第2話アナリシスの日常2

襖を開けると眩しい朝日が降り注ぐ。ここはこの建造物の最上階。不自然なほどの平面はこれが建造物だということを匂わせるがその周りや上を囲む緑は本物のように見える。

さて、今日はどんな人が登ってくるのかなと思っているとドラゴンやって来て、世界樹よりも高い位置を取る。ドラゴンの影から六つの影が落ちて来た。


それは金髪の青年剣士と青い髪の青年剣士、赤い髪の大柄な男にセクシーな服を着こなす女性と小柄なローブ少女、黒髪黒メガネのローブ男だった。


「貴様は何者だ!?ここには人は住み着いていないと聞いているが」


失礼にもいきなり私に剣を向けてきたのは金髪の青年剣士。

他の面々もそれぞれに武器を構える。それに対して私は武器一つ持っていない丸腰の状態。怖い魔物にでも見えるのかしら?だとしたらすごくショックだな……

まあ、それは置いておくとして。


「ここからすぐに立ち去りなさい。貴方たちが求めるようなものは何もないわよ。

警告を受け取らない場合は私は貴方たちを敵とみなし攻撃します」


とりあえず警告はした。あとは相手がどう出るかによるけど、私丸腰だし強そうには見えないだろうからあまり期待はできないだろうけどね。

六人は顔を見合わせると頷き合い再び武器を構えなおすとローブ二人組以外は私の周りを囲みとびかかる。


こういう場合はまず足を削るのがベストだからドラゴンを行動不能にするところから始めることにする。私は手を空へかざし、絶対にちぎれない鎖を作る。そしてそれを空高くにいるドラゴンに巻き付ける。自由を奪われたドラゴンは地上へと落下していった。六人はぎょっとその光景を見たが戦闘中に慣れているのかすぐに持ち直し攻撃を仕掛けてきた。


最初は青髪青年剣士が剣を振りかざす。それは私の目にとてもスローに映る。私はかなり威力を落として腹に一撃を与える。すると彼は口から体液を吐き出し吹っ飛んでいった。ほかの五人にはまだこの光景が見えていないのかそのまま私に仕掛けている。

私はそのまま次に私に近かった後ろのセクシーお姉さんに右足で蹴りをお見舞いする。当たったのはお姉さんの左腕。左手首にしているブレスレットが砕ける。どうやら防御を上げる魔道具だったらしいがお姉さんも青髪の半分ほどの距離を飛んでいく。多分骨が折れたくらいだろう。

そしてここでやっと赤髪の男と金髪が異変に気付き後退した。


「アクアケージ!!」


「ロックスバースト!」


魔力をやっと構築し呪文を唱えたローブの魔術師二人が魔法を唱える。水の檻が私を捕らえると次に来た岩が飛んでくる。私は水の檻を手刀で消失させ、飛んできた岩をすべて殴り消滅させる。そしてまた威力を抑え黒髪の腹を右足で蹴り飛ばすとそのまま少女の背中を蹴り飛ばす。二人はそれぞれ逆の方向へ飛んで行った。


金髪と赤髪はこの光景を見て固まっていた。なにせ六人いたはずの仲間が二人に減っていたのだから。


「私は警告したわよ。そして戦闘中のよそ見は命取りになるわ」


私は言いながら金髪を殴り吹き飛ばす。すると赤髪が私に仕掛けてくる。


「うおおー!」


私は赤髪に蹴りを入れる。赤髪は耐久力があったようであまり遠くまで飛ばなかった感じがした。しかし場外には出て行ったはずだと思っていると声がした。


「俺は人間じゃないんだよ」



声のした所から巨大な男の顔が出てきた。気持ち悪いほどにニヤリと笑うその顔。


「なるほど、縮小化の使える巨人族か…」


世界樹にしがみつき這い上がってくる。私は不覚にも奴に足を掴まられ引っ張られる。しまったと思った時には体勢を崩しは尻もちをついていた。

嫌だ、気持ち悪い顔がすぐそこにある。

嫌だ気持ち悪い!!

私は一生懸命に奴の顔をドンドンと足で攻撃していた。ドンッといい感じの音がすると私の足の拘束が外れ巨人が地上へと落下していった。


さて次に来るのは二人組は今の人達よりも強そうだ。




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