第2話 恒星
「 恒星 」
海に向かい
骨を折って投げた
骨はからからと波に沈み
海底の岩陰に隠れた
隆起した岩膚を風が削り
深い藍色を湛えた空に
一等星が輝きを増す
一日が回転し積み重なる
宙に投げた光線は戻って来ない
何億光年もの彼方
恒星から届く光は
絶え間なく降りそそぐ
見えない空間の歪みが
身体を少しずつ砂に変えていくのだと
やがて指の隙間から
砂はさらさらと零れ落ちた
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