第41話
そして閉店時間だ。今日は、吉永達の他に もう一組、二人の男性が来たがもうとっくに帰った。吉永達の所には最初は全員、ママと、自分を含めて六人が着いていたので、 その中から三人がそちらのテーブルに着いた。リナは行かされなかったので、そのまま座っていた。 そしてその客二人が帰ると、又女の子達も 戻り、元いた場所に座った。とにかく、こうしてその日の営業は終わった。 皆がドアの所へと動く。千帆は吉永の直ぐ側を、本の少し前を歩いていた。皆が礼を言っている。自分も小杉や大沼に礼を言う。そしてそれが終わると、急いで吉永の側へと近づいた。思い切って声をかけた。 「吉永さん、今日はありがとうございました。」 吉永は知らんぷりしている。吉永の横には 大沼がいた。吉永はそのまま無視してドアの方に歩きだそうとして、二三歩前に進んだ。まずい!何とかしなくちゃ。リナはもう一度繰り返した。 「吉永さん、今日はありがとうございました。あの、又横に付いてお話しても良いですか?今度は又、是非お願いします。」 リナはそう言って頭を軽く下げた。返事が無い。やはり話し辛いのかな?なら、もう奥へ下がろう。そうして、皆が出て行ってから又自分もテーブルの後片付けをして、帰れば良い。そう思い、言うだけの事を言うと、 「それでは失礼します。」と言って又一礼した。そして急いで吉永から離れて奥へ、更衣室へと足早に向かった。 すると、吉永が大声で言った。 「一寸待て!」
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