第19話 輪投げ

 なんかね。

 かっちゃんと手をつなげるだけで。

 夏祭りも花火大会もね、すっごく去年より楽しい。


ゆい〜、やっぱり俺輪投げがやりたいっ!」


 そういってパッて、かっちゃんが私の手を離して、すぐ近くの輪投げ屋さんに入る。

 

 なんだ。

 手をつなげたのなんて、ちょっとだけ。

 がっかり。


ゆい〜。早く早くこっち来てよ〜」


 かっちゃんが輪投げ屋さんから私をニコニコ笑顔で呼んでる。


 なんだか寂しいな。

 手が寂しいな。

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