第3話 アパート住んでる人はどうすんの?
取引先の友人が事務所に訪ねてきた。
深刻な表情でボヤキ出した、家賃滞納、差押え、
離婚、電気停止・・・
慰めのつもりで「風と共に去りぬ」の逸話を話した。
悲しみのヒロインの脳裏に亡き父や去った夫の声が
聞こえて来る「お前にはタラの土地がある、土地こそ
総て」と。ヒロインは立ち上がり叫ぶ・・・
「タラに帰ろう、明日に望みを託して」伝説の名ラスト。
友人は感動して涙を流し、頭をもたれ聞き入っていた。
その時、俺は急にふと浮かんだ疑問を投げかけた・・・
「チョット待った、コレ土地が無い人はどうすんの?」
「はあ??」
「いやだからさ、俺も家賃滞納してんだろ、アパート
住まいの人には明日の風が吹かんのかえ?」と言った。
一瞬白けた沈黙が数秒流れた直後、
「ブハ~~~、ダハハハハハ~~~」
「だろ?だろ?な!な!そうだろ、な!」
「ブハアァァハハハハ~それ最高っす、可笑しいー!」
う~む、俺は何か一つ良い事をしたのう~、
友人の悲しみの涙を笑い転げる涙に変えてやったと思い
ながらも、この映画が流行った頃、不動産屋どもは、
ボロ儲けしよったんやろなあ~と確信したのだ。
総ては“風と共に去りぬ”かあ~~、ブハア~~~~!!
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