出会い
春、俺は会長のスピーチに心を打たれた
どうすればお傍に行けるのだろうか…と
会長を見続けたある日
そばにいる女子生徒に俺は気づいた
…いや、気づいてしまった
その子は常に会長のお傍にいた
小さくてセミロングで黒髪の子
周りの同級生に聞いたら
「あの子は特別なんだよ」
としか言わない
特別?何が?
そう思った俺は
観察を続けた
朝から会長の横に着きながら登校
その後HRが始まる5分前まで会長と生徒会室へ
成績はクラストップ、学年でも会長と並んでトップ
休み時間には男子生徒に告白をされるが断る
放課後また生徒会室へ
……
欠点がないと言っていいほど完璧だった
周りが言っていた“特別”を理解した
「これは勝てる気配がない..」
と思っていた矢先
急に突風が吹いてきた
考え事で頭いっぱいで
よろけた
運の悪いことに隣には池がある
落ちたらさすがに春でも風邪をひく
やばい!
と、思った時
ふと足が宙に浮いた
伊織「え?」
ストン
体は池に落ちず、歩いていた所に戻された
??「君大丈夫?」
声をかけられた方を向いた
そこには、彼女がいた
伊織「…柚希さん」
柚希「名前知ってるの?」
伊織「あ、えぇ、」
伊織は目を逸らした
柚希「…」
ずっと自分のことを柚希は見てくる
柚希「君面白いね!」
伊織「はい?」
柚希「君、お兄ちゃんをずっと見てる子でしょ?」
伊織「!?」
誰にも言っていないことを
何故彼女は知っているんだ?!
驚きを隠せなかった
柚希「君をお兄ちゃんの近くに置いてあげる♪
ただ一つだけ条件を飲んでくれたらね」
伊織は無言で頷いた
柚希「君の実力を見せて♪」
そう言うと柚希は伊織の手を取り
キュッ
と握った
少ししてから柚希は手を離した
柚希「明日から楽しみだね♪」
その顔に妖笑が浮かばれていた
またね♪
そう言うと柚希は伊織の傍から離れていった
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