第94話 とっとと、おわらせちゃいなの話

 やあ、おいらです。


 ザ・デストロイヤーが亡くなったとの事。不覚にも、おいらは既に亡くなっていたと勘違いしていたので「あら生きてたのね〜!」と思ってしまいました。誠に申し訳なく思います。

 あの、力道山対ザ・デストロイヤーね。すごかったねえ。おいらも街頭TVでさあ、熱狂したわあ。ウソです。さすがに生まれていません。

 力道山ってさあ、おっかなそうな人ですよね。二所ノ関部屋で関脇まで行きながら、人種差別みたいのにブチ切れて、髷を切っちゃって、アメリカに行って、プロレスを日本に持ち込んだのかな? もともとあったのかな? わからなんけどね。あの、土俵の鬼、初代若乃花が、ビビるくらい怖かったみたいですよ。三代目の若乃花だったら殺されているかもしれないですよね。商魂はたくましいけどさ。うまく行ってるのかね? 商売。その割には家族でバラエティーに出て、小金を稼いでますな。いい儲け話がありますよ。貴乃花氏と腕相撲対決だ。

 貴乃花は選挙に出ないんだ? まあ、どっちでもいいけどさ。思うんですけど、国会ってのはさ、国民の代表の集まるところなんだから、八百屋のおやじ、大工の棟梁、農家のおじさん、女性看護士などなど、仕事を持っている人の集まりにするべきじゃないのかね。プロの政治家なんかがいるから国政がおかしくなるんではないでしょうか? だから、貴乃花氏が出たって、おかしくないのにな。応援はしないけど。


 いけねえ、ザ・デストロイヤーのことだった。小学六年生の頃、空前のプロレスブームが起きまして、それまでプロレスのことなんか、全く知らなかったおいらも、最初は親に隠れて、そのうち、認知されて堂々とTVで観ていましたよ。ああ、思い出した。二十六の頃、人間関係に疲れてさあ、会社で後輩に煙草を一本もらったら、やめられなくなって、自分で買うようになってさ、そうすると家でも吸いたいでしょ。だから、はじめはこっそりと、やがて知られて、居間で堂々と吸ってたねえ。それと似た感じ。しかし、居間でプカプカやってても実父も実母も何も言わなかったなあ。不思議。甘やかされてたのかな? 今は煙草、吸ってませんよ。他人に近くで吸われると、とりあえず、睨むわ。勝手なもんだね。でも、全く吸いたくないわけじゃないんだよなあ。大人の嗜み、高倉健ですみたいなの、憧れちゃう。結局はポーズだね。タール1ミリだもの。


 また道がずれた。ザ・デストロイヤーね。おいらの頃、ジャイアント馬場の全日本プロレスの中継は土曜の五時半。『ビバ・ジャイアンツ』という、おいらの神経を逆なでする番組の後にやっていました。ゴールデンタイムから陥落していたのね。デストロイヤーはもう、その頃ロートル感がプンプンしてたよ。プロレス図鑑(そういう厚めの児童書が昔はたくさんありましたよね。プロ野球、ウルトラ怪獣、仮面ライダー。ああ、仮面ライダーはさあ、今みたいにイケメンが変身するんじゃないよ。男っぽいんだよ。今のは全然知らないし、興味もないけどさ)余談が過ぎました。名鑑に出ていたデストロイヤーには恐怖感がありました。四の字固め! 骨折れそおー。でもさ、ほかのプロレス技もそうだけど、あれって、相手のなんというか協力がないと絶対にできないよね。笑ってしまうよ。もう、その頃、マスクマンといえばミル・マスカラスでしょ。華麗なる空中殺法。でも、今思うにマスカラスも日本に来たときには全盛期過ぎてたんじゃないかなあ。メキシコのルチャ・リブレだっけ。若いプロレスラーが善玉、悪玉にはっきり分かれて、ビュンビュン、空飛んでるみたいだし、人気が出ると映画の主役になっちゃうんだよね。(プロレススーパースター列伝からの思い出しですが)

 四の字固めってさあ、裏返しにされると、技をかけたほうがなぜか痛くなるんだよね。なんで? 誰か論理的に説明してクレー射撃。


『うわさのチャンネル』は全く観たことなかったんだよな。寝てたのかな。意外とうちの両親、下品なのが嫌いだったから観てなかったのかもしれない。わかんないや。でもさ、今回のデストロイヤーのニュースで、徳光さんが四の字固めかけられながらボヤキの実況するの最高に面白かったな。NHKでもやってたよ。TV史上に残る、大笑いシーンだね。


 親日家だった、ザ・デストロイヤーは東日本大震災の時もすぐに駆けつけてくれていたんだね。そして、日本の子供にレスリング教室を作ってるんだ。そこからオリンピック選手が出るといいね。至学館大学出身者ばかりじゃ、あのクソババアの花をへし折れないからさ。


 最後に思ったことは、デストロイヤーのマスクの縁取りって赤だけじゃないんだね。緑とか黒とか色々あるんでびっくり。しかし、最初は女性用パンツだったとは知らなかった。穴は足りるのか?

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