第6話『合法的』

「ぎゃうああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「「!!」」


斉藤と長谷川は突然の奇声に目を覚ました。

何が起こったのか分からず辺りを見渡すと

そこに猛が奇声を上げながら大暴れしていた。


「!! ドっどうした! 猛! 気が触れたか! キチガエてしまったのか! この極限状態に!」

「ぎゃうあうああああああああああああああだああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「ええ、えええ……」


2人ともドン引き!

挙句には猛は頭を壁に打ち付けた。

ドンドンドンドンドン!!


「がががあぐあふぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「やっ止めろ! 死ぬぞ! それ以上は死ぬぞ!」

「きっきっき気持ちは分かるが! そんなことしたって意味がない! どうせ回復されて処刑されるのだから!」


長谷川は必死に猛を押さえつけた。


「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」


と耳を叩きつけるような声を猛は上げた。



「!! うっせええええ!!」


長谷川は不意に耳を塞いだ瞬間

猛は長谷川を押しのけてまた暴れ出した。


「何事だ!」


異変に気付いた看守が駆け付けた。


「看守さん! 何か! 猛が大変で! 抑えが利かなくて!」


と斉藤はビビりながら看守に助けを求めた。


「!! 何だこいつ! 狂乱状態! とにかくこの状態で処刑を行っても意味がなさそうだ! 身元を別に移して元に戻り次第ここに戻すことになる!」

「!!」


斉藤はいち早く気づいた。


(こいつ! もしかしてこの狂乱状態はこいつの能力でこの状態だとこの世界でのルール上の処刑が出来ないことを見計らって行ったことなのか!)


だが斉藤はすぐには出来なかった。

何故なら今ここで狂ったふりをしたら処刑が早まると思ったからだ

長谷川はビクビクしながら気絶していた。


「こいつも連れて行くか……」

「!!」


斉藤は一人取り残された。


「まっ待て! 俺も心配だから行く!」

「いや、ダメだ、こいつの処刑をしようと思ったがいなくなるみたいだし今日はお前を処刑する」

「!!」

「ここがゼロになる以上、お前はお偉い奴等の見世物として死んでもらうことになるがいいな!」

「良くない!!」

「これは強制だ!」

「マジかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


斉藤の死刑は決行された。


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「……成功か?」


部屋のベッドで猛は目が覚めた。


「!! 痛った!!」


頭に激痛が走った。

触れようとしたがベッドに拘束されているようで動けなかった。


「やはり結構大変だったみたいだな、だがこれで処刑は長引いた。上手くいけばこのまま生きれるかもしれない……」


嬉しそうにしながら微笑んだ。


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それは昨夜の事だった。


「俺のチートを使えばここから出るかもしれない! 俺の自由にものを液状にする能力!」


猛はかなり細かく使う能力を神にもらえるように頼んだ。

その能力はまず触れたものを液状にする(それは猛自身がどの程度液状にするか)

そして、永久的に液体にすることも出来れば、時間制で元に戻るようにしたりとかなり自由にすることが出来るチートである。

猛は神様から能力を貰えると聞いてまずどれくらいの能力なら叶えてくれるのかを確認した。

すると神様はどんな能力でもと言った。

つまり、かなり詰め込んだ能力でも詳しく詳細を語る能力でも全く問題ない

他の者がどのような能力をお願いしたかわ分からないが有利になろうと猛は思ったのである。

そして、猛はその能力を


「まずは俺の脳に触れれるまで頭を指で液状にしていく、うう!! いってえ!! でっでもがっ我慢!」


そう言ってズブズブと頭に穴をあけて行った。


「はあああああ!! はあ! ぐげっぐううぐう!! いってい!!」


と指を止めた。

そして


「よっようやく頭蓋を液状にっしっした。のっ脳か……ウウう痛い……だがこれが本番……刺したところは抜いた瞬間戻るようにしている……」


猛が差している指から血が垂れて来た。


「時間がない! 戻るのは一日後!!」


ズブズブズブ!!


と指を一気に引っこ抜いた。

そして


「あああ……あああ」


とように猛は狂うことが出来た。

一歩間違えれば死ぬかもしれなかったという悪夢を耐え抜いた。

その恐怖を!


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「良かった。成功して、本当は竜が穴を掘ってる時に使いたかったが、最初は信用するにはいかなかったしな……次の日に使うつもりがあんなことになるとは、竜を殺したのは俺のせいだろうな……」


だが猛は何とか地獄から抜け出すことが出来た。

だがあくまで時間稼ぎ程度にしかならないかもしれない、

だが狂っていれば苦しみも分からないかもしれないということを希望に

少しは恐怖から逃れることが出来ていた。

そして猛は取り敢えず助かったということから


「つっ疲れた……取り敢えず休もう」


そう言って拘束されながら取り敢えずは休息を取った。


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「……きろ……きろ……」

「うう……」


誰か少女の声がする。

猛は寝ぼけている状態であるため、またすぐに眠りに着こうとした。


「寝るんじゃない! 起きるんだ! 君!」

「!!」


猛ははっきりとした声に完全に目が覚めた。


(まずい! 狂ったふりをしないと殺される!)


そして猛は狂ったように


「くけええ……けええええ」


と言った。

すると


「私の前でそのようなまねはしないでいい、さっきは狂っていたがあれは君が仕組んだことだろう? 私と話をしないか? 大丈夫、ここには誰も入ってこないよ」

「!!」


猛はバレたと思った。

そして、真っ青になった。

しかし、次の言葉に安全が分かった。


「大丈夫か? 猛? まだ狂ってるのか?」

(この声は長谷川さん? 助かったのか? 一緒に?)


猛は覚悟を決めて目を開けた

すると拘束具が上に載ってる少女によって解かれていた。


「初めましてだね! 少年!」

「ようやく目を覚ましたか、猛、俺も助かったよ、お前のおかげでな……」


長谷川さんは隣のベッドに寝ていた。


「これはいったい……?」


取り敢えず猛は事情を聴くことにした。

自分の事も離すつもりで

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