残酷で切なくて苦味のあるストーリーにも関わらず、描かれる文章は軽く、どこかユーモラスな言い回しが多い。しかし、だからこそ感じられる“狂気”と“現実からの逃避”がコントラストとしてより物語で綴られる異常性を引き立たせている。五感を駆使し、ユーモアを交えた描写によって主人公がどの様な心理状況であるのかも良く伝わってくる。短いながらにその前後のストーリーをついつい想像してしまう様な、そんな作品でした。
ぶっとんでいて、軽いのにしっかり重さがあって、気が付けばめちゃくちゃ面白いです。悲しいはずのものを、何かが掻き消してくれたような感じがしました。