第5話 答えはいつもつまらない
その頃、摸神は羽が4つ生えた身長五メートル位の龍に追われていた。
なんでこうなったかというと....
宿を目指していたところ誰かのいたずらか、
転移魔法が作動し、ここの最高位の龍の一匹、火を司ると言われている龍、「エルドラド・バーン」の住みかに飛ばされた。
そして、今に至る。
摸神「賢者~、助けてくれ~!!」
逃げ回りながら賢者に問いかける、が、
賢者はなにも言わない。
摸神「賢者~~~~」
賢者「あれは、エルドラド・バーン、火を司ると言われた最高位の龍です。」
摸神「は~!?」
賢者「バライさんが、ここにくるまで逃げきりましょう。」
摸神「そういっても、走るのは限界があるって~」
賢者は唸るように考えた。
賢者「ん~....ん?摸神さん、そのお腹、どうしました?」
摸神のお腹は少し膨らんでいた。
賢者はとりついた(?)生き物を上からみる習性があるため、その生き物の細かいことや天井などの生き物を隠すものがあると、見えてない事がある。ちょうどそこにあった、生い茂った葉が邪魔になったということだ。
摸神「これか、これはだな~」
摸神は疲れきった声で説明した。
賢者「そこにおいてあった卵を持ってきた~!?何てことを!!!!!」
摸神「あのドラゴンに食われると思うと、辛くてな。」
摸神は走りながらそう答えた。
賢者「貴方バカじゃないですか!?」
さすがの賢者も言葉が荒くなる。
賢者「それは、エルドラド・バーンの卵ですよ!?...それを早く捨てなさい!!」
摸神は走りながら
「やだ!!」
と返した。
賢者「わがまま言ってないで早く!!」
摸神「賢者は、とりついた生き物の言うことは聞かないのか!」
賢者「それを言われたら弱いですが必ずしも助けれるわけではありませんし、賢者は感情はありますので、必ずいうことを聞くことはできません!!賢者は奴隷ということではありません。」
賢者はまるで一人の女の子のように話した。
摸神「いいから、逃げるルートを教えろ~!!」
賢者「そんなこと言われてもできないものは、できないのですぅ~。....はっ!!」
賢者はなにか思い付いたのか声をあげた。
賢者「あそこに見えるのはリグリードと呼ばれる街ではありませんか。あそこの街にいきましょう。」
摸神はそのときから疲れきっていた。
摸神「あんなに遠くまで走れんよ。一応これでも運動しなかったヲタクの病人だぞ。」
賢者「なんの自慢ですか!?ヲタク?病人?
意味がわかりませんが、死にたくなければ走ってください。」
摸神は走りながらエルドラドから逃げていくのであった。
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