第4話 薔薇色
ある年の忘年会の帰り。その日は同じタクシーに乗って、行き付けのラーメン屋さんでシメラーしてる時だった。
「転勤が決まったら一緒に来ない?今妻と子供の親権で話し合ってるんだ。」
「転勤?!親権?!本気?!」
そんな話、ワイドショーで聞いたことある。ひき止めるための手口だな、と思う一方で・・・
私の心が薔薇色に染まっていくのがわかる・・・。そうだったか・・・。私ってつまらない女。でも、これを待っていたのか。彼が本気かどうか分からないけど、とりあえず様子を見よう。
自分への甘さ。それ以外の何物でもなかったが、私は信じたい気持ちでいっぱいになった。
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