応援コメント

泡沫人」への応援コメント

  • 工藤様、こんばんは。今宵は語彙世界にお邪魔しております。
    『泡沫人』は繰り返し用いられる「屡」が印象的です。蟠りである「痼疾」を此処に用いておられたのですね! 良い時代を振り返る女性(にょしょう)の泡沫の夢。小野小町の「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」のように、時の経過は人の姿を時として残酷に変えてゆくものですね。嫩き日の美しさと幸福の象徴であるかのような「鴉青(からすば)色」という色彩が好みです。黝い御髪を想います。

    『貴婦人、最後の恋』は、今から4年前にプロットを仕上げておられたのですね。プロットの完成後、それに相応しい語彙が見付からない状態……磨かれた食器のみが現存する宴の席のようですね。伝わってくる表現でした。美しい型に流されるジェリィは慎重であるべきですものね。
    実は私が完結済みで発表している小説の大半も、4年前には出来上がっておりました。それらを発表しても何も変わらないであろう、小説を書くことで変わる世界などないと期待度ゼロでカクヨムに投稿したのですが、気付いたのです。頂戴する御意見・御感想から変わる世界もあるということに。未完の『オフィーリア奏鳴曲』ならびに『人形への小夜曲』にも、工藤様と交流できたが故の想いの葉が、言の葉に結実しています。もはや『華麗なる往復書簡』を目指して創作を続けたいような気持ちです……先達ては、あたたかい御評価も賜りまして、有難うございました。評論家よりも三島由紀夫氏に褒められて喜ぶ森茉莉嬢のような気持ちとは、このような喜びに他なりませんね。

    「マント・ド・クール」ですが、私の所持する電子辞書には「洋式大礼服」と記されていました。工藤様は「女性大礼服」が、お気に入りではなかったのですね。私なら、どう表わすだろうかと考えましたところ「貴婦人式長衣」や「貴婦人風長衣」など思い浮かんだものの……まだ華やかさに欠けるかもしれません。また工藤様のtwitterも拝見して考えておきますね(愛用のPCのエクスプローラがtwitter非対応。スマホも旧式すぎて様々表示できません。不自由ですが、私の脳は大量の情報処理が少々苦手な器の小ささですので、逆に丁度いいかも!と旧式の実機を愛しております)。

    すねこすりの置物、私も欲しいと思ったこと、ありました! ドンピシャなものに巡り逢えないのですよね。工藤様も六期鬼太郎を!? 私、アニメは六期しか観ていないのですけれど、本当に日本のアニメーション技術は凄いと思います。鬼太郎が一反木綿に乗って戦うシーンはスピーディで驚きました。あと、すねこすりの回の絶妙な回想シーンには感極まってしまいました。枕返しの回も好きです。目玉の親父様が実体化して銀髪の青年に成って息子を守るシーンを何度も観てしまって困ります。親父様は生前、そんなにもハンサムでしたか!?とドンピシャだったのです。奇しくも虹の橋が出て来ました(脚本は吉野弘幸さんという御方でした)。

    気付けば長話をスミマセンでした。今後とも宜しくお願いしますm(__)m
    追伸:委員会への御理解・御協力を賜りまして誠に有難うございます!! ※私のコメント返信が常々、選挙風で(?)恥ずかしゅう……白手袋の工藤様のウグイス嬢になら成ってもいいのですけれど。でハ又。

    作者からの返信

    宵澤樣

    今晩は。「屡」の字と音の言葉遊びに目を留めて下さり、また「痼疾」のこと、以前の私のコメントまで覚えていて下さったのですね……ご来訪と合わせて何時も有り難うございます。小野小町の和歌は本当に物悲しいですが、時間と老いの問題は今も昔も変わらず人々を悩ませるものなのでしょうね。そしていよいよと、ジャネーの法則に従って、歳経れば時間の感じ方もどんどん早くなっていくのでしょう。ゆえにこそ、逆に少年少女の僅か数年間が如何に素晴らしいものであるか、未だ何色にも染まりおらぬ彼彼女らの、染色していない、嫩さの象徴たる「鴉青色」の髪を見るだに羨ましく思われるところです(これこそ、少年少女透明推進委員会による「補完」の対象ではありますまいか)。

    語彙の力に頼り切るだけの自らの怠惰を顧みながら、今後も宵澤さんや他の方の紡がれる物語に導かれて参りたいと存じます。そして、何と嬉しいお言葉!!! 取り留めも無く散らした思葉が宵ザ・ワールドの櫺を然様に敲いておりましたとは……。実は私自身も読者の方から頂戴するコメントやレビューに気付かせて戴くこと多く、また拙文に新たな意味づけをして下さる方までいらして、折々にワクワクしております。拙文を公開していなければこういったことは無かったでしょうし、何事か新しい「発見」をすることが愈愈と少なくなってしまっている日常生活の中で、カクヨムでのそういった「発見」がどれほど精神に活力を与えて下さっているか知れません。そして何より、唯一無二の読みを強制することのない、何通りもの読み、解釈可能性が開かれているところにカク・ヨムという「文学」の営みの愉悦を見るのです。「往復書簡」、ぜひ今後ともお手柔らかにお願い申し上げます。もしかすると、拙文に費やした字数よりも「書簡」に費やす字数の方が多くなっていたりして……やはり誰にともなく独り言つるよりも、具体的な何方かに向けて書くからこそ書きやすいのかもしれませんね。あるいは「物語」もそうして書くと良いのでしょうか?

    「マント・ド・クール」の件、曳裾だけに何やらお引き込みしてしまいました……。宵澤語訳では「貴婦人式長衣」「貴婦人風長衣」、成る程、やはりあの特徴的な曳裾の形態を最大限反映させたいところですよね。実は良い機会を頂戴したと思いまして、私も少し気合いを入れて改めて考えてみたのです。どうやら中国語でも「女用宮中大礼服」などのように翻訳されるようなのですが、ネックとなる(と私が勝手に思い込んでいる)のは、まさにこの「女用」、私も「女性大礼服」に宛てたように「女性(が着用する)」を直接表する字句が入ることの妥当性なのです。【manteau de cour】は直訳すると「宮中(宮廷)のマント(外套)」になり、確かに女性が着用するという事実はあるものの、原語に「女性」を意味する字句は含まれておりませんからそれを訳語として宛てて良いものかと。その一方で、manteau(外套、マント)とcour(宮中、宮廷)はぜひ盛り込みたいところ……ということで私としましては、あの腰元辺りから伸びるmanteauの曳裾を十二単の「裳」に見立てた「宮中大礼裳」を暫定的に案出するに至りました。こうしますと、裳=女性用の含意によって、直接「女性」を意味する字句を入れる必要がなくなります。先程、該部表記をそのように更新してみましたが、やはり「ペンキ塗り立て」のようで、いま少し時間が経って後、心惹かれる「宵澤語訳」も参考に再検討してみたいと存じます。
    (ところで私などは未だにガラケー、正確にはガラホだそうですが、スマホとは縁遠い生活を送っております。語彙のみならず、動画の「押し売り」まで失礼致しました……。)

    鬼太郎は個人的には第3・4期が馴染み深いので(特に3期は夏休みなどに再放送でもよくやっていた記憶があります)、すねこすりの置物も「妖怪舎 水木しげる 妖怪フィギュア」シリーズのような少しく仄暗い感じのものが欲しいのですが、現在は入手困難のようです。6期については時々見る程度でしたが、すねこすりが独立した回になったのは6期が初めてではなかったかと思います。随分と気の毒な内容でしたよね……。あと、枕返しの回は見ていなかったので一寸検索してみましたら、何と、凄いことになっていたのですね。私の記憶では、おやじ様は病床に臥せった後ろ姿のイメージしか無かったので驚きました。爽やか……。にしても「虹の橋」と「吉野弘幸」さん、何という偶然の一致でしょうか!!

    さて、たからちゃんの物語、始まったのですね。後日ゆっくりと拝読しに伺います。遠見たから、キーボードを打ち損じてtoomitakaraと半角英数字になってしまった表記が、ふと「To Omitakara(僕の大御宝へ)」と読めました。たからちゃんがラルム君にとっての「宝物」になるまでの物語、楽しみに致しております。

    曹達水の季節も漸う終わりますが、熱いショコラの季節には未だ早い……どうしたものでしょうか。それぢゃ。

    編集済