第13話 あさははれていたのにいつのまにかくもりになっててああじんせいとおなじだなとかんじたきもちの話

 夢ならばどれほど良かったでしょう 未だにあなたのことを夢に見る〜

(歌詞わかんないので中略)

 今でもあなたはわたしの光〜


 ははは。出だしからJASRACに喧嘩を売ってやっだぜ。どうせ、あちらさんは気付きもしないけどさ。


 まあ、言いたいことは米津玄師がいいよなあってこと。でもね、おいらトロい男ですから、去年『アンナチュラル』を熱心に観ていたんですけど、脚本の野木さんと、井浦新とずんの飯尾にばっかり目がいっちゃっていて、テーマ曲までさあ、あんまり考えていませんでした。はあ? 石原さとみですかあ。おいらねえ、彼女は美人だと思うのですが、あんまり好きなタイプじゃないんだよね。タッキーの『義経』で静御前をやっていた時は「ああ、かわいいな」とか思っていたのですけど、ちょっと言いづらいんですが、彼女、あそこの人なんでしょ? 久本雅美とかのところね。いいえ、『ワハハ本舗』ではないです。信仰の自由は憲法で認められていることだから、偏見を持ってはいけないとわかってはいるんですけどさあ。なんていうのかなあ、おいらは何事においても中庸ということが信条というかポリシーなんで、右にしろ左にしろどちらに傾くのもイヤ。傾くくらいなら寝ますわ。そういう意味であそこはどっちだかわからないけれど、大金が信者から入ってくるんでしょ? 薄っぺらい新聞も儲かるだろうし、定期的に出版される書籍もさあ、地区の代表みたいな人がいっぱい買うのさ。おいら、昔さあ、それの担当をやったことがあって、あれってね、現金を持って買いにくるのではなくて、掛売りでさあ、なおかつ、注文された地区担当の人たちのところに、宅配で送んなきゃならないの。その仕分けと、段ボール詰めが大変なのよ。さらにどういうわけか、いっつも、おいらの公休日に当たるの。休日出勤ですよ。サービス残業さ。ブラック企業だ! バカ書店。もう一つ、大きなあれがあるじゃないですか? バカボンみたいな人が「わたしは神だ」とか言ってさ、いろんな過去の有名人、ああ最近は生きている人も降りてくるみたいね。別にそっちの肩を持つわけじゃないけれど、こちらさんは、いつもニコニコ現金払いなの。その上、「今月は何冊、買いますから」って連絡は来るし、出版社が注文取りにくるから特に何もしなくていいの。楽だあ。それに初めの方の出版社は商品買い切り。あとの方は返品フリー。いいえ別にどっちも応援してませんし、貶めてもいません。事実を述べたまでのこと。

 まあね、石原さとみがさあ、「今夜は朝まで付き合って」って耳元でささやいたら、おいら行きますしね。まさか朝まで、お題目唱えて、太鼓みたいなの叩き続ける罰ゲームはないですよね?


 なんかぶっ飛んだなあ。大丈夫でしょうか? まあいいや。米津玄師のことだったですね。ドラマの時は今ひとつピンとこなかったのですが、なんか、やたらと世間で話題になって、世情に疎いおいらも変な漢字の名前、読めるし書けるようになりました。聞き返してみれば『Lemon』はいい曲です。しみます。若干長いけどね。それよりも、おいらが「あれ、米津玄師いいかも?」と思ったのは、どこかのスマートフォンのCM。ちょっとアップテンポな曲だし、たかだか十五秒しか聞いていないけれど、なんかおいら、心地いいのさ。そしたら、米津玄師ってクレジットが。ふーん。いいね。

 でも、ご存知の通り、おいら極貧生活だからCDは買えないし、一身上の理由から、ダウンロードはしない。米津玄師を個人所有できないがな。でさあ、現代に生きるクマでありながら、おいらはYouTubeが嫌いなの。理由はありません。生理的に嫌いなだけ。エロい動画でも観せてくれたら、間違いなく観るけどね。なんかさあ、あれで一儲けしようってやつら、ユーチューバーだっけ? 子供が将来なりたい職業なんだって? バカか! 楽して金を得ようとするな。汗水垂らして働け! お百姓さんになれ。えっ、お前には言われたくないって? まあ、それはそうだ。しょぼん……おいらだって、働けるなら働きたいよ。でもさあ、精神病の中年男、しかも職業ブランク、まもなく七年。どこの企業が雇ってくれますか? この読者さまの中に、横浜市内で大企業経営されていて、おいらを雇ってくれる方、いませんかあ? なんか前にも叫んだな。いるわけないない。脂肪ばっかりで、筋肉ないし、病院に行く日がたくさんあるから休みも多い。ダメだな。せめて精神障害者手帳でもあればいいのですがね。区役所さんが一向に話を進めてくれない。自分でやれですか? ズバリ、言いましょう。おいら個人の能力ではできません。


 なんか、とりとめなくて、虚しくなってきたなあ。ああ、そうそう。文庫一冊読了したんだ! 今月二冊目。少ないなあ。まあ、とにかく読書日記始めます。(有働由美子風に読んでね)

 今回、読了したのは、泡坂妻夫『ヨギ ガンジーの妖術』。ヨギ ガンジーシリーズの第一巻なんですけど、昭和六十二年に初刷が出て以来、増刷もなく、長らく消えていた絶版状態の本です。それが平成の終わりに復刊したのです。泡坂先生も草葉の陰で嬉し泣きしているかも。なんで、復刊になったかというと、今回、解説を読んで初めて知ったのですが、どこかの局の人気ラジオ番組で、ガンジーシリーズの第二弾、『しあわせの書』が紹介されて、ブレークしたんだって。おいらも十何年前、『しあわせの書』だけは入手できたにゃ。ついで、第三弾の『聖者と死者』が奇跡の復刊。このことはおいら、何回も書いたよね。この二冊はさあ、本そのものに仕掛けがあるのです。奇術師でもある、泡坂先生ならではのアイデアですよね。こうなると、第二弾、第三弾が流通しているのに、最初の巻が絶版っておかしいよね。これも、おいら、どこかに書いたよ。でも、「本殺し」の新潮社だからね。すぐ、絶版にしちゃうし、作家を怒らせて、出版物全部引き上げ、とかしょっちゅうある。大江健三郎先生とか長嶋有先生とか、資料を見なくても思い出せるくらい多い。だから諦めていたんだけど、新潮社も商売だからね、復刊ですよ。内容は連作短編集。泡坂さん得意のマジックとトリックの融合です。ちょっとコミカルで笑えます。古びた感じはないと思います。これを読むことによって、ガンジーについてくるサブキャラクターたちの行動理由がわかる。今まで、「君たちは何?」と思っていたことが氷結……これはお酒です。解決ですね。


 ええ、最後に、今日国技館に行って、テレビ局の取材を受けて、「稀勢の里、観たかったわあ」とか無責任なこと言っていたばばあ共へ。これ以上、彼に生き恥を晒させないでくれよ! では。

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