第80話

その二日後の夕方、外出中に、リナはメールが来てるのに気付く。見るとそれはマイキーズ ダイナーのママからとあった。    あっ、来てる!リナはメールを読んだ。  なぁ~だ。やっぱり相変わらず、千帆だな。                  それはこういう返信だった。       マイキーズ、ママです          お手紙頂きましたが完全に人違いだと思い ます (笑)               このお手紙送り返しましょうか      大体警察の方と一度もお付き合いしたこと 無いです                ふん、嫌に感情的な文だな。本当に知らないなら無視するか、もっと丁寧に返事するのが普通だけど。そんな事を思っていると、又 十分後にメールが来た。         えっ、又?!今度は何?そう思いながら見る。今度のはこうだ。          こんな人違い〜  ビックリです     何が何だかワケわからないです      そしてビックリです、の横には困った様子の顔文字が二つあり、最初のメールよりも  もっと子供っぽい文面。丸で若い子が書いている様な。又は、丸で相手を知っていてわざと馬鹿にした様な感じだ。        大体、一度返信したなら何故又二度目もする?しかも十分も経ってから。その事が頭にあるから、考えていたから。そして面白くないし、気になるから。          正直、本当に知らないとか無関係ならそんなに頭に来る内容でもなければ、二度も返信してくる事でもないだろう。しかもどちらも、知らない人間に送る様な文面では無い。馬鹿にした様な、ふざけた感じだ。      だから違うとは言っているが、あれは千帆が、あんな手紙を受け取って頭に来たんだろう。リナが、自分の父親の名前の愛称から 自分の店の事を知り、吉永のその後の事を聞いてきた。そしてあの娘が自分と吉永の子供かどうかを聞いてきたから。       大嫌いな自分の事を思い出した。しかもその女の父親の名前を、幾ら愛称でも自分の大切な店の名前に付けていた。これからもずっと使う店名に。それが分かった。      逆なら頭に来ただろう。無理もない。   

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