第20話『襲撃者』

和矢とメリアとリン

そして町の人たちは町を守るために菌をばら撒いた犯人を捕まえる為走った。


「急げ! マジックシールドがあるが相手がこのまま放置するとは思えない!」


そう言って和矢は皆に呼びかけた。

それを聞いて男の1人が


「な……何なんだ……よ、あいつは自分が動ける人間だからって……ぜえぜえ」


吐息を切らしながらその場で止まった。


「休憩してくれよ……」


とさらにはしゃがみこんでしまった。

それを見ていた他の人は


「何言ってるのよ! こんな時に!」

「そうだぜ! あいつの言う通りだぞ! 今こんなことしている場合かよ!」


と男を責めた。

だが男は


「だってよ、こんなこと普通怒ると思うか? いきなりすぎて付いていけねえぜ!! あいつ俺たちのこと本当に考えてるのか?」

「何言ってるんだ! 考え……うん?」


男は足に違和感を覚えた。

ギュウウウ


目をやると男は足首を掴まれていた。

そして


ベチャアアア


と音と共に男にかかっていたマジックシールドが足首から溶け始めた。


「!! やっやっやヤバイ!! 嫌だ! しにたあdふぁふぁfだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


と男はけたたましい悲鳴と共に菌に蝕まれて溶けていった。


「なん!! 何なんだ!!」

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


その声を聞いて和矢は


「どうした!」


と振り返った。

それを聞いてしゃがんでいた男は


「どうしたじゃねえ! てめえが気づかねえから人が死んでんだよ!」

「え!」


すると


ガシ!!


と音と共に女の人の足首に手が伸び掴みかかった。

すると

ベチャアアア


「いやいやいやいやいやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


と悲鳴と共に女の人も溶けていった。

和矢は腕が地面から出てきていることに気づいた。


「地面だ! 地面に誰かいるぞ!」

「地面じゃどうしようもねえだろうが! くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


と呻きながら男は悲鳴を上げる足を立たせて無理やり走り始めた。


「走るんだ! 出ないと殺されるぞ!」


と言って皆に呼びかけた。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「しなうふぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


次々と町の人が殺されていく。


「何なの! 何なのよこれえええええええええええええええ!!」


メリアは悲鳴を上げながら走った。

するとリンは止まって


「任せて! 相手が地面にいるなら私に!」


そう言って地面に腰に差していた杖を当てて


「アースクエイク!」


と唱えて地面を揺らした。


-------------------------------------------------------------------


「うわ! やべええ!! 猛! 地震が起きたぞ! こんな時に!」

「違う! 魔法だ! 何か魔法の呪文みたいなの聞こえた!」


と猛は焦る長谷川に言った。

そして、落ちそうになる土に手をかざして

液状化していった。


「おいおいおい!! やばいぞ! このままだと姿出すことになるぞ!」

「どうしよう! 一旦聖に連絡だ!」


---------------------------------------------------------------------


「聖! 聖!」

「ン? どうしたん?」

「何がどうしたん? だ!! こっちは魔法で地面揺らされて大変なんだぞ! お前何してる!」

「紅茶飲んで高みの見物してこっち来たときの対策練ってる」


と悠々自適に座りながら言った。


「楽しそうで何よりだがこのまま落ちてくる地面を液状化したら姿現す羽目になるんだけど!」

「いいじゃん別に」

「はあ!!」


聖の言葉に猛は唖然とした。


「何言ってんだよ! お前だけ高みの見物決めて俺たちに汚い部分を覆いかぶす気か!」

「もう十分汚いでしょう? いいじゃん別に今更、この国滅ぼすんだから関係ない関係ない、一休み一休み」

「一休さんか! てめえは!」


すると聖は


「全く最近のゆとりは……これだから」


と猛を侮蔑した。

猛は


「てめえもゆとりだろうがい!」


と怒った。

するとトランシーバーから

ががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががががが!!


と音が聞こえてきた。


「ああ! もうダメだ!」

「ガンバ!」


そう言って聖は回線を斬った。

そして


「もうちょっとかかるかな? 来るとしても」


と余裕を見せていた。


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和矢は驚いた。

地面から出て来たのは自分と同じ日本人であった。

死かも二人組の男であった。


「お前ら、日本人か?」

「……」

「……」


長谷川と猛は黙った。

和矢は


「何か言ったらどうだ!」


と怒った。

すると猛は


「あぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


狂ったふりをした。

長谷川は


(ずりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!! こいつこのまま狂ったふりでやり過ごすつもりか!)


すると


「お前は! 我が息子ハヤモの敵!!」


と初老の男が言った。

するととなるの男は


「良くも兄貴を殺ったな! ぜっていにお前だけは殺す!」


とキレていた。

すると隣の女の人は


「あれ! 長谷川じゃない! 子どもを虐殺した!」

「本当だ! 死刑囚になったのに魔王退治で女と一緒にあいつらはこの国を出たんじゃ!」


メリアとリンは


「アンタたち! まさかこの国の人を虐殺するためにこの国に戻ってきたの!」

「さいってい! こんな屑たち初めて見た!」


と怒っていた。

それを聞いて2人は


((違う! 俺たちは斉藤を助けるために! それにこの計画を立てたのは聖であって!))


すると和矢は


「お前らの悪逆非道な行動! 許せない! このサイコパス共め! あのてっぺんにいる女も仲間だろ! お前らだけは絶対に許さない! 覚悟しろ!!」


と剣を構えられた。

2人は


((どうしてこうなった……聖のせいか……))


と後悔した。

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