第18話

とにかく、迂闊に変な事はできない。慎重にならなきゃ。今までだって何度色々な事を、母親にぶっ潰されたか分からない。とんでも無くどうしようも無く、滅茶苦茶にして、もうどうしようもなくなってから、やっと止める。そうした事を何度でも繰り返す。リナの母親は、物凄い毒親。そして祖母はそれに輪を掛けた毒祖母だった。         とにかく冨貴恵ちゃんには話そう、そう決めた。冨貴恵ちゃんなら、あの毒親達が猛反対したとしても、それに対抗できる知恵がある筈だし、又味方になってくれるだろう。彼女は吉永に好感を抱いているし、なら自分がそうした関係になれば、友達としても、嬉しいだろう。又、只嬉しいだけでなく、自分にも何か有利な何かを得られる、おそらくはそう考える筈だしそうなるんではないか?           リナは冨貴恵と会うと、急いでその話をした。冨貴恵も驚いたが、とても喜んだ。  「それ、素晴らしい話だよ、リナちゃん!」                「ねっ、そうだよね?!」        「そうだよ!!絶対に良い話だから、それを蹴っちゃ駄目。」            「分かってる。只、うちのママに話さないと駄目でさ。絶対に反対すると思うんだ。本当は話したく無いんだけど、吉永さんが話さないと駄目だって言って、聞かないから。だから、凄く困ってるの。」         「あぁ、お母さんね~。困っちゃうよね、リナちゃんのお母さんには。」       「そうなんだよね。」          「良い?お母さんがどんなに反対しても、絶対にあんな馬鹿な人の言う事なんて聞いちゃ駄目だよ、リナちゃん。あんな何にも分からない、馬鹿な人の意見なんて、丸で関係ないから。分かった?!」          「そんな、そこまで言わなくても…。」  「だってそうだもん!私は何度かリナちゃんちで会ったからね。泊まらしてもらった時に。あんなお母さん、リナちゃんの事なんて何にも分からないし、只自分の所有物だと思っているだけ。それをリナちゃん、良い加減に分からなきゃ!!」          今なら丸で反対はしないが、当時はまだ今よりもうんと若い。リナは冨貴恵の意見に多少腹が立った。そこまで人の親の事を言う?幾ら母が冨貴恵を嫌っていても。でも、何を言っても、又母をけなされるだけだし、今現在こうして頭の硬い母に付いて困っている訳だから、只黙っていた。

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