二話 新たな思い

 そのあと美香から返事がきた。


「私が好きな人の方向を向くから。」


と、返事。どきどきしながら美香の方を見た。美香と目が合った。僕はとっさに目線を背けてしまった。


「ってことは・・・。」


まさかと思い、春奈の方を向いてみた。春奈はニヤニヤしながら微笑んでいる。僕は嬉しさのあまり、笑ってしまった。人間って嬉しいことがあると笑ってしまうんだ。そう思った。そして嬉しすぎて心臓もバクバクなっていた。


「まじかよ!やったな!俺たち!」


広海はそう声をかけてきた。そのあと、僕たち二人は無言になった。この後どうするか、考えていたからだ。バスの動いている「ガタン!」という音と、僕の心臓の音のリズムがずれていて、なんだか気持ち悪い。でも、このあと僕たちは、どうなっていくんだろうと考えただけでわくわくしてくる。

 この後の校外学習は、全く頭に入らず、そのまま学校に帰った。


「ま、それよりいいことあったからいっか」


そう考え、学校から家に帰った。その日の夜は全く眠れず、その事ばかり考えていた。

 次の日からは、今まで以上に美香の事を気にするようになっていった。そして春奈とも、仲良くなった。その理由は、僕は、美香の事を春奈質問し、春奈は広海の事を僕に質問した。あと、広海とも、もっとしゃべるようになった。


「おい、和樹(仮名)も美香のこと好きらしいぜ。」

「まじかよ、でも まあ どうでもいっか。」


そんな感じで、二人とも余裕ぶっていた。でも、恋愛はそう簡単では無かった。

 次の日、学年全員で学校のみんなに学芸会を披露することになった。


そこで、悲劇は起きた。


 

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