第10話『アイディア』

「今話す内容に関しては理解はしなくてもいい、ただそう言う者だと思ってくれればいいので」

「? アイディアを理解しないとできないのでは?」


衛兵は少女に言った。

少女は


「これに関してはアイディアの補足なのだよ、まあ聞いてくれ」


と言ったので、衛兵たちは取り敢えず話を聞くことにした。

少女は


「私は君たちとは異なる世界から人間だ」

「「は?」」

「だから理解はいらないと言った、分かるわけがないよ、まあ証拠としてはこのスマホぐらいと来ている制服ぐらいかな……」

「えっと、それとアイディアってどういう関係が?」

「そうだな、お前が別の世界から来たのと関係はなさそうな気が……」


少女は言った。


「今から話アイディアが君たちで言う異世界での方法だからだ、まあうちではこの方法はもうすでに規約を守らないと使うことは出来ないし、安全がないとだめということになっているからな」

「それってつまり……」

「安全ではない方法を使うってことか?」


と聞いた。

少女は


「まあそうだ」


と答えた。

衛兵たちは


「それはダメだ、さすがに王様でもそれは許さないだろう」

「ああ、市民思いではないが金を搾り取る相手が無くなるのは困るらしいから……」

「終わってんな、この国」


あまりの横暴な王様の話を聞いて少女はドン引きした。

だが少女は


「まあ私が出すアイディアもかなりの者だからな覚悟してくれ」

「いいから話せ」

「時間がないんだろうが!」


そして急かす衛兵に話した。


「人体実験だ、それを使って相手がどの程度で死んでしまうのか、どの程度までなら体が絶えてくれるのか、そしてどれぐらいしていけば体が勝手に死を選んでしまうのかを調べていくんだよ」

「は!!」

「なんて残虐な方法を! お前は悪魔か!」


少女はボソッと


「ま、悪魔はアドルフ・ヒトラーだけどね……」


と言った、

衛兵たちは疑問に思い


「今なんて?」

「あドル?」


と聞いた。

少女は


「まあ、この方法を実行した独裁主義者だ、この事の経緯によってニュルンベルク綱領 (医学的研究のための被験者の意思と自由を保護するガイドライン:試験と研究に当たっての被験者の自発的同意の必要と実りのない、必要のない試験を人間で行ってはいけない、試験での不必要な苦痛や死亡、後遺症になる試験はしてはならない)だとかそれに受けて出来たヘルシンキ宣言(患者・被験者の福利の尊重、本人の自発的・自由意思による参加、インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)の取得の必要、倫理審査委員会の存在、常識的な医学研究であること)というもので縛られているが、この世界ではそんなのないだろう? 完全なる世界との情勢による法則などが完全にない状態みたいだしね」

「つまり、そのよくわからない法則で縛られていないのなら王様から苦しめる方法を考えろと言われた我々はその人体実験を利用して罪人を苦しめる研究するってことか? しかもそれをしてもお咎めなし、この国どころか他の国も領地を取ることばかりになってるからな」

「それはいい方法ではあるし、効率がいいとは思うぞ、でもそれには問題がある」

「問題?」


衛兵の言葉に少女は首をかしげた。

衛兵は


「いったい誰を人体実験するんだ! 誰もそんなの協力しないだろう! 自ら死ぬような真似何て!」


すると少女はニンマリ笑いながら


「君たちと会う前につまり捕まる前に聞いたんだが、この国は他国と戦争してるんだろう?」

「そうだが、それがどうしたんだ?」


1人の衛兵が疑問に思っていると

もう一人が


「なるほど、そういうことか……」


と意図に気づいた


「つまり、捕まえた捕虜どもを使えばいいってことか?」

「いない? 捕虜?」

「まあ、奴隷として牢に閉じ込めて惨めな目で王様が娯楽として楽しんでるよ、確かにそれは使えるが、使わせてくれるかな?」

「なら半分を貰えばいい、別にこれからずっと捕虜を捕まえないわけじゃないんだろう?」

「まあ、戦争中だし捕まえるな」


すると少女は


「ならば問題はないはずだ、それを進言してくれればもしかしたら運がよく我々は死なない」

「皮肉な話だ、自分が死にたくないからって他の人に苦しみを押し付けるようだな」

「まあ、死ぬよりマシじゃないの? それとも死にたい?」


少女は2人に聞いた

2人は


「「そんなの真っ平御免だ」」


と言い切った。

そして少女は


「では作戦を決行する、私はこのたるに入るから後は頼んだ」

「「わかった、研究とかはお前に任せていいんだな?」」

「ああ、私は天才だ、そう言う部分にも目を向けて来たからな」


そして、樽の中に入って少女は運ばれた。

少女は


「クックック、これで生き残れる、やはり技術の発展には非人道的なことが向いているのだろうな」


とほくそ笑んだ。


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「おまえ、そんな方法をこの異性に持ち込んだのか! てかお前か! この死刑法を発展させたのは!」

「よりによってヒトラーの人体実験をこの世界に持ち込むなんて! この腐れ外道! お前は人間じゃない!」


聖は笑いながら


「否! 人間だよ! 人間は知識を持ったからこそ、発達し、成長し、発展し、進化し、便利になり、善意を燃やし、慈悲を掛け、そして誰よりも残虐になれるんだ! それに私はそうでもしないと苦しみをずっと味わっていただろう! そんなのごめんだ! これは自分自身の為なのだよ!」

「「く!」」


2人にも覚えがある、

長谷川には身に染みて分かっていた。

あの時のホームレスに対する子ども達の猟奇的な残虐性

そして、この異世界での牢獄での生活

そして、先ほど聞いたお姫様、王様

慈悲も優しさもある分やはり、人間の本質のおぞましさは一生消えないのだろう

すると聖は


「だが猛君、君はすごいね、自分の命を懸けた脱出を見事成し遂げた、そして長谷川君は運よく脱出できた、素晴らしいじゃないか! そして、私に会うことが出来た、これは誰でもない君たちの運だ! 他の俺Tueeはみんな死んだのに君たちは生き残った!

素晴らしい!」


すると猛は思い出した。


「そうだ! 斉藤さんは!」


長谷川も


「あ! 斉藤は! あいつどうなったんだ!」


と2人は一緒に過ごした仲間のことを思い出した。

すると聖は


「お前らがあの牢獄から出ると同時に死刑が決まった」


と残酷な事実を告げられた。

2人は蒼白として


「そっそんな、斉藤さん……糞おおおおおお……」

「斉藤……すまない……」


2人は耐えられず涙を流した。

聖は


「いや、まだ死んではいない、生きている」

「「!!」」


2人は


「でも確定したんじゃ!」

「いつもならすぐに殺されるのに!」


それに対して聖は


「まあ、なんというか、牢獄には誰もいないから死刑を見世物にしようと思ったらしいんだけど、皆都合が悪く延期となっている」

「それなら助けるチャンスが!」

「でもどうやって!」


猛と長谷川は方法が分からなかった。

すると聖は


「まあ、そう言うと思って私も協力しにここに来たんだ、取引だ、私はもうそろそろこの町を出て魔王を殺そうと思う」

「!!」

「魔王いるのか!」


2人は異世界で魔王がいるかという予想はしていたが実際にいるとは思ってもみなかった。

すると聖は


「いるさ、だからこそ私はこの世界で転生するようになった、まああの神は言ったり言わなかったりだから結構情報不足でこの世界に転生する者もいるんだがな」


そして聖は


「私について来い、ならば斉藤を救うチャンスを私が作ってやろう、ただし、君たちが自力で逃げ切れたように斉藤の逃げ切れる可能性を作るまでだ、そしてこの作戦後私のパーティーになって魔王討伐を手伝ってもらう、それが出来るなら手伝おう! どうする!」


2人の答えはいかに。


次回に続く

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