午睡の光

 作:北見悠平


 今夜はパーティだからさ

 空っぽの器を満たそうとする人たちが

 身も蓋もない言葉の雨を嫌って

 暗く暖かい部屋に集まってくる


 窓の外は時折白く光ったり

 ぼたぼたと何かが落ちる音がして

 甲高い耳鳴りが強くなった

 不思議と怖い感じはしないんだ


 廃墟になった工場で

 時間をすり潰してペーストを作ろう

 少し青っぽくて味はしない

 刺激の強いミントみたいな香り


 度々訪れる浅い微睡みを

 遠いところから聴こえるあの音楽を

 街灯に咲いた光の色を

 誰にも見えない場所へ隠した


 誰が望んだわけじゃなくとも

 きっとそいつがまた僕を呼ぶだろう

 声が聞こえたら頷いて

 よろめきながら立ち上がれるかな

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