第21話 なんだか、ぐあいがわるいなあの話

 やあ、おいらです。


 昨晩は面白そうな深夜番組がなかったので、いつもより早く寝たんですよ。もちろん、睡眠薬飲んでね。そうしたらさあ、結局、いつもより一時間早く起きちゃったのよ。ホント、おいらの不眠症と早期覚醒は根が深い。

 それで、仕方ないから、燃えるゴミを捨てに行って、寒いから、もう一回お布団に潜り込んだわけ。そうしたら深く眠れたの。でも、目が覚めたら、どうも具合が悪い。吐き気とかはないのですが、よく言う「なんとなく、具合が悪い」と言う感じなのです。いつもの自律神経かなあと思ったんですが、もしや、木曜日、内科で、あの若造に……なんか移されたか? インフルエンザか? そういえばあの日に書いた駄文のタイトルに、インフルエンザの潜伏期間は? なんてつけましたよね。結局は全然違う内容の本文になっていましたが。あの時から、おいらの野生の勘、つまりはクマの勘が、クライシスを感じていたのでしょうね。なので、とりあえず、三たび、お布団に入りました。でも、手持ち無沙汰だったので、読みかけの本を読んでいたら猛烈に眠くなってきて夢の中へと旅立ちました。ああ、インフルエンザだったら効果はないと思いましたが、風邪の薬は飲みましたよ。冬の必需品ですね。気休めですけど。だって、風邪がすぐ治る薬を発明したら、ノーベル賞をもらえるんですよね?


 目が覚めたら、特に体調が悪化してはいませんでした。おいらの思い過ごしでしょうか?

 で、話は変わるんですけれど、今日は実母の、いわゆる月命日というやつでして、体調万全だったら墓参りでもしようかと思っていたんです。この前、クリエイトでお線香を衝動買いしたしね。🎶青雲 それは きみが〜 みた光〜の青雲ですよ。でね、昨日、青雲の箱を開けてみたんですよ。おいらはね、言ってみれば乾麺のお蕎麦みたいに何輪かに分けられていると思っていたわけですよ。ところがどっこい。全部、バラバラに入ってるの。これじゃあ、箱ごと持ってお寺さんまでいかなきゃなんないじゃないですか、お客さん。ああ、面倒だ。それに、今日は寒い。天気予報の森さんによれば、明日、日曜日は気温が上がるらしいのです。ただ、森さんはねえ、予報が当たんねえんだよな。今度の火曜日、雪が降るとか言っていたけど、NHKの関口さんは、雪は降りませんって断言していましたよ。あなたたちはウェザーニュースの人ではないのかな? 調べていないからわかんないけれど。

 だから、今日は休養して……ああそうですね、違いますね。今日も(!)休養してさ、明日、体調がよかったら行こうかなというくらいの気持ちでいるんですよ。ええ、たぶん、明日も行かないな。それにしても、隣の松本酒店のババアうるせえなあ。普通の声で喋れないのかよ……


 ポストに何か来たので、取りに行ったら、国民健康保険料のお知らせだって。おいら、アレだから、去年の二月までしか支払っていないのよねえ。それなのにわざわざこんなもの送って来てくれるなんて律儀というか、税金の無駄というか。でも、住所が東本郷のままなんだよなあ。そりゃあ、そうだ。住所変更してないもの。でもいいのか。来年からは、流石にこのお知らせはこないからねえ。ちなみにさ、おいらがアレとかいっているもの、別に犯罪ではないから正直に書いてもいいんですけど、なんか、やっぱり恥ずかしいものです。武士は食わねど高楊枝……なんか違うか? 松坂慶子みたいに「私は武士の娘です」っていうの。これも違うなあ。ちなみに、母方は全然わからないんですが、父方は僧侶だったようで。なんか、「坊主の子孫は七代、極楽にいける」だって。だから、おいらは自動的に天国にいけるの。超ラッキー。ああ、これはあくまで、作者ぺこりのことですよ。キャラクターぺこりの父親は鹿児島名物シロクマで、母親はエゾヒグマ。ぺこりは氷菓子と野生動物のハーフであり、妹ぺこりと雌雄同体のミュータントって設定は前作などで説明してあります。そうそう、妹ぺこりは赤ちゃんのシャンシャンシャンを産んで以来、全然登場して来ませんが、それは彼女が極端に引っ込み思案だからです。でも、本当の理由は作者が兄と妹を描き分けるのが面倒くさいからというのは秘密事項です。


 えーと、もうおしまいにしてもいいんですけど、ちょっと付き合っていただけますか?

 最近、大型書店のチェーンは出版社と組んで、自社限定復刻文庫みたいなことをやっているみたいなんです。この前、元妻が朝の四時半まで読んでいたのも、その一冊でして、おいらもあとで借りて読むつもりなので、書名等はその時お教えしますけど、なんかものすごく面白いんだそうです。なのに、店では全然売れなくて、百冊近くストックが残っていて困っているらしい。おいら、ちょっとその本に書かれているおすすめ文を見たんですよ。三人くらいのバカ書店社員が文章を寄せているのですが……「おめーら、本当にこの本、売る気あるのかよ! こんな、教科書みたいな薄っぺらい文章を書きやがって。情熱がさあ、情熱が感じられないんだよ。ポップはロックだぜ。ソウルだぜ。魂削って文章を刻みこめよ!」なんてなことを、すごく、冷静に感じましたね。真面目な文章なんてさ、通りすがりのお客さんは読んでくれませんよね。ちょっとくらい、文法が間違っていてもインパクトがあればね、目につくと思うんです。で、すごく、イヤな思い出なんですけど、おいらがバカ書店の綱島と鶴見からのバスでしか行けないという辺鄙なショッピングセンター。トヨタがやっているところね。そこで、雑誌の担当をしていた時、『コロコロコミック』のポップに“大発売!”って書いたの。子供相手だしいいじゃねーのと思っていたら、おいらがとっても嫌いなやつで、向こうもおいらのことを嫌っている、男のくせに体臭が臭いからだろうね、めちゃくちゃ香水をつけちゃって、体臭と香水が入り交じっちゃったフランス人の太った出来損ないみたいな統括店長さまが「こんな日本語はない」とか言って怒るんですよ。おいらはこいつは「商人ではないな」と思いました。常識をぶっ壊していかなきゃ、新しいものは生まれないのです。そうしなくては『現代用語の基礎知識』は発行されず、書店の売り上げは上がらないのです。と思ったけど、知らんぷりしてやりました。だいたいね、そいつは商品管理しかできなくて、店頭でものを売ったりはほとんどしていないのよ。接客向きでもないしね。そんな奴がさあ、偉そうにしてるんだから、バカ書店はダメなのよ。そいつ? なんか定年して、エルダースタッフで会社に残って、中山駅の三階にバカ書店の臨時店舗があって、そこのレジに立ってたって。臭くて、お客さんレジに近寄れねえよ。バーカ。

 すみません、終わります。

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