第15話 第2魔法少女、泪。

 ここは魔法自衛隊渋谷駐屯地の代々木公園。

「私も栞の所のケーリーとバーキンみたいな、忠犬ハチ公のような使い魔兼家族が欲しかったな。」

 空を見上げながら独り言を言う泪。

「どうしたんですか? ルイヴィトン様。ちゅん。」

「モノグラム、火の鳥になって。」

「はあー!? 無理です!?」

「アホー! アホー! 泪のアホー。」

「zzz。」

 久しぶりの登場、泪の使い魔兼家族の雀のモノグラム、カラスのヴェルニ、フクロウのダミエ。

「おまえたちは自由でいいな。」

「そうそう、うちの祐名はんも自由でっせ。」

「zzz。」

 そこに第6魔法少女、森田祐名と使い魔兼家族のジャパロボのAIロボットの明治天皇が現れた。

「おお! ロボットなのに私の気持ちを分かってくれるのか! ありがとう!」

「分かりますとも! 出番が来るまで寝てるだけの主を持ったら、あんさんの気持ちが痛いほど分かりますとも!」

 同じ魔法自衛隊員として泪とAIロボットの明治天皇は悩みを共有している。

「結の所の幽霊、魔法少女になれたみたいだけど、天皇も魔法少女になったらどうだ?」

「残念。わて、男でっせ。」

「そうなんだ。でもロボットの魔法少女もおもしろそうだな。」

 ここで思い出した。昔、書いた超合金DX女子高生、佐藤さくらロボ。どこで登場させることが出来るかがポイントである。立派な魔法少女候補である。

「BLだと書籍化とか、魔法NHKで実写化されるそうでっせ。」

「レズな小百合魔法少女もありかも。名字は小池小百合でいいわよね。」

 時代の流れ、トレンドに合わせた魔法少女、ゾクゾク開発中。

「私の時に、魔法自衛隊ジャパロボ中隊の話を進めて、祐名の時にジャパロボの開発の話でいいんだよな。」

「そうでんな。せやけど、このペースでいったら、魔法自衛隊ジャパロボ中隊の初出撃は、いつになることやら?」

 メインストーリーの他に、ファン作り、世界観作りで各キャラクターの話を作成しているが、魔法少女が増えすぎて、1シリーズで1度か2度チャンスが回ってくれば良いところになってしまった。1チャンスにかけなければいけない。

「クソッ!? 渋井姉妹の谷子は、ほんのおねえさんだし、栞も本シリーズがメインだし、どうしても順番が早い私の物語が進まないじゃない!? こうしてはいられないわ! 尺がないのよ! 魔法自衛隊ジャパロボ中隊! 全員整列!」

 泪の掛け声に、魔法自衛隊ジャパロボ中隊の隊員が整列する。

「番号!」

「1、2、3、4、5、ちゅん、アホー、zzz、zzz、・・・なんでやねん!?」

 隊員を紹介する。順番に、2等陸士、2等海士、2等空士、事務のお姉さん、ジャパロボの整備士、雀、アホガラス、フクロウ、祐名、AIロボットである。

「ダメだー!? ジャパロボ中隊の話が先に進めることが出来ないよ!?」

 泪はさじを投げる。

「ちゅんちゅん、ルイヴィトン様。桜の木の下に何かが埋まっています。」

 突然、雀のモノグラムの特殊能力が開花する。

「魔法自衛隊隊員の皆さん、掘っちゃってください。」

「はい!」

 魔法自衛隊隊員はスコップで桜の木の下を掘り出した。

「泪幕僚長! 何か出てきました!」

「こ、これは!?」

 桜の木の下には、女子高生が埋まっていた。

「死んでるんですか!?」

「違う! これは超合金DX女子高生、佐藤さくらロボだ!」

 なんと埋まっていたのは噂話ででたアンドロイドだった。

「他も掘れば、レズの女子高生も埋まっているかも!?」

「掘りまくるんや!」

「おお!」

 おかげで代々木公園は穴だらけになっていった。

「話が進まない!?」

 泪の苦悩は続く。

 魔法少女化=自分のオリジナルストーリーが持てる、になってきた。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る