

「悩んだ時はいつもアソコだからね」


と言って2人はある場所に向かった。

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