第88話 ほんのむしのつづきの話

 やあ、おいらです。


 まずは、ウケない小噺。


 浅田舞と結婚したら、もれなく浅田真央がついてきちゃったよ。

 普通は、逆だけどな。


 つまらん。


 おいらは思っているんですよ。日本人の考えている日本の歴史というのは司馬遼太郎先生が作った日本の歴史なのではないかと。


 織田信長が残酷だけど、カッコよく見えたり、豊臣秀吉が人誑しのいい人に思えたり、徳川家康が狸親父で、豊臣家から権力を強引に奪ったとか、石田三成は権力に対抗した清々しい男だとか……

 明治維新でもさ、坂本龍馬がいたから明治政府はできたとか、西郷隆盛は誰からも愛される傑物だったとか、大久保利通は理想を高く持ちすぎて盟友を殺したとか……


 これって全部、司馬遼太郎先生の小説の中のお話ですよね。実際はどうだったかなんて誰にもわからない。日本人に戦国時代、安土桃山時代と明治維新が飛び抜けて人気なのは司馬先生の功罪だなあなんて思っちゃうのさ。

 ちなみに、司馬先生の明治時代以降の作品をおいらは読んでいないのさ。初期の司馬先生の作品って血湧き肉躍るって感じですけど、後半の小説は、どうも説教くさいというか説明が長い。司馬史観って言葉はありましたっけ? あったら、それがどうも嫌なのさ。おいらは熱き男たちの攻防が読みたいわけ。講談だね。ああ、講談社って講談を本にしていたから講談社なんだよ。えっ、知ってる? そいつはすまんでごわす。


 池波正太郎先生はエンターテインメントに徹していましたよね。師匠である……誰だったっけ? ちょっとお待ちを。長谷川伸先生でした。彼に付いて劇作家をしていたんですね。だから、見せ場を作るのがうまいんじゃないかな。

 まあ、おいらはライトユーザーだから、『鬼平犯科帳』くらいしかきちんと読んでいないし、しかも学生時代だったから、もう忘れている部分が多いのだけど、『鬼平犯科帳』の三巻くらいまではものすごい名作だと思います。連作短編という道具を上手に使って、「ああ、あの話にちらっと出ていた盗賊が!」とか「あの話が、これに繋がっていたのかあ」ってほぼ完璧に仕上げられていました。ああ、個人の感想です。ただ、巻を重ねていくにつれて、それが、こじつけみたいになっちゃうんですよね。でも、それはしょうがない。何十巻も続く、連作短編集の設計図を作って書くなんてマニアな作家にしかできないですよね。ライトノベルとかにはそういう作家さんいるのかなあ? おいらはO型のクマだから絶対できない。行き当たりばったりのべっとりでさあ。

 そうそう、前にも書いたけど『剣客商売』学生の時に読んでいて、実父に「若造にはわからないよ」と言われて、それ以来、読んでないので、ぜひ、読みたいのだけど、未読ラックにエベレストができていて、雪崩がしょっちゅう起きちゃって、登山者が巻き込まれてしまう。果たして生きているうちに読めるでしょうか? 『必殺仕掛人』はあんまり興味ないし、原作にはたぶん関係ない、藤田まことさんと菅井きんさんの顔が浮かんできてしまうので読まないでしょう。お二人とも亡くなってしまいましたねえ。なんとも残念。ここで、余計な知識をあなたに! 藤田まことさんはあくまでコメディアンだったんですよ。『てなもんや三度笠』は知ってるでしょ? 知らない……まあ、いいや。とにかく、あくまでコメディアンとして上の人は売り出したかったんだけど、本人に俳優指向が強くて、すぐに、シリアスドラマに出ちゃって、怒られてたんだって。でも最終的には俳優でしたよね。さて、どっちの道に進んだほうがよかったんですかね。おいらの知ったことではないですがね。

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