第12話『国』
「まずはこれを打ってもらうな、これがないとこの菌で死んでしまうから」
と言って菌に対する抗体の薬を2人は接種した。
長谷川は
「でも抗体ができるのに1週間はかかるんじゃないのか?」
「そういえば、そう言うこと聞いたことある、インフルとかそうだよな?」
すると聖は
「ははははははは! 愚問なことを! この薬は特別性でね! これさえ接種すればすぐにこの菌に対しての抗体がつくられるんだよ!」
「そうなのか? いったい何を使ってるんだよ?」
と猛は聞いた。
聖は自分に指を指しながら言った。
「私自身が自分に摂取して治した、そしてその血を取って、研究の末に出来た抗体作成剤だ」
と言った。
2人は
「自分の体内で作った抗体を人の体に摂取させるってことでそいつの体もその菌に耐えれるようにするのか? ふつう解毒程度だと思ったが?」
「そうだな、抗体を体に摂取しても体で作成されるのか? 普通は弱い菌を体に入れて自分の体内の免疫抗体が作るんだろう?」
と疑問を持った。
聖は
「まあ普通はそうだが、私の場合は不老不死、抗体もそうなのだよ、だから君たちは別に不老不死になったわけじゃないが私の抗体がずっと君たちの体内の中で生き続ける、なので別に問題はない」
と言って2人に教えた。
2人は
「「まあそれならいいか……」」
と言って納得した。
すると聖は
「では早速、この部屋から出て国に向かうぞ!」
と言って荷物をまとめ始めた。
「ここはさっき言ってた研究所なのか?」
「ああ、そうだよ、君たちとここまで話すには私の研究所に呼んだ方が安全だからね、ここのことは記録には取らないように言ってあるから気にしないで!」
「まあ、それは有難いんだけど……」
と長谷川と猛は言った。
聖は
「さ、ボサッとしてないで手伝って」
と言って2人を促した。
2人とも手伝ったおかげでそれほど時間はかからなかった。
そして研究所を出て
「これに乗ってくれ」
と言って聖が指を指した方を見ると森の方に馬車が用意されていた。
そして、
「猛君は狂ったふりをしてね、脳は液状にしないでいいからね」
「何で?」
そうしたほうが早いのではという顔で猛は聖を見た
聖は迷惑そうに
「君がここに来るまでにどれだけ大変かを考えて欲しいものだね」
と言って乗るように指示した。
長谷川は
「俺は普通でいいのか?」
「ああ、そうだな、普通でいい、猛の場合だけだ」
そして、馬車が出発した。
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馬車が出発して数時間
町についた
そこで
石が飛び交った。
「シネエエエエエエエエエエエエエエエエエええええええええええええええ!! 異常者があああああああああああああああああああああ!!」
「お前らなんていなくなれえええええええええエエエエエエエエエエエエエエ!」
「この世のゴミどもがあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
と言って町の皆は完全に殺気だっていた。
そして、1人の年老いた男が
「ハヤモを返せえええええええええええええええええええええええええええええええ!! この人殺しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
と言って泣きながら石を投げていた。
「あれは、まさか、」
「知り合いか?」
「知らん、が、なんか俺のせいで人の人生を壊した感じがする、きっと俺が最初に殺したチンピラなんだろうな……」
「お前はチンピラを殺したのか?」
「ああ、長谷川さんは?」
すると長谷川は
「たまたま意思を蹴ってしまってそれが子供に当たって顔面に貫通して子供が死んだ」
それを聞いて猛は
「アンタは何でそんなに子供で不運になるんだ?」
と聞いた、
長谷川は
「俺が知りたいよ……」
と言って悲しそうにした。
すると今度は魔法が飛んできた。
バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
「「うわあ!!」」
2人はビックリして窓を開けずに見た。
すると
「我が孫を殺した残虐非道の男! 長谷川 勝!! 我々の魔法でチリとなれえええええええええええエエエエエエエエエエエエエエ!! 放てええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
と言って様々な魔法が飛んできた。
「大丈夫だ、この馬車は魔法を無効化する、馬もその対象だ、そしてこの札を燃やすと」
と言って取り出した札を一つ聖は燃やした。
すると
キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイン! ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
と音と共に魔法が反射された。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
放った魔法が先ほど打った長谷川が殺してしまったという子供の家族に直撃
そこには何も残らなかった。
「ふう、これで静かになるね」
「お前はバカか!」
「ああ、この札は……ほら、再生、紙に私の血を湿らしているからいくら燃やしても、魔力と一緒に回復するんだ」
「へっへえ」
もう猛は聞くのが疲れて、馬車で寝ることにした。
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「久しぶりだな、聖」
「お久しぶりですねえ、元気っすか?」
聖は手を振りながらへらへらとして言った。
男の隣にいた男が血相をかいて
「コラ! 大臣の前で失礼な!」
と怒った。
大臣は真っ青になって
「よい、こいつは何をするか分からんからあまり刺激するな」
「しかし! これは大臣をバカにしています!」
「気持ちは分かるが刺激するな! 良いな!」
「……分かりました」
と言って男は黙った。
そして、話を続けた。
「さてと、最初に言ったけどこの男どもを私の魔王退治のパーティーにしたいんだけど?」
「えっと、こいつら死刑囚だぞ?」
「いいじゃない、それとも、魔王に殺されるの覚悟する? そんなこと言っている場合じゃないんじゃない? こいつらが強いのは君にもわかるんじゃ?」
と言った。
そして大臣は、
「確かに、魔王の力と権力はかなり強くなり、潰された国も既に存在する、だが……どうしたものか?」
「ならば簡単です、魔王を殺した後で死刑にすればいい!」
それを聞いて大臣は
「それもそうだな、おい、この屑ども、魔王殺して来い、終わったら死刑再開だ」
「助けてくれないのか?」
「あああ……ああああああああああああああああああああ!!」
すると大臣は2人を汚物でも見るような目で
「黙れ、ゴミ、お前らなんぞに権利何て物はない」
と言ってその場を去った。
すると、聖はある機械を出した。
「それは?」
「あきいいいいいいいいいいいいいい!!」
長谷川は気になり聞いた。
すると機械から
「ふああはははははは!! あいつがいなくなっても死刑技術が衰退はしない! 魔王を殺す旅をしている最中に死なないかな! 聖を死刑に掛けなくてよかった! 終わってから掛けようぞ!」
と言って笑い声が聞こえた。
そして
「大臣、まずはあの無礼どもを苦しめるのはどうでしょう?」
とおそらく隣の男も言っている。
それを聞いて聖は
「な、こんな状態だ、例え頑張ってもミスって悪いことしたら人生終わりなんだよ」
「人殺したらどの世界でも終わりそうだが?」
と長谷川は言った、
聖は
「まあ、この国が腐ってるのは分かったね、利用するだけ利用して後は使い捨てさ、この国を残すことはあまりにも我々にとって危険なんだよ」
すると長谷川は
「じゃあここに戻らないというのは?」
「残念ながらこいつらは相手を探すに関してはかなり得意みたいだ、どうやらここは死刑が発展したから他の国に死刑の手配書を書いたりするらしい、まあ、外に出ている間だけど、それを阻止するために斉藤を助けようじゃないか! でないと魔王を倒す前に人間に殺されるからな!」
と言って皆円陣を組んだ。
「やるぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「あぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
猛は狂ったふりが疲れた。
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