第8話『チート能力』

「てめえええええええええええええええええ!! 何やってんだよお姫様! こんなところで白衣着てる場合じゃねえだろ! 王様の元へ戻るんだ!」

「そうだ! きっと家族が心配している! 元親としてもその気持ちは分かる!」

「ちげええよ! 何ってんの! 少女の方だよ少女!」


と胸ぐらを掴む猛と長谷川を振るい払った。


「全く!」

「って少女ってお前、姫を無残に殺すなんて最低な! てか、恨みじゃなくて完全にお前のミスじゃねえか!」

「てかお前のせいかよ!」


と文句を言った。


「まあまあ落ち着けよ、すぐ切れるな、カルシウム足りてる?」

「うるせえ! てか何で生きてんだよ! 死刑にされたんじゃねえのかよ!」

「てか、姫が死んだのも昔だろうが! 年敵にも死んでるだろうが!」


と猛と長谷川の怒りは収まらない。

すると聖は


「それはね、私の転生の得点だよ」

「得点? チートの事?」

「そうだ、私の能力は不老不死、だから私は死ななかった」

「「な!!」」


2人は聖のチート能力を聞いて


「何てつまらない能力!」

「いつまで生きてもしんどいだけだろうが!」


とディスった。

それに対して聖は


「ああ! それはてめえらのような無能どもだけだろうが! 賢い私は不老不死で完全なる人間を作ることも出来るんだぞ!」


と言い切った。

それに対して猛は


「何言ってんだよ、そんなことしてどんな意味あるんだよ……全くバカっぽいな」


それに対して聖は真っ赤にしながら


「こっこの私に対してバカだと! ふざけるな!」


ブチギレた。


「どうどう、落ちつて、取り敢えず話そうか?」


と長谷川はさっきまでのことをなかったことにした。


「それで私の怒りが収まるか!」


と聖は怒ってたが

長谷川は


「でも俺たちに用があって話しに来たんだろう? このままじゃ他の人が来てお前の計画がおしゃかじゃないのか?」


と我に返った聖は


「まっまあ、確かにお前たちに用があるわ、お前らみたいに牢獄から出てくる人間なんて今までいなかったし……だがもう私のことをバカって言うんじゃない!」


と念を押した。

2人は


「俺も悪かったよ、すまなかった。取り敢えず俺も生きるためにお前に協力する」

「俺は生き残れるなら何でもいい、謝罪する、申し訳ございませんでした」


と謝った。


「分かってくれればいいんだ、まあ話を続けよう……どこまでだっけ?」

「お前が死刑になって捕まったところまで……」

「そうだそうだ、後思い出したがお前らも私と変わらないからな……」

「そういう余計な……もういいよ、続けて」

「分かった」


そして聖は話を続けた。


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王国ユグドラシル

王座の間


「えええい! 我が娘を殺した女をグチャグチャにして苦しみの限りで殺しぇえい!!」


と王様は癇癪を起しながら部下に言った。

すると


「申し訳ございません、この国の法律でそう言う制度もありませんし、技術もありません」


と言った。

するともう一人の部下が


「えっと、その少女なんですが……」

「何なんじゃ! 言ってみろ! まさか逃げたのか!」

「いえ! 決してそのようなことは! 実はすでに首を落しまして」

「それでは苦しめられないじゃないか!」


と王様は再び癇癪を起した。

そして、涙を流しながら


「おおう、我が美しきメリア姫よ……痛かったろう? 辛かったろう? 可哀そうに、お前はただ愚民どもを見下したくて城下町に出て来たというのに、こんな酷い目に逢うなんて……ううう、あの悪魔の女のせいで……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」


と再び王様は泣き出した。

それを見て2人は


((っせええな! あんな最低な王女には、あの死に方がふさわしいよ! ボケええ!!))


と心の中で思っていた。


「何じゃその目は?」


王様は部下の目線が気になったのか2人を睨みつけた。

2人は慌てて


「「いえ! 何でもありませんって言うか! 元からこんな目です!」」

「……そうか? ならいいんじゃが、だが私のような辛い思いをする者がおるかもしれん、その時の為にも罪人を出来るだけ苦しめる方法を考えないと、その方法の確立も……お前ら!」

「「はい!」」


2人は思った。


((また王様の糞みたいな命令が下る、全く! 実行するこっちの身にもなれってんだ! この老いぼれが!))


とため息をつきそうになりながらも2人は我慢した。

そして王様は


「明日までに方法を考えろ! いいな! 出来なければ死刑」

「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」」


予想以上にもとんでもなくアバウトな命令で無茶苦茶な仕打ちだった。


そして2人は王さの間を出て


「どうする……」

「どうしようか……」


2人は震えながら歩いていた。


「死刑だって」

「死刑だってね……」


2人の目には涙が溢れていた。


「なんでこうなっちまったんだ、俺、やっと子供が出来て、今が幸せ絶頂なんだぞ……それなのにいいい!!」


1人は泣き崩れた。


「泣いてる場合じゃない! 考えるんだ! 方法を! 考えればいいんだ! そうすれば死刑にはならない!」

「でもどんな方法があるんだよ! 俺には思いつきやしねえ!!」

「……確かに、普通これはもっと偉い奴らが考えそうなこと、俺たち一般衛兵が考えることじゃない……でも考えないと殺される……」


2人は悩みながら歩いていた。

すると


「あ! あの死体もちゃんと処分しないといけないんだった!」

「そっそう言えば! 糞おお!! やることが多すぎる!」


そう言って2人は慌てて死体置き場に言った。

そして死体置き場のドアを開けた。


「「ない」」


と2人はそこで固まった。

死体がないのだ、

跡形もなく……そこに置いていた死体が


「いったいどこへ?」

「いいから探せ! 生きてたらすぐにでも……」

「アイディア、あげようか?」

「「!!」」


2人の後ろから声がした。

恐る恐る振りあえると

そこには死んだはずの少女が立っていた。


「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」


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「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」

「お前らまで驚くなあああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「勘弁してくれよ! 俺ホラー苦手なんだよ!」

「実は俺も!」

「話が進まねえよ! てかホラーじゃねえよ!」


次回に続く!!

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