九話 呼び鈴の後ろ

俺も行くとなっても、僕は和樹の家がどこにあるのか知らない。だからいろんな人に聞いて必死に探った。


「ねー 誰か知ってる人いない?」


「俺知ってるよ」


裕貴が言った。


「じゃあ教えて!」


「いいよ」


そして裕貴に場所を教えてもらった。


「俺も行く」


広海が話しかけてきた。さすがに僕も一人だと緊張するので、広海だけいっしょに行くことにしてもらった。


キーンコーンカーンコーン


いつもよりもチャイムが大きく聞こえる。僕は学校から家が少し遠いのでちょっと走って帰った。そしてすぐさま一旦広海の家に言った。


「じゃあ行くか」


広海の一言からまた心臓がバクバクし始める。


「大事なのは自分で聴く。だぞ」


僕たちは和樹の家まで猛ダッシュで言った。


「じゃぁ 呼び鈴を押すんだ」


広海からこう声がかかり、震える手を押さえて呼び鈴に手を近ずける。すると後ろからなにか声がかかった。


「あれ 広海たち何してるの?」


その声は美香の声だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る