邪神がこの次元にやって来た目的

 あたしが新しい持ち主となった両袖机には、かつての持ち主の名が刻まれたプレートが当時のまま残ってた。


 義藤ぎとう龍壱りゅういち——この館の主であり、『義龍聯合』という組織のトップの名だ。


 『義』藤『龍』壱の『義龍』聯合。自分の組織に自分の名前の字をふたつも入れちゃうとか、これひとつ取り上げるだけでも自己顕示欲の高さが伺えるよね。そんな逸材を、あたしは……あたしは……。


「別にこれで何もかもが良くなったってわけじゃないぞ、カチュキ。物事には必ず二面性ってもんがある。あんたの言う通り、義龍聯合という悪い組織が壊滅しちまったことによって、平和に暮らしていた庶民はさぞ喜んだに違いない。自分たちを怖がらせていた存在がぶっ壊れたんだからな。だけど、義龍聯合にビビってたのは、果たして善良な市民達だけかな?


 例えば、ちょっとイキった不良少年のチームとか、見ず知らずのもん同士で手を組んだ窃盗集団とか、そういうちっこい悪党集団を抑え込む役割も義龍聯合は担っていたんじゃないかな? となれば、あたしが壊したのは悪の塊じゃない。むしろだ。悪を抑え込んで束ねていた組織をぶっ壊したことにより、この町の治安は逆に悪くなるんだ。


 まして、これほどのデカい館を構える組織だ。傘下組織みたいなのなんてこの町には山ほどあるに違いない。そんな組織で、頭だけが突然ぶっ壊れたらどうなる? 次の頭は自分たちがなるんだって、頭をめぐって群雄割拠の大喧嘩が始まるんだ。そうなれば、前述の奴ら含め、色んな悪がぶつかり合って、この町は情け無用の戦場になる。無関係な住民達の平和は逆に脅かされる。まだ義龍聯合がいた頃の方が良かったって嘆き悲しむ時代が到来するんだ!」


 ふはっはっはっはっはっはっは……。


「あー、ウラウラ。あんたの演説というか仮説は分かった。だけど、その……」


 なんだよカチュキ。なに奥歯に物が挟まったみてえな言い方してんだよ。


「――なんでそんなに脂汗、凄いんだ?」


 だらだら……だらだら……。


「う、う、うっせーぞ、カチュキ! これはただ、部屋の温度がクソあちいだけだ。あーあー熱いなー、もういっそのこと服脱いじゃおうかなー。あーでも、このあたしの魅惑のグラマラスなボディとお肌をカチュキなんかに見せたくねーなー。あーあちいなー」


 パーカーの襟をぱたぱたしながら熱いアピール。あー、襟をぱたぱたしすぎちゃって、カチュキにあたしのセクシーな谷間を見られちゃうなー、あーあちいなー。


「ウラウラ、今は10月だぞ。これから気温が下がる時期なんだが」


「……バカタレか!? あんたさあ、少しは神の面子を守るとか考えろよ。つか、汗かきながら喋ったって別にいいじゃねえか」


 ちなみに、かつて『龍の間』と呼ばれた部屋はもうない。あたしとカチュキが共同で使うリビングとして模様替えさせてもらった。


 高そうな椅子と両袖机はそのまま使わせてもらうとして、来客用の椅子とテーブルは端に寄せ、あたしの趣味じゃない置物や観葉植物は『消し』た。代わりに、あたしが故郷の次元から持ってきた絨毯とか壁紙を魔法で張り替え、華々しいとはいえどこかおっさん臭かった雰囲気を、可愛くもどこか毒のあるあたしらしい色彩に早変わりさせてやった。


 ちなみに、あたしが故郷の次元から持ってきたのはそれだけじゃない。万が一のための食料と、ここでも遊べる娯楽用の何かと――いちばん大事な道具一式だ。そいつもリビングの棚に並べた。


「それに、こいつを見ろ、カチュキ。あたしの言ってることは間違ってねえ」


 そう言ってあたしが指差したのは、その道具一式のうちのひとつ。


 左側にガスタンクのような球形の入れ物。右側に貯蔵タンクのような円筒形の入れ物——それらがひとつの台座の上に乗っかった、非対称な形状の銅の置物だ。で、それぞれの置物に『目盛り』があり、液体のような発光体が封入されている。発光体の色はそれぞれ、球形は白、円筒形は黒だ。


「いや、見ろって言われてもだな……。ウラウラが大切そうに置いてたのは見てたんだが、そもそもそれは何なんだ?」


「なぁにい? カチュキ、業魔奴カルマナ測定器、知らねえのお? こん中には、多次元世界の真理が入ってるんだぞお!?」


「いや、知らねえよ。なんだよ、カルマナって。そんなん初めて聞いたぞ」


 あんぐり。いや、マジかよ。アース次元はあたし達の住んでる次元とは全然違うってのは頭では分かってたつもりだけど、まさか業魔奴カルマナを聞いたことすらねえレベルだったとは。どうする? どっから説明する?


「カチュキ、業魔奴カルマナってのは、簡単に言えば、この世にある『幸福』と『不幸』の魔道エネルギー体の総称さ」


「まどうエネルギーたい? 漫画とかでしか聞いたことねえような単語のオンパレードだな」


「まずカチュキ、『幸福』と『不幸』については分かるよな? 『幸福』といえば、喜びとか豊かさとかそういうポジティブなもの。『不幸』といえば、悲しみとか争いとかそういうネガティブなもの。ここまでは分かるう?」


「まあ、それなら分かるけど」


「で、業魔奴カルマナにも二種類あって、『幸福』の業魔奴カルマナを『フーク』、『不幸』の業魔奴カルマナを『カー』って呼んでるの。で、この業魔奴カルマナ測定器にある白いのが『フーク』の業魔奴カルマナの量、黒いのが『カー』の業魔奴カルマナの量ってわけ」


「ああ、要するにこの測定器は、今、この世にある『幸福』と『不幸』の量を、それぞれ『フーク』と『カー』って名前の『業魔奴カルマナの量とやらに換算して、『見える化』させてる装置なんだな?」


「まあ、そんな感じよ。いやー、流石はあたしの眷属! 物分かりがいいねー!」


 てなわけで、業魔奴カルマナ測定器をまじまじと見つめてるカチュキの肩をばんばん叩く。続いて、あたしは測定器の右側を指差す。


「で、カチュキ、あたし達にとって重要なのは、こっち――『カー』の業魔奴カルマナの方さ。あたし達の住んでる次元にとって、他次元にある『カー』の業魔奴カルマナは重要な資源。あたし達の力の源なの。つまり、あたし達にとって増やさなきゃいけない存在なわけ」


「……もしかして、ウラウラが破壊や殺しを好き放題やりまくってたのは、全ては『不幸』の増加によって『カー』の業魔奴カルマナを増やすためだったのか!?」


「そういうこと! このアース次元を不幸まみれの滅茶苦茶にして『カー』の業魔奴カルマナを現状以上に増やしまくるのが、あたしがここに来た目的ってわけ」


 やっと、あたしがここに来た目的を、ドヤっとカチュキに胸張って教えることが出来たよ。元々ボリューミーな胸だから、なおのこと貫禄あるように見えるだろ? ふっはっはっはっは。


「……でもこれ、増えてんのか? てかそもそも、ここに至るまでウラウラ、俺を助けたり、いじめっ子を殺したり、悪徳警官を殺したり、やくざの本部を襲撃したり、どちらかと言えば『幸福』に繋がりそうなことやりまくってる気がするんだが」


 ぐさり


 ……カチュキは時々、言っちゃいけないことを平気で言う。


「だ、か、ら、カチュキ、最初の話に戻るわけだよ。あたしは『幸福』に繋がることなんてやってねえ。具体的な数値は省くけど、ここ来る前に事前に測ったのと今測ったのを比べたら、『カー』の業魔奴カルマナは増えてた! ちょこっとだけだけど増えてたんだ! つまり、あたしのやってたことは立派な『不幸』に繋がることだ。何一つ、間違ったことなんてしてねえんだよ」


「そうなのか? 俺は、てっきり――」


「あのなあ、カチュキ、あたしは今日だけでも、どれだけ殺してきたと思ってんだよ。基本的に、殺されたのが誰であれ、誰かが死んで誰かが幸福になるってのはありえねえ。まあちょっと死んだのがイレギュラー過ぎたかも知れんけど、そいつらが死んでも世の中にもたらされたのは影響はマイナスだった。一歩譲って差し引きの結果なんかもしれんけど、結果は結果だ。物事は順調に進んでるんだよ」


「わ、分かった分かったって。とりあえず、ウラウラの目的も分かったし、やってることそのものが順調なのも分かったよ。だから、その、脂汗だらだらの顔をあんまり近付けないでくれ」


「ちげーよ、これは汗じゃなくて、なんていうか、神のエッセンスだよ。嫌だなあ。神様の有難い力が液体になって出ちゃったんだよ。アース次元に来ると、こういうことも起こるんだねえ。ああ、困っちゃうなあ。はっはっはっは」


 さて、神の面子をしっかり守り切ったところで――やっべ、模様替えと業魔奴カルマナ測定器の話題に夢中になりすぎたせいで、最後のシメに置こうって考えてた一番大切なやつ、忘れてたわ。


 空間に穴を空ける。これ、『次元の狭間』に繋がってんだけど、穴に入るもんなら無限になんでも入れられる。生き物の類は死ぬから無理だし、穴を大きくしすぎると次元そのものに悪影響出るから大きいもんは入れられない――なんて欠点こそ抱えてるけど、アンリ=マンユ一族には欠かせない便利な収納術だ。なんてったって、カバンみたいにいちいち持ってる必要なんか無いのがいい。


 で、その穴から取り出したのは、石材で作られた板っぽい何か。両手で抱えて持ち上げられるサイズのそいつには、精巧な額縁に触れんばかりにデカデカと『逢魔』という字が書かれてる。


 どこに飾るかな、これ。とりあえず、部屋の雰囲気を一番ぶっ壊してる『

義龍聯合』のロゴ(カチュキ曰く『代紋』が正式名称らしい)をどかして、そこに飾るか。壊さなくても隅っこに置いちゃえば、いかにもあたし達が乗っ取った感が出来てていいかもね。ふっはっはっはっは。


 梯子や画鋲の類は要らねえ。魔力を使えば、飛翔と念力で壁にくっつけるなど造作もねえからな。


「ウラウラ、それは?」


逢魔おうまいんの校章さ。ここがあたしが制圧した拠点だってのを外部にアピールしたり、あたしがこの次元できちんと活動してるよってのを逢魔院に示すために必要なもんさ」


「へえ、……って校章? ウラウラ、お前、学生だったんか?」


「まあ、そんなとこだね。あんたが小学校とか中学校とか言ってる場所さ。あんたの感覚で言えば、逢魔院は小学校から高校まで一貫してる機関の学び舎って感じかな? あたしはそこに所属してんの」


「それにしちゃ、おうま……いん、ねえ。なんというか、名前からしておっかねえ響きしてやがるな」


「ま、名門中の名門だよ。あんたみたいな、高校? を途中で追い出されるような奴じゃ一生かかったって入れねえようなすっげえとこさ」


「なっ!? おいてめえ、俺のそんな記憶まで見てやがったんか!」


「悪かったね。おかげ様で、アース次元における一般常識を、あらかた脳みそにいれることが出来たよ。あんたはあの牢獄に入る前から、何かと不遇だったんだねえ。はっはっはっはっは」


 またトラウマを掘り返してしまったようで、カチュキは一気に不機嫌になった。


「……で、その逢魔院とやらからやって来た学生のあんたが、どうしてこんなとこにきて「かー」の「かるまな」集めなんかやってんだ? 課題か何かか?」


「その通り! 実際に他次元へ移って三か月くらい滞在し、『カー』の業魔奴カルマナを集めろっていう課題を今やってるわけよ。全ては単位のためさ! あたしの卒業のため、あんたの次元には犠牲になってもらうってわけえ。ふっはっはっはっは」


「マジかよ。異世界の住人の学業の為に、俺の世界はめちゃくちゃにされてしまうのか。どうなっちまうんだ俺は……」


「異世界じゃなくて、次元な。ま、あんたはあんたの復讐のことだけ考えればいいさ。カチュキは、ここで手に入れたあたしの可愛い眷属だ。たとえこの次元がどうなっちまおうが、あんただけは悪いようにはしねえよ。ふっはっはっはっは」


 あたしは笑ってたけど、カチュキは内心複雑そうだった。ま、あたしにとっては知ったこっちゃねえんだけどね。


 てなわけで、あたしの素性と目的を眷属に紹介しきったところで、あたしは拠点の整理に集中する。このリビング、いっそのこと『神と眷属の間』って名前に変えちゃおうかな。ふっはっはっは。


 ★★★


 あらかた模様替えが完了したところで再びカチュキを見やると、なんかリビングに元からあった本棚を見てた。


「な、13年? 嘘だろ?」


「なにカチュキ、変なもんでも見たのお?」


 あたしが訊くと、カチュキは並んでいた背表紙を指差した。縦書きで『義龍聯合史』と書かれてるんだが、『初年度』から『壱拾参年度』までずらっと並んである。薄いながら、角背のハードカバーで覆われた御立派な本だ。


「これ、どっかおかしいのお?」


「おかしいに決まってるだろ。これらの本、多分、義龍聯合の出来事を1年ごとにまとめた本なんだろうけど、最新刊で13年目とか、この組織の歴史短すぎだろ。橿洲のヤクザといえば、俺が生まれる前からずっといたんだ。俺がいた刑務所の中にいたのが、……数えたくねえけど7年くらいだったけど、それだと義龍聯合が生まれたのは俺が18くらいの時になるぞ。となると、俺が生まれる前にいたヤクザは一体なんだったんだって話になる」


 カチュキの指摘に、あたしは指を口元に寄せ、いかにも思案してみる。


「ほお、てことは、この義龍聯合ってのは比較的新参の組織で、この町にはもっと歴史のある組織があるってわけね。それ、さぞかしデカくて強い組織なんだろうな。てことは、あたしが壊滅させちゃったこの義龍聯合なんて実は大したことなかったのかも。なら、カー業魔奴カルマナなんて下がるわけがねえ。よかったよかった。ふっはっはっは」


 悪の組織と聞くもんだから、うっかり大切な集団を壊しちゃったのかと焦っちゃったけど、どうやら大丈夫そうだね。安心したよ。


 ★★★


 あたしとカチュキが共に活動する拠点は決まった。けど、それとは別で、あたしとカチュキ、それぞれの個室もある。流石は、数多の構成員を収容する巨大施設。主が寝泊まりするためのゴージャスな自室も近くにあった。ベッドも個人用の卓もクローゼットも完備されていたよ。あの店で集めたもんも、全部収納してやった。


 で、ある程度身支度が整ったところでまた『神と眷属の間』に戻ったら、まだカチュキが中にいた。しかも、業魔奴カルマナ測定器を凝視してる。


「なあカチュキ、業魔奴カルマナ測定器、見すぎだろ。いくら業魔奴カルマナ知らなかったとはいえ、興味持ちすぎなんじゃねえのお?」


「……いや、『かるまな』には『ふーく』と『かー』の二種類があるってのは分かったんだけどさ、それにしちゃ変な形してるよなって。なんで非対称な形してんだ?」


「そりゃ、フークカーは同じ業魔奴カルマナでも性質が全然違いすぎるからだよ。例えるなら、紫外線と石ころくらい違え」


「そんなに!? それだけ違うなら、非対称な形しててもおかしくねえか。これが善いことと悪いことをそれぞれ測るもんなら、俺はてっきり、天秤みてえな形してるんかと思ってたぜ」


「天秤? はあ? あんた、何言ってんのお?」


 あたしは首を傾げた。マジで意味が分からなかった。天秤とか、なんでカチュキがそんな発想に至るのか理解できなかった。


「いやだってほら、『禍福は糾える縄の如し』みたいにさ、『幸福』と『不幸』ってこの世には等価であるもんなんじゃねえのか?」


「? ??」


「例えば、なんだろう。善いことがあったらその後は悪いことが起こるとか。誰かが幸福な分、誰かが不幸になってるんだとか。そうやって、世の中の幸福と不幸は天秤のように等価であるんじゃねえかって。で、ウラウラはその天秤の『不幸』の方向へ目一杯重しを乗せようとしてるんじゃねえかって――」


 そうか。カチュキの言いたいことが分かった。つまり、そういうことか!


「ふはっはっはっはっはっはっはっはっはっは! はっはっはっはっはっはっは!」


 理解したあたしは、そりゃもう腹を抱えて笑った。


「へ? なんで笑うんだ? 俺、なんかおかしいこと言ったか?」


「おかしいに決まってんだろ! 誰かが幸福な分、誰かが不幸? 幸福と不幸は等価? はっはっはっはっはっはっは! おめえ、それ、流石にありえねえだろ! ふはっはっはっはっはっは!」


「なんでだよ。別におかしくねえだろ!?」


「あのなあ、カチュキ。仮に『幸福な奴』と『不幸な奴』がいたとしよう。で、その『不幸な奴』が『幸福な奴』にあれこれ嫌がらせなり殺しをするなりして、『幸福な奴』を不幸にさせたとする。そうなったら、『不幸な奴』は幸福な奴に変わるのか? ならねえだろ!! 一瞬くらいスカッと幸福になるかもしれねえが、そいつの立場はずっと『不幸な奴』のまんまだよ! 結果として、『幸福な奴』が消えて『不幸な奴』が二つ増えるだけだよ」


「そう言われるとそうだけど……」


業魔奴カルマナで見たら、あんたの理屈なら、フークカー業魔奴カルマナが『幸福な奴』と『不幸な奴』を行ったり来たりするだけで、それぞれの業魔奴カルマナの総量は変わらねえはずだ。だけど実際は、その次元のフーク業魔奴カルマナが減って、カー業魔奴カルマナが増えちまってるじゃねえか!


 あのなあ、カチュキ、『幸福と不幸の総量は一定かつ等価』って考え方はカー業魔奴カルマナを増やしたいあたし達にとって好都合すぎるぞ!? だって、幸福そうな奴を指差して「あいつはお前らから幸福を奪って、お前やお前の家族を不幸にしているぞ。お前もお前の家族も幸福になりたいだろう? ならば、奴から幸福を奪うのだ!」って誰かに吹き込んじゃえば、それだけで誰かと誰かが幸福をめぐって争う泥沼になっちゃうじゃん! それだけで、カー業魔奴カルマナが無限増殖じゃん! あたし達だけウハウハじゃん!」


 悪ぅーい顔しながらまくし立てるあたしを見て、カチュキはだんだん血の気が引いていた。


「マジかよ……。世の中の幸福と不幸は天秤みたいにバランスとってて、だから業魔奴カルマナ測定器も天秤みてえな形してた方が普通じゃねえかなって思ってたんだが、その考えは危険なくらい間違いだったのか」


「これではっきり理解したよ。カチュキのような、ろくな殺生すらしねえ住民でさえそんな考え方してる奴ばかりのアース次元なら、カー業魔奴カルマナ集めなんて余裕すぎるわ。この課題、めちゃくちゃちょろいわ。ふはっはっはっはっはっはっはっはっは!」


 とっても愉快な気分になった。この調子で、明日からもっと悪いことをしまくろう。てなわけで、今夜はおやすみ! はっはっはっはっは!

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