第44話 しろはあっというまにおちたの話

 やあ、おいらです。


 二月ですねえ。

 三日は節分。おいらはもう二十年近く、豆をまいていませんし、恵方巻きなんて死んでも食べません。考えてみれば、季節の風物詩には全く関与していません。日本に生まれたクマとしてこれはどうなんだろうと、少し反省しています。作者の方のぺこりの実家は、そういうことに敏感で、松飾りと鏡餅を供え、七草がゆを食べ、鏡開きをします。節分には豆まき、桃の節句には小さな雛人形。灌仏会には甘酒を飲み、端午の節句には菖蒲湯に入る……ちょっと待て! 武者飾りと鯉のぼりが無視されているじゃないか。いかに、おいらがみそっかす扱いされていたかがよくわかります。実親は姉ばかり、大事にして、おいらはそえもんだったんだろうなあ。で、夏は笹の葉さらさら、秋には月見団子ときて冬はかぼちゃと小豆の煮物を食べて、柚子湯につかる。実親は新潟人なので、おせちは大晦日の夕方から食べ始めます。はい、終わり。


 こんな家に育ったのに、何にもしないのはひとえに元妻の影響です。元日の朝から食パンを食べさせられ、当然、松飾りも鏡餅もなし。豆も、ひなあられも、柏餅も食べられない。七夕はドタバタで、月見団子は蹴り飛ばされ、菖蒲湯や柚子湯どころか普通のお風呂にも入れず、シャワーのみですよ。ヒートショックで死ぬわ。


 まあ、その元妻とも絶縁し、気楽に行こうと思っていた矢先、おいらはミスを犯しました。合鍵の回収を怠ったことと、キーチェーンをし忘れたことです。元妻軍は、我が城の大手門を難なく破って、二の丸、三の丸を占領。おいらは慌てて毛利輝元殿、吉川元春殿、小早川隆景殿に助けを求めましたが、時すでに遅し。おいらは元妻軍に拘束されました。

 白州に引き出されたおいらは、首を垂れ、元妻の『斬れ!』という冷酷な声を聞きながら斬首されました。

 絶縁どころか、腐れ縁は続くようです。


 さて、皆さん。球春到来ですね! 果たして、今年のベイスターズはどうなることでしょう? 東投手が肘の違和感で二軍スタートですか。二年目のジンクスに陥りそうですね。かつての東尾修や工藤公康のように隔年ピッチャーって多いですよね。ジャイアンツの菅野だって、その傾向はある。だから、はっきり言いましょう。東は今年はダメ。

 代わりに、去年散々だった、今永と濱口に期待ですね。石田はなあ……なんか、覇気がないんだよなあ。なんか、闘志むき出しで投げたらいいのに。昔のアニマル投手のようにね。アニマル浜口じゃないよ。

 右ピッチャーはさあ、なんか期待できないなあ。井納は二軍か。飯塚とか、京山、平良なんて若手が活躍したら楽しいんだけどなあ。まあ、無理か? 案外、ポンコツだった三嶋がいいかも。うん? どっかでも書いたな。重複だ。

 バッターね。筒香大先生、なんか高校野球とかアマチュアの指導方法に疑問を呈したりして、そっちばっかり話題になっているけどさあ、肝心なのはあなたの打撃成績なのよね。周りがいうほど、あなたの実績は高くないよ。もちろん、潜在能力はある。でもなあ、いまひとつ何かが欠けている。「日本の四番」とか言われているけど、ジャイアンツの岡本にその座を奪われる日も近いんでないの。

 後の選手で魅力ある人いないなあ。選手名鑑を買ってないからさあ、ルーキーとかわからないのですがね。

 今年のベイスターズの最大の話題は、ラミレス監督の帰化かもね。

 で、結果は最下位のような気がする。補強がね、少なすぎるよ。それで、ラミレスはクビ。そのあと日本で何をするんだ?


 しかし、地上波でプロ野球を放送しなくなって久しいですね。昔はジャイアンツの試合はほとんどやっていたのにね。地上波で一番試合が観られるのって、関東ではベイスターズではないかな? TVKが結構やってくれるもんね。でも、昔のホエールズ時代は優勝チームが決まるまで、横浜スタジアムの試合を全部、最後まで中継していたんだよな。十一時過ぎまでやっていたこともありましたよ。

 今はねえ。ご時世だね。プロ野球見たけりゃ、球場に行くかスカパー! に加入しろってさ。貧乏人には観られないコンテンツだよ。庶民の楽しみを返せ!


 最後は真剣に。千葉の女児の事件。あの親はヤクザかなんかですか? なぜ、学校も教育委員会も児相も、あいつの恫喝に屈するんですか? わからない。自分が可愛くて、子供を身を呈して守ろうという気概が感じられませんね。公務員ってさあ、情熱を持って仕事はできない人種なのかしら? ならば、全部、民営化すればいいね。

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