みんな賢くなりすぎた

 作:北見悠平


 パラレルワールドへ旅行をしてた

 いつの間にか見慣れた顔ばかり

 今は不思議とそれが悲しくない

 明後日は久々に雨が降る


 近頃はなんでも手元の端末任せだし

 遠くの友人とだってすぐに連絡がつく

 だからふと空を見上げても

 目が悪くなったことに気づけない


 やってることが馬鹿みたいだって

 とっくにわかってるはずなのに

 どうして続けられるのか

 みんな賢くなりすぎた


 郵便局はずいぶん前に通過した

 赤色がまだ少し焼き付いてる

 いつか送った手紙に返事はない

 それでもきっとまた何か書くだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る