第40話 バジリスク退治へレッツゴー!
しかも良く見るとニーハイソックスをはいてる。
戦闘時に絶対領域求めてどうするのよー!
「とにかく、私の装備もどうにかなったし、行きましょうか」
厩舎に寄って、ペルシオと遊んでいたアレクさんにも事情を話す。
アレクさんによると、撫でようとしては蹴られそうになったのを必死に避けていただけで、遊んでいたわけではないらしい。
その割には顔が緩んじゃってるけどね……。
「ペルシオ、森にいるバジリスクのところまで連れて行って欲しいの。お願いできる?」
「ヒヒーン」
ペルシオは羽を広げていなないた。
これはOKって事だよね。
あれ? なんかさっきとちょっと違う?
「羽が増えてるっ!」
来た時の羽は二枚だったのに、えーっと、四枚に増えてる!
「そりゃあ、ペルシオって名前がついたからね」
うんうんとオコジョさんが頷く。
「名前がつくとそんなに違うの?」
「世界にその個体として認められるからね~」
「世界……」
なんだか壮大な話になってきたけど、よく分からないぞ。
……まあ、いっか。
さあ、馬車に乗ってレッツゴー!
皆で馬車に乗るとそれほど時間がたたない内に森へと到着した。
さすが名前のついたペガサス! リンツの町に行った時よりも早く森に戻ってきたよ!
馬車から下りた私は、思いっきりペルシオをほめた。
ジークさんに薦められて首筋を撫でてあげると、嬉しそうに目を細める。
「じゃあ行ってくるね、ペルシオ」
「ヒンッ」
馬車につないでいる馬車用のハーネスをはずしてあげると、ペルシオは空へと飛んで行った。
オコジョさんによると帰りは呼べばまた来るらしいから、私たちがバシリスクを倒すまでの間、のんびり空のお散歩をしてくれればいいね。
「そういえば、バジリスクって体の上半身が鶏で、下半身が蛇の魔物なんだよね。クチバシと爪に石化の呪いを持っていて、えーっと、かすり傷一つでもつけられるとそこから石になっちゃうんだっけ」
「そうだ。よく覚えていたな」
そりゃあ、鶏と蛇が合体した魔物ってインパクトが強いもん。
メデューサみたいに、目が合っただけで石化する魔物じゃなくて良かったとも思ったし。
「キング・スネークも毒を持ってたし、蛇っぽい魔物は毒を持ってるのかなぁ」
「そうだな。蛇の姿を持つ魔物は毒を警戒した方がいい。もちろん毒を持たない魔物もいるが、変異種の場合は毒を持つケースもあるしな」
馬車が一台通り抜けられるくらいの道を進みながら、ジークさんが説明してくれる。
ふむふむ。なるほど。
蛇は毒に注意、なんだね。
「へんいしゅって何ですか?」
「普通の魔物よりも強い能力を持つ魔物の事だ。少し体が大きかったり、目の色が違ったりする魔物は、変異種である可能性が高い」
「つまり、凄く強い魔物って事ですよね?」
「そうだ」
だったら私も注意しなくちゃね、と頷こうとして、よく考えたら元々がどういう魔物かを知らないんだから無理なんじゃないかなって気がついた。
……とりあえず、出会った魔物は全部倒せばいいんだよね。がんばろうっと。
私は腕輪からすぐにトゲトゲーニャを出して投げるというイメージトレーニングをしながら、ジークさんの後を追った。
後ろにはオコジョさんとクラウドさんとアレクさんが続いている。
「バジリスクは縄張りを持つ魔物だから、ヘルベルトが襲われた辺りに行けば、向こうから出てくるはずなんだが……」
しばらく道を進んでいたジークさんが、立ち止まって辺りを見回した。
ぜーぜー。はーはー。
ジークさん、ジークさん。
かなり歩いたし、そろそろ休憩してもいいんじゃないかと思います。
ぜーはー。
「ジーク。ちびちゃんがそろそろ限界だ」
アレクさんが後ろから声をかけてくれる。
足は普通に動くんだけど、ふくらはぎとか太ももが痛くなってきたよぉ。
そりゃ、今までずっと家にこもって錬金ばっかりしてたんだもん。絶対運動不足で筋肉痛になってるよ。
「ちびじゃないです! でもちょっと休憩させてもらえませんか?」
「すまない。気がつかなかった」
少し休憩という事になって、太ももとかふくらはぎをマッサージする。
あ~。喉も乾いたけど、飲み物もないし。
「そうだ。ポーションを飲もう」
これも飲み物だしね。ひょっとすると筋肉痛も治るかも。
さっそく腕輪から出して、ぐびぐびっと一気飲み~♪
「凄い。筋肉痛も治った!」
ジークさんたちも喉が渇いてるだろうから、ぜひどうぞ~と、ポーションを手渡す。
体力も復活したし、これでいつバジリスクが出てきても大丈夫だね♪
そんな事を考えていたからだろうか。
ガサガサっと茂みから音がして、そこから灰色のニワトリが姿を現した。
「気をつけろ、バジリスクだ!」
すぐにジークさんたちが戦闘態勢に入る。
これがバジリスク……。
確かに顔はニワトリだけど、ちょっと大きすぎるんじゃない!?
仔馬くらいの大きさがあるよ!
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