プログラミングが免許化された世界

白布つぐめ

四角い車輪を最発明する

 大昔、といっても20年くらい前、プログラミングが免許化される以前のことだ。その頃は既に広く知れ渡っているものを作り直すのを車輪の最発明と呼び、さらにそれの劣化版を作ることは四角い車輪の最発明などと呼ばれていたらしい。


 けれどそんなのは昔の話だ。そんなのは能力が無いやつらがはびこっていた時代の話なのだ。だけど俺らは違う。ちゃんと試験を受けてプログラミングをすることを国から許可を得たのだ。教科書にも他人のコードには何が書いてあるか分かったものじゃないから、国が許可を出したもの以外はすべて自前で書けと書かれていた。そう、何が書かれているかよく分からないような他人のコードを使うような時代遅れなことはしないのだ。


 でもおかしい、最近、あの法律が施行されてからどうも業績が下がってきている。なぜだろう。自前の信用できるコードしか使っていないのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

プログラミングが免許化された世界 白布つぐめ @tsuki_no_miya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ