第3話

今どれくらいの高さにいるのだろうか。


太陽が真上にあるのに、生い茂る木々が陽を遮っているせいもあると思われるが、肌に感じる風が少し冷たく感じられた。


こんなにも先まで遊歩道を歩いたことは今までに一度もなかった。


引き返そうかと迷いながらもそのまま歩いていると、道が二手に別れていた。


――えっ?


子供の頃からこの道は、一本道だと聞いていた。


しかし目の前で左右にわかれているのだ。


だが左に向かう道は今まで歩いてきた遊歩道の続きだと思われた。


道幅その他が同じだからだ。


そして右に向かう道はそれと比べると細く、遊歩道と違って山の中を強引に突っ切っているかのような印象を受けた。


――なんだ、この道?


まさとは考えたが、よりけわしい右の道に入ってみることにした。


そのけわしさが、自分をクワガタの元へと導いてくれるような気がしたからだ。


いざとなれば引き返せばいいことだ、と考えて。



まさとは細道を歩いた。


とにかく行けるところまで行ってみようと考えた。


やがてずいぶん歩いたと思われた頃、道は行き止まりとなった。


道の一番奥に祠があった。


高さはまさとよりも少し高いくらいで、幅は高さと同じくらいだ。

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