第3話

駅へ歩きながら、又他愛もない話をした。そうこうしているとあっという間に駅に着いた。お互い反対方向なので券を買い、そこでお別れ。向かい合ったホームに立っていると直ぐに自分側の電車が来たので乗る。   あぁ、良かった〜。真っ直ぐに帰れる。別に嫌な人ではないけど、何か凄く大人の男! だからかな、なんかやっぱりまだ少し緊張してたみたい…。でも何で自分なんかを気に入ったんだろう。なんだかかなり気に入られたみたいだけど。確かにそうして気に入ってくれるお客さんだっているけど、ああした本物の大人の男が、どうしてだろう。自分なんて子供っぽいし特に面白い訳でもないのに。たまたまかな?だけど又ねって言っていたなぁ。じゃあ又来るんだろうし。大沼さんの知り合いだし、やっぱり又来るんだろうなぁ。おでん屋は、やっぱり行くのかなぁ??  そんな事を考えながら家路に着いた。   それからしばらくして、又三人でやって来た。そして又自分が専属みたいな感じになり、他の女の子二人が大沼と小杉とずっと会話をした。               この日、吉永はいつおでん屋ヘ行くかと聞いて来た。やっぱり行くんだ?!おでん屋なんて行ったこと無いし、だから行って見たいけど、でもなんとなく緊張しちゃうなー。二人切りだなんて。とにかく吉永さんって、凄く大人のムードなんだもの。何でも見透かされてるだとか、分かっちゃうみたいな…。こんな人、珍しい。            「どうしたの?」            「ううん、何でもない。」        「なに考えてたの?」          「あっ、なんか楽しみだなって。」    「そうだね。」              吉永がリナの目をジッと優しそうに見つめた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る