第9話『利害関係』

「なっ何で! 首を落したはずなのにいいいいいい!!」

「ツっ繫がってる! いっ生きてるだと! そんな馬鹿なことがあるか!」

「まあいいじゃない、ねえ、それよりこんなことしてていいの? 早く王様の言ってた方法を考えないと明日殺されちゃうよ?」


と少女はほくそ笑みながら言った。

すると一人の衛兵が


「いや、お前を王様の前に出せば俺たちの事なんて忘れるだろう? ならそうするさ」


と言って少女の提案を拒否しようとした。

すると少女は


「本当に? 大丈夫なの?」

「どっどういうことだ!」


すると少女は

真剣な表情で


「私を殺したって報告しなかった?」

「!! しっしたけど!」

「したんだろう? なら分からないか?」


びくびくしながらもう一人の衛兵が


「ドっどういうことだよ!」


と聞き返すと

少女はため息をつきながら


「殺したって言ったのに本当は殺せませんでしたーって王様に言うのってこと?」

「!!」

「何! どうしたんだよ!」

「全く、ここまで説明して分からないかな? あのね、それって王様に嘘言ったってことだよ? どうせ首を落したって言ったんでしょう? あの王様がそれでも生きてたって信じると思う? あのわがままでバカそうな王様でもさすがに嘘ついたって思っちゃうだろうなあ、そうすると君たちの死刑が早まるんじゃないのかな? それに、今苦しめる技術がないのに私を連れて来たってただただ殺して終わるだけなんじゃないの? しかも苦しめる方法も考えてないんだからそれも含むと君たちの家族までなぶり殺しになるんじゃない?」

「「!!」」


すると


「ああ、疲れた~」

「早く休もうぜ~」


と声がする

少女は


「チッ、話しすぎた、ここからはこの部屋に入って話そうか、ここなら死体の片付けに手間取ってるぐらいにしか思わないだろう」

「クッ!」

「畜生が!」


2人はしぶしぶ少女の言う通りにした。


そして部屋に入って鍵をかけた。


「さてと、話を続けよう」

「で、お前を連れて行っても殺されるだけならこれからどうするんだ?」

「そうだ! 方法がない以上俺たちは殺される! ならお前を道ずれにする手だってある!」


と衛兵は少女を脅した。

少女はニンマリと笑い


「アイディアがあるって言ったでしょう?」


と言った。

2人は


「分かった聞こう」

「他に方法がないのなら……」


と渋々提案に乗った。

少女は頷き


「利害が一致した。あなたたちはこのままだと殺される、私もこのままだと殺される。そしてお互い生きるために協力し合う、それでいい?」

「ああ、構わない」

「了解した」


そして少女は


「言質は取ったからね。まあ、まずは私が生きていたことの隠ぺいをする、それで私を殺せなかったことをなかったことにする、それはさすがに分かるね?」

「ああ、殺されるぐらいならそれぐらいやるさ」

「取り敢えず王様はお前の顔を見ていない、あのバカ王は裁判もしないで自分では見ないで今まで勝手にやらせてたからな、そのおかげでお前があの糞姫を殺したなんてバレはしない、見ていたのは俺たちと市民ぐらいだ、取り敢えず使われていない部屋にでも隠せばいいだろう」


すると少女は


「バカだな、そんなところに隠せばバレるぞ」


と言った。

衛兵はそれを聞いて疑問に思った。


「何故そこに隠すのがダメなんだ?」


当然の疑問である。

使われていない部屋なのに何故そこに隠れるのがまずいのか

すると少女は


「使われていない定義なだけで実際は使われている、性処理の部屋として」

「!!」

「はあ!」


少女は続けた。


「私はお前たちにこの部屋に連れて来られる間に色々な部屋を見れる限り見て回り、聞き耳を立てた、そこでなんだか古い扉から声がしたんだ、……ギシアンの声が……」


と少し赤くしながら言った。

2人は


「「ギシアン?」」


と聞き返した。

2人は質問した。


「ギシアンって何だ?」

「ああ、俺も知りたいぜ……ギシアンとはいったいなんなんだ? 何かの隠語か?」

「いやその……」

「なあ教えてくれよ! じゃないと話が進まないだろう?」


しつこく2人の衛兵が少女に意味を問いただした。

それに対して少女は顔を真っ赤にした。

だが、普通に考えるとそうである、

その言葉は元の世界でしか使うことはないので異世界で通じるような言葉ではないのだ、

少女も女の子の為、喘ぎ声だと言いにくく、その言葉を使ったが結局余計恥ずかしくなる。

そして少女は


「アッ喘ぎ声です!!」


と言い切った。

2人は


「なんだ、喘ぎ声か、ってなんで使われていない部屋でそんなことが……」


となった。

少女は顔を赤くしながらも


「まあ、その、そういう行為を誰とでも出来るわけじゃないでしょ? こういう貴族とかが来そうなお城とかだとその貴族の娘と兵士もしくは衛兵が恋に落ちることも珍しくないはずだ」

「そうなのか? 普通結婚相手とかって親が決めるはずだが?」

「そう、それが一番の原因、好きに恋愛が楽しめないってことが恋に落ちた2人をかなり暴走させるわけ、でも堂々と恋愛ってその状況で出来る?」


2人の衛兵は


「まあ、確かにそれは」

「出来ないわな、バレれば殺されるだろうし、兵士か衛兵の方が」

「なら、その二人が恋愛するならどうすると思う?」

「「バレないように?」」

「それに適した場所は?」


2人は


「まあ、外だと民衆にバレるし、貴族の馬車から見られる可能性もあるから……」

「使われてない部屋で密会とか?」

「で、その部屋で好きな者同士がすることと言えば?」

「「s○Xか」」

「それを堂々と女の子の前で言うな! まあそれだよ、だから使われていない部屋で私をかくまうのはダメ、そいつらにバレて報告されるのが落ちだよ、知らない人間がいるなんておかしいからね」

「それを盾に秘密にさせるのはどう?」


と衛兵は少女に言ったが


「残念ながら私は死刑囚、そして2人はそれをかくまった罪人、誰が私たちの言葉に耳を傾ける?」

「確かにそうだ、誰も信じないな」

「それに最初は2人も納得しそうだが冷静になると裏切られそうだし……」

「まあ、可能性会っても私の持ってるスマホで証拠を撮るだけどそれも信用されるかどうかだからあまり期待はしない方が良い、そう考えるとそこは除外になるの」

「すまほ? まあいい、分かった。なら取り敢えずこの城から出して匿った方が良いな、そこがダメならもうこの城で隠すのは不可能だしな……」

「まあ、そこの樽に隠して死体を捨てると言って上手く逃がす方法が妥当だろうな」

「後は私が出したアイディアで施設でも貰って私が管理する、そしてあなたたちが助手として報告する、例え王様が来ても適した研究者として私を紹介すれば万事解決する。場所は市民にも分からない場所がいいな……出来るまで2人には私に少しの間住まわして欲しい頼める?」

「まあそれぐらいなら殺されるよりましだし……」

「あのわがままな姫を殺してくれてスカッともしたし」


と言って引き受けてくれた。

そして、少女は


「では本題に入ろう、私が出すアイディアについて」

「ああ、施設だとか研究者だとか言ってたが」

「なんかそれを聞くとかなり具体的に作戦がありそうだな」


そして、2人は息を呑んだ。


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「ねえねえ! お母さん! 少女は衛兵さんにどんなアイディアを出したの!」

「おーしーえーてーおーしーえーてーこの後どうなるの!!」


猛と長谷川は聖の白衣を引っ張りせがんだ。


「ああ! お前らは絵本を読んでもらってる子供たちかああああああああああああああああああ! 黙って話を聞けえええええええええええええ!」

「「早く―続き続き―!! 続きが聞きたーい!」」


次回に続く

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