第16話 ああはじまってしまったか。でもはんつきなんてあっというまのことさというきぶんの話

 やあ、おいらです。


 外装塗装が始まりました。今日から月末まで。まあ、正直いい気分ではありませんわな。部屋の周りを職人さんがウロウロするから、結構神経質で敏感な性質のおいらは人影が視界に入るたび「なにやつ!」と、坂本龍馬先生愛用の刀のレプリカを己の身に近づけてしまうのです。ちなみに、おいらの左の腕には割と大きなあざがあるのです。今はだいぶ色が薄くなりましたが子供の頃はかなり気になっていたのです。しかし、何かの本、たぶん司馬遼太郎先生の著作だと思うのですが、それによると、「坂本龍馬の左腕には大きなあざがあった。人相見によると、そこにあざがあるものは武術の達人になる」って書いてあったんです。だから、おいらは平将門、上杉謙信の後は坂本龍馬になっていたのではないでしょうか? ええ、もちろん、これは角川春樹並みの妄想ですよ。でもなあ、将門、謙信とさあ、平氏で来ていたのにねえ、坂本龍馬って明智光秀のいとこかなんかの秀満でしたっけ? あれが生き残って、土佐に流れ着いて才谷家とかなんとかという商家になって成功したものの系譜でしたよね。だから源氏なんですよね。ちょっと納得いかないなあ。おいら平家派。ジャニーズとは違うよって言っても誰も知らないか? とにかく平氏が好きなんです、おいら。平氏ってイメージ良くないですけど、清盛を中心として、まあ、細かくいうと心の葛藤はあったでしょうが、一族仲良く六波羅に住んでいたでしょう。清盛が身内で殺したのは叔父の忠正一家くらい。これは幼少時から、あまり仲が良くなかった上に、保元の乱で敵対しちゃったのだから仕方ないと、おいらは考えています。一方の源氏は同じく、保元の乱で義朝は父、為義はじめ、弟たちを殺します。まあ、朝廷というか後白河帝の無言の圧力があったからねえ。でもなぜか、末弟の鎮西八郎為朝だけは殺されていないんだよなあ。不思議。まあ、当時の最強武者だからねえ。その辺が考慮されたんですかねえ。あんまりはっきりとはわからないけど。結局、両腕の筋を斬られて、八丈島だったかな? そこへ遠島になったのですけれど、もともとが尋常ではない強さだから、筋くらい斬られても平気なわけ。そいで、結局、八丈島を制圧しちゃって、さらなる高みを目指して南の海に旅立つんだっけ? ここまで、ノー資料で書いております。

 ああ、おいらが源氏が好きでない理由でしたね。要するにさあ、一族の仲が悪すぎるってこと。義朝の長男、悪源太義平は叔父さんの帯刀先生義賢を殺すでしょ。その息子、義仲は斎藤実盛などの助けで、木曽に逃れて、木曽義仲となって倶利伽羅峠の戦いで火牛戦法(まあ、フィクションらしいですけどね。角に火のついた松明をくくられたら、牛はビビって動けないそうです)で平氏の大軍を破り、一気に都を占領。征夷大将軍にはなるわ、朝日将軍ともてはやされるわと最初はよかったのですが、予定外に早く京都を占領ちゃったから、物資、食料がない。なので略奪、暴行と悪逆の限りを尽くし、困った後白河帝は鎌倉にとどまっていた頼朝に救いの手を求める。それで、範頼と義経が派遣されて、義仲を殺す。でも、それ以前に義仲と頼朝が協力するというシナリオもできかけていたんですよ。けれど、二人とも意地っ張りでライバル心が強かったからおじゃんになっちゃった。これによって清水の冠者義高と大姫の悲劇が起きて、頼朝は自分の娘が気を病んで狂死にするのを見ることになるのです。そして、有名な義経殺し。頼朝は怜悧だから、義経探索のついでとばかり、全国に守護と地頭を設置してしまう。いまの教科書ではここが鎌倉幕府の成立年になるそうです。1185年。ゴロで覚えるときはどうするんでしょうね? そして、よく知られてはいませんが、頼朝は範頼も殺しています。無能だけど、従順で頼朝を慕っていたのに。源氏の負の連鎖は頼朝の死後にも続き、二代将軍頼家は勝手がすぎて、北条家の怒りを買い、伊豆の修善寺に幽閉された後、北条家の刺客によって殺され、三代将軍実朝は頼家の子、公暁に殺されます。北条家という影の悪党もいますが、ほとんど、一家が殺しあう。こんな源氏が好きな人、手をあげて。うーん、これが結構いるんだよね。昔だって源氏を名乗る武士は結構いたのさ。そのうち、本当の源氏がどれほどいたかは不明です。そんななか、織田信長は平氏を名乗っていました。ああ、なんかよく、征夷大将軍になれるのは源氏の長者だけっていう人がいますが、ウソです。だって朝廷は織田信長に「征夷大将軍になりませんか?」ってお伺いを立てていますから。だいたい初代征夷大将軍の坂上田村麻呂は源氏ですか? 違うでしょ。


 なんか横道が本道になってしまいました。外装塗装のことを話していたのにね。午前中は足場組みだけみたいだったけれど、部屋をネットみたいので覆われてしまいましたよ。思ったよりは薄い素材ですけど、日光の入りが弱いなあ。この時間、ああ正午くらいになるとエアコン止められるんですが、今日からはムリみたい。光熱費かかるなあ。そして始まる塗料の匂い地獄。おいら、シンナーとかの匂いがダメで、プラモデルに塗装できなかったくらいなの。一回だけやったんですけど、めまいを起こしてぶっ倒れました。その後、水性塗料っての使ってみたんですけど、夏の暑さでさあ、溶けちゃって、ガンプラのなんだったっけなあ、名前忘れちゃったんですけど、ゼータガンダムに出てくる、ザクみたいなやつ、その足裏に塗った塗料がね、棚にくっついちゃってさ。もうわかりますよね。今は接着剤も塗料もいらないみたいですけど、そんな細かい作業はしたくありませんし、できません。

 では。

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