ゲストルームにて

 コンコンコン、ドアをノックする音が鳴り響き入ってきたメイドの方とアルファ様が一言二言お話になると。アルファさまがこちらにモモンガ様が来られると教えてくれました。

 どうやら、外での要件が一段落したという事で、私たちの今後を決めるために来てくれるという事でした。

 私たちは二つ返事でアルファ様からモモンガ様の来訪を受けることに返事をし暫くすると。

「モモンガ様のご入室です。」

 先ほど、モモンガ様の来訪を教えてくれたメイドの方が、先に入ってきてモモンガ様の入室を伝えてくれます。私たちはソファから立ち上がり頭を下げてお待ちします。


 俺が部屋に入ると、ガチガチに緊張した四人がいた。

 一体どんな説明をしたんだろうか。後でユリに確認しないとな。

「皆さん、今日はお疲れなのですから楽にしてください。」

 しかし、ネムの隣にナーベラルが寄り添っているのは驚いたが、良い表情だったなー。


 モモンガの前にはいまだに頭を下げている四人の女性たちとナーベラルとネムが居た。


 こんな状況じゃ、俺が座らないと楽になんてできないよなー。

 俺はもう一度彼女達に楽にして下さいと声を掛けつつ、上座へと移動しソファに腰を下ろした。ルベドは俺の隣に寄り添いながら座りセバスとユリはソファの後ろに控えている。

 案の定彼女達は俺が席に着くまで、ソファに座らず立ったままだったよ。

「さて、皆さん本日は色々とあった中お疲れでしょうが、お休みになられる前に今後について軽く話をしたいのですがいいでしょうか?」

「はい、お願いします。」

「では、現状の確認からしましょう。」

 とりあえずスレイン法国についてはここで言ってもしょうがないかな?となるとだ。

「今カルネ村には王国より派遣された、王国戦士長率いる戦士団が野営をしており、貴方達を私たちの下で保護している事は伝えてあります。それで、皆さんは今後どのようにしたいのか希望を聞いておきたい。ここで取れる選択肢としては大きく三つ、ここナザリックに残るか、王国戦士団に保護してもらうか、またはそれ以外ですね。戦士団に保護を願いたい場合は、明日の朝までに結論を出してもらう事になりますが、いかがでしょうか?」

「私たちは、この場所で御恩を少しでも返していきたいと思っています。」

「そうですか・・・。わかりました。皆さんは今後このナザリックで過ごせるようにします。が、ここに残る以上、客人として扱われることは無いと思ってください。皆さんにはここで働いてもらいますがいいですね?」

「はい、もとよりそのつもりです。」

 事前に話し合っていたようで、俺と話している女性以外はこの会話に反対の声を上げることなく見守り、話が一段落すると息を吐いていた。・・・、相当精神的に来てるな~。

「では、御婦人方に関しては、まずメイド見習いとして雇い入れましょう。そして、エンリとネムに関してはまだ子供という事もあります。私が後見人として成人するまで保護します。これでどうでしょう?」

「はい、ありがとうございます。」

「そうなると・・・、ここにぺスを呼んでくれ。健康状態の確認をするように伝えてな。」

「はい、畏まりました。」

 これに応えたのは控えているユリ。

「さて、これから皆さんの健康状態を調べさせてもらいます。本日はそのままお休みください。メイド見習いの件については後日メイド長のペスと話してください。ナーベラル、彼女達が休める場所を用意して、ぺスに見てもらった後案内してくれ。」

「はい、畏まりました。」

「では、皆さん私はこれで失礼します。次会ったときはメイド見習いとして接しますので、よろしくお願いします。エンリとネムは明日話をしよう。では。」


 モモンガ様が出て行きました。

 すごい緊張しましたが、どうやら私たちはここで御恩をお返しする為にお仕えできるそうです。

 その事について話を聞くためにアルファ様にお話を聞こうと声を掛けます。

「アルファ様、すいません。後見人とは何でしょうか?」

「はい、エンリ様。」

 ん?様?

「後見人とは様々なものがありますが、ここで言うのは未成年後見人のことです。これは、保護者が居ない未成年者、つまりエンリ様とネム様をモモンガ様が引き取りお二人を保護するという事です。つまり、本日よりお二人はこのナザリックの支配者モモンガ様の義理の御子となります。」

 えー・・・、え?えーーーー!

「えっと・・・、それはつまりその、あのー、モモンガ様がお父さんという事です?」

「はい、その通りでございますエンリ様。」

 あー、なんかすごいことになってます。・・・どうしたらいいのでしょう。私は助けを求めるために視線を動かしますが、メイド見習いとして働くことが決まった皆は、「良かったねーエンリちゃんいや、エンリ様」といって、助けてくれませんでした。ネムに至っては「わーい!ここに住めるの!?」と言っています。ネム・・・、私たち神様の子供になるのよ・・・。

 もう・・・訳が分からないよ~・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る