第三章 四月十三日 -1
日付が変わった頃から降りだした雨は、朝になっても降り続いていた。
普段より早く起きてリビング下りたが、美咲の姿はなかった。母さんの話では、宿題を忘れたと言って早々に家を出たという。昨晩も部屋を訪ねたが返事はなかったし、美咲から避けられていると思っていいようだ。
「……文也、あんた大丈夫? ひどい顔してるわよ、今日学校休む?」
「…………」
「文也?」
「あ……いや、平気だよ。母さんが心配するようなことは、なにもないから」
「……そ。あんたがそう言うなら、いいんだけどさ」
精神的なダメージは大きいが、美咲に少し嫌われたからといって落ちこんでばかりもいられなかった。美咲をあいつが抱えてる問題から助けられるなら、このくらいならどうにか耐えられる。
昨夜のことを先輩に相談するべきか迷ったが、昨日の様子がおかしい姿が気になった。昨晩のあの場に、美咲を見張っているはずの先輩の使い魔も、先輩本人の姿もいなかったのも引っかかっていた。信頼していないわけではないのだが、自分の妹は自分の目で見守りたい。少なくとも、俺が安心できるまでは。
あさみちゃんが死んだ、というニュースは、全国でも学内でも特に話題にはなっていないようだった。昨晩のアレは俺が見た幻覚だったのかとも思ったが、ホームルームの時間になって教室に入ってきた見知らぬ男が、それが当然であるかのように出席を取り始めたのを見て、少なくともあさみちゃんがいなくなったのは事実なのだろうと実感した。
「……なあ」
「うん?」
「うちの担任、前からあんなんだったか?」
「え? 工藤先生、今日なんかおかしかった? いつも通りだと思うけど」
翔一だけではない。クラスの人間全員が、あさみちゃんの存在を忘れ、以前からあの男が担任であると認識しているようだった。
「……いや、俺の気のせいならいいんだ」
「……? 変な文也」
ちらり、と横目で空席になっている机を見やる。
霧島は霧島で、今日は学校を休んでいるようだった。出席で呼ばれることもなく、担任であるという男もクラスメートも特に気にもしていなかったので、あいつの言っていた話はおそらく本当だったのだろう。あるいは工藤先生、と呼ばれている彼も、霧島の指示で送られてきた魔術師なのかもしれない。こちらとしては、昨日のことであれこれ霧島に聞かれることもないのでありがたかった。
放課後になると雨は上がっていたが、空には未だ厚い雲が居座っていた。
直接言うと先輩に止められて捕まってしまいそうだから、メールで今日は休む旨を伝え、小田桐さんにフォローを任せて携帯の電源を切った。教室を出ていつもの部室棟ではなく、久しぶりにまっすぐ昇降口に向かう。幸いにも、交代でやって来た担任は物事を手短に話す方だったこともあり、美咲のクラスのホームルームが終わる前に内履きから靴を履き替え、待ち構えることができた。
いくつかのクラスの生徒が帰宅していった後、美咲は一人でやってきた。昇降口で待つ俺の姿に、多少驚いているらしかった。
「兄さん? 部活はどうしたんですか」
「今日はサボった。お前のことを、朝まで見張ることにしたから」
「……なぜ?」
理由を聞かれたが、俺は答えなかった。代わりに美咲の手を握る。おとといの夜に比べると、心なしか温もりが戻っているような気がした。放っておけば治る、という先輩の言葉が脳裏をちらつく。同時に、昨晩とその前の日の光景も。
「とにかく、今日はまっすぐ帰るぞ」
美咲の手を引き、校門を出る。美咲は抵抗することもなく、黙って俺に従いついてきた。逃げられることも覚悟していたので、少しほっとする。
それから、俺は何も言わなかった。美咲も、口を開くことはなかった。
兄妹二人で、黙って帰り道を歩く。俺は何から切り出すべきか迷ったが、まずは家に帰ってからだ、と思い直した。俺の知りたいことに美咲が答えてくれるのかも分からないが、大切なことは歩きながらよりも、向い合って美咲の顔を見ながら聞きたかった。
「……兄さん」
「ああ」
……異常に気づいたのは、おとといの路地の近くに差しかかった時だった。
商店街の近く、夕刻の通学路。なのに主婦の姿も帰宅する学生たちの姿もなく、視界の範囲には美咲しかいない。周囲の民家にも人の気配はなく、まるでゴーストタウンを歩いているようだった。
「手、離すなよ、美咲」
より強く、美咲の手を握る。何が起きるのかは分からなかったが、美咲を危険な目に合わせるわけにはいかなかった。
そのまま家へ走るべきか、学校に引き返すべきか。より近い母さんの店に向かうことも選択肢に入れ、思考を巡らす。
俺の思考を遮ったのは、第三者の登場だった。
「兄妹ごっこはおしまいだぜ、お嬢ちゃん」
人の気配がしない空間に現れた、異質な存在の声。気づかぬうちに道を塞ぐように立っていた男の顔を、全身を包むマントから覗くコスチュームを、俺は昨日、あの桜の下で見ていた。
「霧島……」
「よおブンヤ、一日ぶりだな。まあ、今用があるのはお前じゃないんだが」
霧島は美咲を睨みつける。美咲は、無表情に奴を見つめていた。
「俺についてきてもらおうか。魔術師同盟のお偉方が、お嬢ちゃんを確保しろと言っていてね」
「……お断りします」
美咲は冷たい声で言い切った。俺にとって、初めて聞く類の声色だった。
「仕方ねえか。どうせ化け物一匹、抵抗するなら殺してしまって構わないとも言われてるしな」
奴はそう言って笑った。
美咲を。
俺の妹を化け物と呼び、殺してもいい、と言い放った。
「どけよ、霧島。俺たちはこれから、兄妹水入らずの時間を過ごすんだよ」
美咲を霧島の視線から隠すように、立ち塞がる。頭に昇る血を静め、爆発しそうになる感情を抑えながら、息を吸う。
「……何の真似だ、ブンヤ」
「こっちの台詞だ。てめぇ……俺の大事な妹に、何するつもりだ?」
霧島を睨みつけると、奴はわざとらしくため息をついた。
「そいつは今回の連続殺人の重要参考人……魔法使いとして言わせてもらえば、容疑者筆頭だ。お前だって本当は見ただろう、あの桜の樹の下に転がってた死体と、その場にいたそこのお嬢ちゃんの姿を」
美咲の姿を、見られていた。動揺を見せまいと、俺は奥歯を噛む。
「この街で何人もの人が殺されている。耳神は動かない。これ以上被害者が出る前に、危険物は処理しておかなくっちゃあならない。こんなこと、小学生にでも分かる理屈だろう? 俺、何かおかしいこと言ってるか?」
おそらくは、正論なのだろう。目の前の鬱陶しい男はこいつなりに、この街を守ろうとしているのだろう。もしも美咲が悪事に手を染めているのなら、止めて叱ってやるのも兄の役目なのだろう。
もしも。そう、もしもの話だ。
積み重なった仮定の話で、大事な妹を殺してもいいなんて言う連中に、美咲を引き渡すわけにはいかなかった。
腹を括る。仮定の話で美咲が疑われているなら、真実を知る者に聞けばいい。
「美咲」
振り返り、妹の表情をじっと見つめる。俺自身も心の片隅であるいは、と疑っていたことを、直接問いただす。
「お前、人を殺したか?」
「……いいえ」
美咲は目を逸らさぬまま、俺の質問に答えた。
瞳の奥を見る。嘘はついていないと、俺は直感で確信していた。
「そうか。じゃあ、帰ろう」
他にも聞きたいことは山ほどあった。が、まずは家に帰ってからだ。
「……お前、人の話聞いてたか?」
家へと至る道には、相変わらず霧島が立ち塞がっていた。
「見てなかったのか? ちゃんと今、美咲に話を聞いて、人殺しなんかしてないって言っただろ。何もしていない妹を、お前みたいな胡散臭い奴には渡せない」
俺がそう言い切ると、霧島の表情が変わった。殺気を含んだ視線が俺を射る。
「俺とやり合うつもりか? 部外者はすっこんでろ、ブンヤ。自慢じゃねえが、魔法使いと喧嘩したらケガじゃすまねえぞ」
「部外者じゃねえよ」
霧島を睨みつける。奴に気づかれぬようにそっと、美咲の手を握る力を強めた。
「俺は、こいつの兄貴だ……じゃあな!」
言うが早いか、俺は美咲を連れ後ろを向き、一目散に逃げ出した。
霧島に背中を見せるのは危険な賭けだったが、日が落ちる前にそのまま真正面から奴と戦うのは、それ以上に危険に思えた。
「逃がすかよバカが……貫け、水槍!」
振り向くと美咲の頭越しに、霧島がペットボトルの口を開け、こちらに向けているのが見えた。ヤケっぱち……なわけはない。奴が本当に魔法使いなら……
「来い、美咲!」
「きゃっ……!?」
美咲の手を引き、抱き寄せて倒れる。
水の雫が勢いよく俺のそばを通り過ぎ、掠った水流が制服の肩を切り裂いた。
「無理に庇うなよ、ブンヤ。抵抗されたとはいえ、民間人を殺しちまったら、怒られるのは俺なんだからよ」
「妹にそんな物騒なもん向けられて、黙って見てられるかっ……!」
美咲を抱き起こす。ケガが無いのを確認し、再び走りだした。
「別にこの場で殺す気はねえんだぜ? 連行して話聞きたいだけだからな。逃がすわけにはいかねえから、威嚇で終わらすつもりもねえが」
今のはどうやら、威嚇射撃だったらしい。追う側の余裕か、霧島は歩いてこちらを追撃しようとしていた。自信ありげな奴の顔はかなり腹ただしいが、逆に言えば、本気で来られる前にどうにかできるチャンスはある、ということだった。
日が落ちるまではまだ時間がある。周囲の人気のなさもおそらくは、奴が人払いか何かの魔法を使っているのだろう。
奴の実力が未知数な以上、勝機があるかは怪しいが……やらなきゃならない。俺の手元には、先輩から貰った護符が十数枚。倒すことはできなくても、美咲を逃がすことができれば俺の勝ちだ。
後ろを振り返る。奴との距離はだいたい十五メートル……おそらくは攻撃準備だろう、中身の残ったペットボトルを振っているのが見えた。
「護法印、飛雷針……!」
制服の裾から護符を滑らせ、光の刃となった護符が一直線に飛んでいく。俺から攻撃が来るのは想定外だったのか、霧島が反応する前に奴の手元まで刃は届き、ペットボトルを粉砕した。
「なるほどな。これで手詰まり……」
一瞬呆気にとられたようなに濡れた手を見つめていた霧島だったが、口元を歪めるとマントを翻した。
その内側には、小型のペットボトルが大量に括りつけられていた。
「なわけねえだろ! 貫け水槍!」
ボトルの一つが取り出されると、その口から水流が空気を裂きながら高速で射出される。
「こっちだ!」
横っ飛びで細い路地に逃げ込むと、視界の外で地面の抉れる音が聞こえた。
「ブンヤ、部外者って言ったのは訂正するぜ。魔法使いに魔法で喧嘩売るってことは、多少痛い目に合う覚悟ができてるってことだもんなあ……!」
広い直線でやり合うのは不利なのは確かだった。奴の殺気立った言葉を無視し、入り組んだ道を美咲を連れて走る。
ざっと見ただけでも十キロ以上の水を装備しているはずなのに、霧島は軽快な動きでこちらを追ってきた。よほどの筋力を隠し持っているのか、もしくは重量を軽減する魔法でもあるのか、どちらにしても厄介だった。走り続けて奴の息切れを待つのは難しそうだ。
「次はそう簡単には避けさせねえ」
霧島が腕を振ると、水滴が奴の周囲に飛び散った。
「穿て、水爪!」
号令を合図に、水滴が銃弾になってこちらに迫る。さっきのがライフルなら、今度はショットガンか。思ったよりも器用なんだな……などと、感心してばかりもいられなかった。ズボンから護符を引っ張りだし、魔力を叩きつける。
「護法印……退魔陣!」
光の膜が俺達と霧島の間に現れ、散弾を食い止める。輝きが目眩ましになっている間に、美咲の手を取って狭い路地を走った。物陰に身を潜めながら呼吸を整え、足りない頭を総動員して対策を考える。霧島の攻撃の度に護符を使っていたんじゃジリ貧だ、うまく隠れつつ逃げ切らないと……
「護法印、幻影陣」
数枚の護符が燃え上がると、勢いよく魔力を含んだ煙が上がり、周囲一帯を包み込む。この中を移動すれば、少しは時間が稼げるはずだ。おぼろげな記憶を頼りに、繁華街へと抜ける道を目指す。とにかく北を目指せば出られるだろうと考えていたが、しばらく走ると行き止まりにぶち当たった。来た道の分岐路を思い出しながら、呼吸を整える。
「美咲、まだ走れるか?」
体力にはまだ余裕があるように見えたが、美咲は首を横に振った。
「兄さんだけで逃げてください。あの男の人の目的は、私だけのはずです」
「そんなことできるかよ。警察ならともかく、お前がしてない犯罪の汚名を着せられて魔法使いに連れ去られて、無罪を証明させてもらえる保障もない、何をされるかも分からないってんなら……そんなの、見過ごせるわけがない」
霧島の口ぶりでは、疑わしい奴は裁判も経ずに拷問にでもかけるんだろう。そんなこと、許してたまるか。
「人を殺していないのは確かですけど……兄さんはどうしてそんなに私を、信じてくれるんですか」
「どうしてって……お前が怪しい奴に襲われてるのを、この目で見てるしな。それに何より、お前が俺の妹だからだよ。家族を信じるのは当たり前だろ」
「妹、だから……」
「分かるんだよ、理屈じゃ説明できないんだが……お前が嘘をついてるかどうか、なんとなく」
俺の言葉を反芻していたらしい美咲は、しばらくぶりに俺の手を握り返してくれた。俺の体温が美咲を温めてくれるように、俺も握った手に力を込める。
来た道を引き返して走りだしたが、少し戻ったところで、来た時には無かったはずの壁が見えた。よく見ると、それは普通の壁ではない……水で作られた、固いバリケードだった。
「美しい兄弟愛だなあ? お前らが本当に兄妹なら、の話だけどよ」
警戒を強めていると、壁とは反対側の煙が水流によって切り裂かれ、ペットボトルの水を飲みながら霧島が姿を現した。
水の壁は、側溝に溜まった雨水で作られているようだった。奴はボトルの中身だけではなく、水ならなんだって操れる、と思った方がいいらしい。
「……どういうことだよ、本当の兄妹なら、ってのは」
「ブンヤ、お前そいつとの思い出は何年前からある? お前の家のアルバムに、そいつの写った写真はあるか?」
「答える義理はない」
霧島の質問の意味が分からない。
美咲の入学式の写真はこの間撮影したばかりだし、美咲は物心のついた時からずっと一緒だった。くだらない無意味な挑発……の、はずだ。
「俺は魔法使いだからな。脳の水分に働きかけて、記憶の改竄もある程度はできるんだよ……結論だけ言う。お前、俺が学潜入する前から記憶いじられてるぜ」
記憶の、操作。俺と美咲の十五年間は全て偽りだったと、目の前の魔法使いは言い切った。頭に血が昇っていくのが分かる。
「……そうだとして、なんで俺と美咲に関する記憶が操作されてるってことになるんだよ。あんまりふざけたこと言ってると、ぶっ飛ばすぞ……!」
「ぬかせ。ま、信じる信じないはお前の自由だけどよ……家族が悪事をしてるなら、叱ってやるのも大事な兄の役目だぜ、妖怪シスコン野郎」
「黙ってろ、霧島!」
護符をあるだけ引っ張りだす。
「護法印、疾風迅雷!」
防御壁を張りながら雷王を呼び出し、スピードを上げて奴に突っ込んだ。
「……仕方ねえな。砕け、水掃」
水の銃弾を弾き続け、雷王の間合いに入ったところで、俺は真横から何かに吹き飛ばされた。前面に防御を集中させていた俺は、そのまま塀に叩きつけられる。
雷王を支えにふらつきながら立ち上がると、路地に捨てられていたペットボトルから、水で出来た巨大な握り拳が出てきているのが見えた。周囲の湿気を吸って膨らんだらしいその水の腕は、追撃として俺に平手打ちを繰り出した。とっさに防御態勢をとるが、自分の骨が軋む音を聞きながら、俺はアスファルトの上を転がった。
「雨上がりに俺と戦ったのが運の尽きだぜ、ブンヤ。そこで寝てな」
「兄さん!」
近くで、美咲が俺を呼んでいた。霧島の近くまで突っ込んだはずだが、美咲のそばまで吹き飛ばされていたらしい。
守らないと。俺が、美咲を。
「兄さん、ね……笑わせるぜ、化け物が」
背後からは嘲笑う霧島の声と、側溝に水が注ぎ込まれる音が聞こえた。荒れる呼吸のままそちらを見ると、側溝の水が鎌首をもたげ、三つの首を持つ巨大な龍の姿を形取るのが見えた。
「三式・水龍葬……ニセモノのまま飲み込まれな、お嬢ちゃん」
霧島の号令で龍が動き出すと、俺はとっさに美咲の前へと駆け寄った。おぼつかない足で霧島の方を向き、最後の護符で光の膜を呼び出す。
「バカが、お前が飛び出たところで、どうなるもんでも……狭い路地だ、逃げ場なんてねえよ!」
龍たちはあっさりと、紙切れのように膜を引き裂き、そのまま俺に、そして背後の美咲に牙を向けた。
ダメだ。これは、防ぎきれない。
だが、避けるわけにもいかない。避けた瞬間に、美咲を危険に晒してしまう。それだけは、ダメだ。
三方向から迫り来る水の龍。目の前で奴らに美咲が飲み込まれるのを見るくらいなら。俺が全て、この体で。
「バカ野郎、お前一人で全部止める気か!?」
黙ってろ。これは俺のプライドの問題だ。
目を見開く。口を開けた龍が、眼前に迫る。
「……っ!」
そのまま俺は、龍の濁流に飲み込まれる……はず、だった。
最初は命の危機を前に、時間がゆっくりと流れているのかと思った。だが龍の動きは静止したまま、その姿が徐々に変化していく。パキパキと音をたてて、牙や鼻先から首、本体へと、龍たちはその水の体を凍らせていった。
そうして体を支えきれず、水の龍の氷像は崩れ落ちていく。
「なんだ……これ」
霧島の力かとも思ったが、凍りかけた路地に立つ奴も、目の前の光景に驚いているようだった。
「ここまでとはな……やっと正体を見せたな、化け物め」
霧島は俺ではなく、その後ろ側を睨みつけているらしかった。つられて振り返るが、そこには数秒前と同様、美咲が立っているだけだった。
その表情は、夕日の逆光でよく見えない。
「……相性差ははっきりしています。あなたには、私をどうすることもできません」
美咲は冷たい表情で、霧島に向けてそう言い放った。
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