小さい小さい小噺未満

勇者は世界を救いました。

世界は祝福に満ち満ちていました。

だが魔王が倒された今、俺や友の仕事がなくなった。

俺は永久就職するつもりで、この魔王の企業に入社したのに。他の魔界と合併する力もなく、倒産し解散扱いとなった。

放心状態になりながらもハローワークへ足を運ぶ。また、何も収穫がない日が始まりあっという間に夜に。最低限の生活ができる部屋が冷たく迎えてくれる。

テレビは「勇者は世界を救いました。」と繰り返す。

俺は世界にいないのだ。