予測


「どうして、そう思われるのですか?」


 だから、純の指摘には「ごもっとも」と私も言いたくなった。


「…………」


 夢莉たちの目の前に広げられている資料には一通り目を通したつもりだったが、賢治の言うように明確な『事件の予測』までをするには至らなかった。


「……まず、今までの事件が『同じ犯罪グループ』によって引き起こされたという事を大前提に置かないといけないのですが」


 その『大前提』も『確定』ではなく『あくまで仮定』と言っている様に聞こえてしまうのが、惜しいところである。


「大前提という事は、その確証はないという事でしょうか?」

「ええ」


 しかし、賢治はどうやらそれを『仮定』と考えても、この先一週間以内に事件の可能性があると言えるらしい。


「確かに、その事を指摘されてしまうと、違う可能性もあるのですが、しかしそんな事を言っていては話が一向に進みません」

「それは、そうですが」

「それに、今まで犯罪グループによるものだろうと思われる事件には『ある共通点』があります。その共通点が私の予測通りであれば、おそらく」

「共通点ですか?」

「私は、この資料を見て少し違和感を持ったのですが……」


 そう言って賢治が見せた資料にはここ最近起きた『犯罪グループ』と思われる事件の発生日の一覧が書かれていた。


「これがどうかされたのですか?」

「??」


 しかし、そこには事件が発生した日にちしか記されていない。


「パッと見ただけでは、コレはただ日にちが書かれているだけのモノにしか見えません。ですが、この日にちをカレンダーと照らし合わせると……」


「あっ」

「……なるほど」


 夢莉と純さんは賢治が指し示したカレンダーと事件が発生した日にちを照らし合わせてようやく、賢治の言っている意味に気が付いた。


「つまり、犯罪グループが関与しているであろう思しき事件が起きているのは『月曜日』と『木曜日』という事ですか」

「はい」

「……」

「ですが、今まで起きた事件全ての犯人が捕まっていない事や供述を聞いた限りでは、正直この話も確信の持てるモノとは言い難いのですが」


 そう言った賢治だが、それは仕方のない話だろう。

 それくらい現時点では『証拠』が少なすぎて、その話の全てが『憶測』の範疇はんちゅうを脱しない。


「せめて、犯罪グループが情報を共有している何かが分かればいいのですが」

「その点については、今も警察の方で必死に探しているのですが」


 しかし、純のこの話し方では、その情報まだ見つかってはいない様だ。


「そうですか」

「……」


 そんな中、ふと夢莉の脳裏に『ある事』が浮かんだ。

 ただ、それはつい最近見たニュースで特集されていた事で、私も心当たりがあるのでちょっとだけ気にして見ていたモノだったのだが……。


「どうして、そう思われるのですか?」


 だから、純の指摘には「ごもっとも」と私も言いたくなった。


「…………」


 夢莉たちの目の前に広げられている資料には一通り目を通したつもりだったが、賢治の言うように明確な『事件の予測』までをするには至らなかった。


「……まず、今までの事件が『同じ犯罪グループ』によって引き起こされたという事を大前提に置かないといけないのですが」


 その『大前提』も『確定』ではなく『あくまで仮定』と言っている様に聞こえてしまうのが、惜しいところである。


「大前提という事は、その確証はないという事でしょうか?」

「ええ」


 しかし、賢治はどうやらそれを『仮定』と考えても、この先一週間以内に事件の可能性があると言えるらしい。


「確かに、その事を指摘されてしまうと、違う可能性もあるのですが、しかしそんな事を言っていては話が一向に進みません」

「それは、そうですが」

「それに、今まで犯罪グループによるものだろうと思われる事件には『ある共通点』があります。その共通点が私の予測通りであれば、おそらく」

「共通点ですか?」

「私は、この資料を見て少し違和感を持ったのですが……」


 そう言って賢治が見せた資料にはここ最近起きた『犯罪グループ』と思われる事件の発生日の一覧が書かれていた。


「これがどうかされたのですか?」

「??」


 しかし、そこには事件が発生した日にちしか記されていない。


「パッと見ただけでは、コレはただ日にちが書かれているだけのモノにしか見えません。ですが、この日にちをカレンダーと照らし合わせると……」


「あっ」

「……なるほど」


 夢莉と純さんは賢治が指し示したカレンダーと事件が発生した日にちを照らし合わせてようやく、賢治の言っている意味に気が付いた。


「つまり、犯罪グループが関与しているであろう思しき事件が起きているのは『月曜日』と『木曜日』という事ですか」

「はい」

「……」

「ですが、今まで起きた事件全ての犯人が捕まっていない事や供述を聞いた限りでは、正直この話も確信の持てるモノとは言い難いのですが」


 そう言った賢治だが、それは仕方のない話だろう。

 それくらい現時点では『証拠』が少なすぎて、その話の全てが『憶測』の範疇はんちゅうを脱しない。


「せめて、犯罪グループが情報を共有している何かが分かればいいのですが」

「その点については、今も警察の方で必死に探しているのですが」


 しかし、純のこの話し方では、その情報まだ見つかってはいない様だ。


「そうですか」

「……」


 そんな中、ふと夢莉の脳裏に『ある事』が浮かんだ。

 ただ、それはつい最近見たニュースで特集されていた事で、私も心当たりがあるのでちょっとだけ気にして見ていたモノだったのだが……。

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