第51話 なんだかなあの話

 やあ、おいらです。


 この駄文が百話完結でしたら、後半戦のスタートです。でも、どうかな? なんだかネタに詰まってきちゃったし、今ひとつやる気がない。群発性冬眠症候群もまだ当分続きそうですからね。棄権もありうるし、急にテンション上がっちゃって百話を突破する可能性もある。まあ、未来のことはわかりません。


 ふう、なんだかなあ。

「どうしたんですか? ぺこりさん」

 あれ? 舞子じゃないか。もしかして今、番組の本番中だっけ?

「違いますよ。ぺこりさんが引きこもりがちだから、美人好きのぺこりの為に、可愛いあたしがお見舞いに行けって、かっぱさんに言われて来ました」

 ああ、そう。可愛い娘ねえ。舞子の場合はおいらの作ったキャラクターだから、実の娘のようで、邪念が起こらないよ。できたら、朝か夕方に、十日市場駅のバスターミナルへ行って、東洋英和女学院の学生をさらってきてよ。

「それ、誘拐ですよ。監獄に逆戻り」

 冗談だよ。

「ところで、どうしてため息をついていたんですか?」

 ああ、さっきポストを確認していたら、東京電力の検針票が入っていてさあ。見たら、三千五百円だって。高いよ。十一月なんか二千円にもいかなかったのになあ。

「エアコンを毎日使っているからじゃないですか?」

 そんなこと、言われなくてもわかってるよ。おいらさあ、エゾヒグマの血を受け継ぎながら寒がりなんだよ。それに虚弱体質だからさあ、風邪やらインフルエンザ、ノロウィルスにやられたら、死ぬ可能性もある。

「父親の血が悪いんじゃないですか?」

 ああ、それはない。父は鹿児島名物『しろくま』だからさ。血液ないのよ。氷菓子だからね。

「じゃあ、なんでぺこりさんは生まれたんですか? 物理的、生物学的に不可能でしょう」

 舞子くん。物事を常識だけでとらえてはいけない。桃太郎はどこから生まれた? あかたろうはどうやって誕生した? イエス・キリストはどうして生まれたの? 世界中には、通常の性行為以外で生まれたものがたくさんいるんだ。

「ぺこりさん、ごめんなさい。これからは見識を変えます」

 素直でいい子だ。

「元気でましたか?」

 いや、まだだね。もし、居心地が悪かったら帰っていいよ。

「いいえ、います。ぺこりさんの中途半端な知識のひけらかし、案外好きですから」

 褒めてんのか、バカにしてるのかわからないね。もう日付が変わっちゃったけど、二月七日は四月の陽気だって、長い失踪の旅から戻ってきた、ヒライさんが言うから、おいら散歩でもして、ダイエーに行こうかなと思っていたのよ。そしたらさあ、朝から寒くて、その上曇天。でも、いつかは気温が上がるだろうと思って、エアコンをつけずに耐えていたのに、一向に天気は回復せず、室温も上がらず、結局は群発性冬眠症候群で寝ちゃってさ、気がつけば四時半。お薬の時間だよ。でさ、『ニュース・エブリー』を観たら、横浜の最高気温十七度だって! おいおい、十日市場だけ上空に猛烈な寒気が入ったのか? でもさ、十七度って室温として考えたら低いよね。おいらは十八度か十九度に設定しているよ。結局、四月の陽気ったって大したことないんだね。

「あたしは暖かかったと思いますよ」

 若さだよ。若さ。

 そうだ、薬の話をさっきしたけれど、なんか「人前で薬を飲むのはルール違反」って思っている人がいっぱいいるんだって。おいら、カチンときたね。それならば、「他人の前で食事をするな! 汚らしい」とか「他人のいるところで読書をするな! 読書に対する欲求と排便をしたいという欲求はおんなじじゃないか」と言いたい。ちょっと無理があるかもしれないけれど、薬を飲むって行為は命を守るためのものだよ。なんか、最近、なんでもいちゃもんつけるバカが多いけど、全部、SNSのせいじゃないの? 匿名でさあ、他人を中傷して、正義感ぶっている。警察がサイバーパトロールを強化して、みんな逮捕すればいいんだ。そのために税金使うなら許す……あっ、おいらは国民の義務果たしてなかった。言う権利ないな。

「十分、言ってますよ」

 あとねえ、政治に対するクレームかな。まず、問題外の桜田五輪相。もしかして、認知症なんじゃないかな? 官僚との事前のミーティングとかしているんでしょ? 質問内容だってわかっているんだよね? おかしすぎる。即刻、病院に行くべき。

 片山さつき大臣は金の亡者なのか? さすが舛添要一の元妻だよ。早く消えて欲しい。

 根本厚労相ねえ。ギリギリ、徳俵にいるよね。しかしさ、厚労省ってなんで不祥事ばっかり起こすの? 廃止した方がいいんでないのかな。新しい省を作って、一から出直し!

 さて、一番言いたかったのは、千葉の女児死亡事件。阿呆首相や、森田健作千葉県知事が、二度とこのようなことの内容に全力で取り組む、みたいなことを言っていたけれど、所詮、口ばっかさ。虐待死は減りません。私論ですが、児相を廃止して、警察内に虐待防止課を作って、ストレートに問題家庭に介入してしまえばいいと思います。


 ふう、舞子くん、もう疲れたよ。

「ぺこりさん、今日はギャグがなかったですよ。大丈夫ですか?」

 おいらは、お笑い芸人さんではない。悪の首領だよ、舞子!

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