小劇場

 作:北見悠平


 出来損ないの人形劇が続いてる

 鳥も飛ばない不自然な青空と

 文字だらけで目が回りそうな景色

 走って逃げたって自分がついてきた


 さぁ今日もパトロールの時間

 悪いことをした人間を見つけ出せ

 疲れて歩けなくなっても大丈夫さ

 誰かの心が連れていってくれるから


 空っぽになるまで吐き出した

 冷たくなった右手を隠したまま

 どこへも辿り着けない進化の袋小路

 掘り尽くしてしまった井戸の底


 醒めない夢を見ているようで

 今にも助けが来るようで

 溶けない雲のあふれる海は

 確かに波が消えそうで


 神様を名乗るつもりがあるなら

 もう少し優しくたっていいだろう

 見通せない闇の深さなど

 とっくに知ってしまっているのだから

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