第40話

吉永には、此処の店では自分は何か浮いて いるし仲の良い子もいないと話した事があったから、良かった。きっと今ので分かっただろう…。                だけど、千帆ってやっばり凄く嫌なヤツだね。自分は何もした訳では無いのに。最も、一番最初に会った時に挨拶した時もそうだったっけ。                入って数日目だった時に、自分よりも一時間遅れて入って来た。仕事帰りに来てるそうで。勿論本人に聞いた訳ではないけど何となく様子で分かった。それで、待機している所に座った時に挨拶した。自分の向かい側の奥に座った時に。             なのに、あの時は凄く驚いたよ!だって自分の顔を見た途端に、物凄く驚いていたから。自分の顔が欧米人の顔をしている、それで驚いたのも確かだろうけど、そればかりでは無かったね。その事は大した事無かったと思えたから。                何故なら余りにも凄く驚いて、ポカーンとした顔をして、丸で嘘でしょ?!みたいな表情だったよ。そしてしばらくはそんな風だったから、もう一度挨拶をしたんだけど。   そしたら今度はいきなり激怒した表情になり、顔も元が色黒だけど、赤くなった様だった。目はかなり細いんだけど、その目を見開いてこちらを睨みつけたもの!何だか、嫉妬でもしている様だった。そして、仕方無いから笑顔で挨拶していた自分の事を無視してパッと横を向くと、横にいた女の子に極当たり前に話しかけたもの。その子は店の中での友達だったみたいだけど、流石に、やはりとても驚いていたね。だけど直ぐに何事も無かった様に一緒に話し始めたけど。      幾ら此処の女の子達が自分には感じ悪くても、特に酷かったね。只、この子は他の女の子達よりは一番オシャレっぽいかも。顔の配置的にも、皆よりは多少まとまっているかも。色は黒いし目はかなり細いけど。本人もそう思ってるのかも?          だからかな、自分みたいに化粧するとマネキン人形みたいな顔になる女は嫌いなんだろうな。勝手に勝負して、負けたと感じると許せないのかも…。             他の娘はまだ、最初に挨拶した時は、一応それでも挨拶したからね。まぁ、そんなの常識なんだけど…。 最も、それから直ぐにしなくなったね。こんな感じが悪い店も珍しいよ、本当に初めて。            そうか!面接に来た娘は余程嫌だと思わない限りは取るんだ?!で、駄目だと思えば切って又他の娘を入れる。だから、普通のOLをしてる、そういう子が来れば経験が無くても入れる。                そういや随時募集してるんだっけ?そうすりゃ取っ替え引っ替え、いつも新しい子が何人かいる事になる?            リナはそんな事を考えながら、吉永を観察 するのは止めた。千帆と話せばいいさ。どうせ自分は吉永との付き合いを破棄したんだから。                  だけどこれからも来るなら、やっぱり只話すだけは駄目なのかなぁ。只の友達みたいになって普通に横に座って話す。私も割り切って、友達感覚になれば良いんだよ。そうすれば段々平気になって、やっばり楽しいだろうし。                  それに、そうすればあんな悪口を聞いたり馬鹿にした目で見られないだろうし。何も相手にしていない人間に、あんな事をされるのもやはり不愉快だしね。          アッ、そうか!後で帰りに話しかけてみよう。そして、今度来たら横に付いて良いか 聞いてみよう。真実だって、割り切って此処では普通にしてくれるよ、多分。

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