(とにかく詩篇)書いちゃ、描いちゃ〜ええぃ。

KIKI-TA

第1話 峠道

「 峠道 」


段々と軽くなっていきます

峠道を踏みしめるたび

からだの破片が落ちていく


峠を越えるたび

峠の風にあたる

乾いた皮が取れていく

だから歩いていくのでしょうか


理由はありませんでした


峠道は曲がりくねって続いています

泥の道も岩の道も根の道も

重なっている


吐く息を捨てながら

何を取り込んでいるのだろう

辿りつかないといいと思っていました


いつのまにか樹木の匂いがして

さまざまな音に溢れています

音を聞くことが出来るようになれたのでしょうか


よく解りません


峠道は流れる雲に洗われて

どこまでも、どこまでも、踏まれている


伝説の生きものの背の如く

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