第2話 あー、コーラ飲みたい。

青くすみ渡る空を見つめる。

今は昼あたりだろうか。

もしそうだとしたら、いつもであれば、昼御飯を食べながら、ナツナンデスを見ている所。

そういえばお腹が空いて来たような。

「……ら、瀬李らいり、さん。」

羚が私に向け、そう言った。

「……何?」

私が聞き返すと、羚は空をあおぐように見つめながら、こう問い返した。

「これから、どうしましょうか?」

私は羚のその問いかけに、軽く微笑みを浮かべながら答える。

「決まってるでしょ? ここがどこかの星ってことは、どこかに地球もあるはず。だから、なんとkして地球に帰ってやるのよ。」

と、その言い終わった途端の事だ。

「……?」

私の頬に、冷たい液体がしたった。

それは雨。

突如、大雨が降りだした。

晴天の青空が瞬く間に真っ黒な雲で満たされ、暗くなっていくのが手にとるように分かる。

私はその中に佇み、顔を上げ、雨粒が顔にこれ以上したらぬよう、手で顔を遮りながら呟いた。

「とりあえず……、今は……家ね……。」










――事故現場から数メートル……数十メートル、やっと移動することが出来た。

足の神経がプツリと遮断され、一ミリも満足に動かせないまま、手の力だけでここまで辿り着けたのだ。

自分を誉めてやりたい位である。

だが、そんな事をしている暇は全く無い。

彼はやっとのこさ電話ボックスの扉に手を掛けた。

突き飛ばす勢いで、投げやりにその扉を開ける。








……甲高い音で型どられたメロディーが鳴り、その画面の背景は青く染まり、白い、電話のマークがそこに映し出される。

彼はスマホをモニターへ繋げると、緑の円で縁取られた、電話のマークを軽く押しながらスライドし、電話を繋げた。

一瞬後、スマホと、それに繋がれた目の前のモニターに、一人の男の姿が映し出された。

「お久し振りです、総理。」

彼は微笑を浮かべながら、電話相手の男に言った。





「まずは家ね。」

降りだした雨が頬を滑り落ちる。

私は羚に顔を向けた。

「家……。」

羚の呟きに、私は答える。

「仕方がないでしょ。ここには私達以外、人間がいないんだから。自分で作るしかないの。」

羚は私の顔を伺うと、少しだけ顔を赤らめ、表情を戻して言った。

「でも、木で作るとしたら、どう木を集めるの?」

彼は言いながら、首を傾げた。

……確かに。

その事を考えるのを、すっかり忘れていた。

私は呟いた。

「確かに。……どうやって集めましょうか――」

私はそれに気付いた。

羚の後ろの空に、白く、淡い光りを伴った輪が出来ていること。

そして、その輪の中から、女性らしき形をしたものが降りてきている事に。


彼女は地面に足をつくと、私たちに近づき、こう話し掛けた。

「先程は、私の娘がご迷惑をお掛けしました! お詫びに何か、出来る事はないでしょうか……!?」








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