はい!ということでね!

夜の12時、三角公園のブランコで、漕がずにいると、誰もいないのにどこからともなく話しかけられ、ブランコが漕ぎ出されるという噂だ。


そんな噂話を聞いた僕は確かめざるを得ない。夜の12時に近くなったころ、早速三角公園のブランコに向かった。

すると同じ噂を聞いたのか先客がいた。同じくらいの男性だった。ハンディカムを持って一人で喋っている。

「はい。今回は噂の幽霊が出る公園にやってきました。少し怖いですが、本当かどうか、調べてみたい思います。」

僕はもう片方のブランコに乗って、

「君も噂を聞きつけたのかい?」

と問う。

すると、彼は、

「えっ!今何か聞こえませんでしたか?」

とキョロキョロしながらハンディカムをあちらそちらへ向ける。

「えっえっ怖い怖い。どうしよう本当かもしれない。噂は。」

とハンディカムに向かって喋っていた。

どうやら僕のことは撮影の邪魔らしい。


早く噂とやらを解明したいと思い、静かに待っている。

「いやーさっきは何か聞こえましたが、今はなにも聞こえません。」

ガサガサの茂みから聞こえる。ハンディカムもそちらへ向けた。

するといきなり鬼のお面を被った人が飛び出してきた。

「うわっ!」

と僕と彼は叫んでしまった。


「はいー!ドッキリでした!」

鬼のお面を取りながら、ドッキリと書かれた看板を出す。

「なーんだよ。ドッキリだったのか。はー騙されたわ。」

とハンディカムに向かって喋っていた。


僕は安堵のため息をつきながら乗っていたブランコを漕いだ。


「お前もう、ドッキリってわかったからもういいよ。」

「これお前が仕込んだんじゃないの?」

「えっ?」「えっ?」

一目散に男たちは逃げ出し、ハンディカムを落としていった。


僕はハンディカムに向けてこう話した。

「はい!ということでね!人間を脅かしてみました。面白かったら、ぜひ僕たちの仲間になってくださいね。」

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