サイレントブルー

 作:北見悠平


 誰もが同じ世界に生きてることが

 信じ難く思えてしまうとき

 そっと目を閉じて深く息を吸う

 ひとつ、ふたつ、みっつ


 枯れた木が生命の意味を問うてくる

 答える言葉を持たない僕は

 なるべく音を立てないように

 その枝を手折る


 シャツの裾に染みついた青インク

 何度も拭ってみたけれど

 綺麗に落とすことはきっと叶わない


 何処へも行けぬ電車に乗って

 凍った時間に揺られてた

 噂話や雨垂れも

 今は遠くで鳴っている

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