猫は次元を超えて悪夢を見る 3

“ドガアアァッ!!”


「なっ……!」


今度は爆発……一本柱が立つみたいに爆発する槍とか訳分かんねえぞ!


「タスマニアスピアボムですよ!!アタマにご注意を!!」


奴は上か……っていうか


見上げたらどこもかしこも槍、槍、槍……こいつまさか……


「……それ全部落とすつもりか……」

「当たり前邪ああ!!死ねエ!!!!」


図星か!てか今こいつ死ねって言った!殺しはしないって最初に言ってたのに死ねって言った!ウソつき!!


こっちもこっちで何もしない訳じゃないけど!!


「ウオオオルァアア!!!!」


落とされる前に片っ端から拾ってやる!まだ形が細いから束にして引っ掴んでやるし!


「グラァ!!ガッアァ!!」


拾い損ねて落ちてくる分は口からぶっ放す光球で飛んでくる前に処理!

これだけの無茶な動き、この得体の知れない空間だからできるんだろうけどさ!こんな一気に畳み掛けると、さすがに、ちょっと息が、切れてきたぞ……!


「デラアアアアアーー!!!!」

「ヒハァッ!?」


残った槍、全部……!


「か・え・し・て・やるぁあああアアアアアアア!!!!」



〜〜〜〜



…………気配が消えた。


爆発も止んで、姿も見当たらない。


「やっ田か……?」


…………。


やってなかった!今言ったの俺じゃないぞ!あのバケモンだ!


「あれだけの爆発に巻き込んだのに平気ってか……!」

「当たり前ジャン。フグが自分の毒で死ぬ?」


例え方がおかしいわ!今その理論使うとダイナマイトが爆発してもなくならないのと同じだぞ!


「それはとも各、おまえつオいな!今の、チョーヒツってやつ?」

「……いや、ガチ中のガチで本気出したのは一回だけだ」

「あら斬年。でモま、けっこー楽しめたのでココロばかりのお返しをば……」


お返し?まさかまだ何かしてくるつもりじゃ……


「はいドーぞ」

「……プレゼント箱?」

「あなたをおうちに帰してあげるアイテムが入っていますよ」


……信用できるか?かと言って、こいつとやり合い続けた所でこっちが根負けしそうだし……

それに、こんな得体の知れない空間からは一秒でも早くおさらばしたいのが本音だ。


「……開けた瞬間に槍だのハンマーだのが飛び出してきたりしないだろうな?」

「ワガハイ、もう戦う気はありますぇン」


……どうにも怪しいが、他に何か手段が思いつく訳でもないし。

念の為、すぐ反応できるように構えておくとして……


……開けるぞ。


「…………ッ!!」


…………水晶玉?


「それを強く握りながらと念じてみなさい。道が開けます」


……見た所、変なスイッチとか怪しい部分は見当たらない。

騙されたと思ってやってみるか……?


(おうちにおかえり……おうちにおかえり……おう__)


……ん?なんか、水晶玉が赤くなってきてるような……あれ?何かどこかで見たようなお顔が見えて……


「____イザ ジンジョウニ バクハツダ!!」


あ、ヘラジカ師匠、お久しb______














▼シロは めのまえが まっしろになった。

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