第12話 レーダー照射事案に関して「自衛隊が嘘つき」だと仮定しても、韓国の動きは怪しくて仕方がない
タイトルが長いです。
前話で例の動画のセリフを大体up出来たと思います。軍事機密に関わる部分は見せてくれてないので不明な部分も多いですが、大体は理解できると思います。
要するに、日本のEEZ(排他的経済水域)内、つまり、防空識別圏内です。そんな場所で、日本の哨戒機が火器管制レーダーの照射を受けて追い払われた事案となります。
この件に関しては、日韓の意見は真っ向から対立しており、傍から見てどっちが正しいのか分からない状態になっています。
考えられるパターンは以下の三つ。
A.日本側が嘘をついていて、韓国の主張が正しい。
B.韓国側が嘘をついていて、日本の主張が正しい。
C.双方が真実を述べていて、誤解が生じている。
最近はツイッターとかよく見てるんですが、それはもう色々な意見の方がいらっしゃるわけです。視点の違いを勉強できて大変有意義です。
日本政府、及び防衛省の見解はもちろんBです。韓国政府、韓国国防部はAになりますね。
前話、結構時間かかりました。防衛省発表の動画のセリフを書き起こしました。面倒でしたがupしました。何故upしたか、理由は以下の通りです。
パターンAの場合、この動画は偽物、フェイクとなります。
当然ですね。
では、動画の何がフェイクなのでしょうか。
そういう疑問は当然出てくると思います。
これを論理的に説明できれば、韓国側の勝利はゆるぎないものになりますね。ならばやってみようじゃないか。そう思ったわけです。
最初は、実際撮った映像に後から別の音声をつけた吹き替え動画ではないかと疑ってみました。しかし、よくよく考えてみれば、この可能性はゼロです。
その理由は、そんな事をしてもすぐに嘘がバレるからです。
韓国艦艇から火器管制レーダーの照射がなかった場合、日本の哨戒機は韓国艦艇の周囲を飛んで映像を撮り、通信もしないで飛び去った事になります。動画からはFC系レーダーを探知しなければ通信をしなかったと思われるからです。仮に通信していたとしても、動画にあったこの文言はなかったはずです。
We observed that your FC antenna is directed to us.
貴艦のFCアンテナが我々を指向した事を確認した。
つまり、動画を公開した段階で日本の嘘がバレるんです。そんな通信は無かったとなりますから。
実際、動画を公開した後、そういう反論は出てこない。つまり、後から吹き替えたのではないと言う結論になります。
ならば、答えは一つ。
機上で演劇大会をやったんですね。
あらかじめシナリオを用意する。
ヘマをしないように、事前に何回もシミュレーションをする。
そして、哨戒飛行中に韓国艦を見つけたら、演劇大会を実行する。
12月20日、海自の哨戒機は特別な指令を受けていた。それは、韓国軍の艦艇を発見したら、適当な所で火器管制レーダーを探知したと嘘の報告をし、相手にその旨を通信で伝える事なのだ。
韓国艦「クァンゲト・デワン」を発見したP-1哨戒機は、実際には探知していないFC系レーダーを探知したかのように振舞った。韓国艦にも当然動画そのまんまに通信を送った。
さて、この通信ですが通信したふりをしていたのではなく、実際に通信していることが確認されています。空自の練習機が受信していましたし、韓国側も受信していたのは確実です。雑音がひどく手聞き取れなかったとコメントしていましたけれども。
機上での大演劇大会は無事に閉幕。実際には照射されていない射撃管制レーダーを照射されたふりは見事に成功しました。公開された動画は、多くの日本人や一部の韓国人にも受け入れられました。
ここから、韓国側の反応を見てみましょう。
韓国艦艇は射撃管制レーダーを照射していません。つまり、一方的に日本側にいちゃもんをつけられた格好になります。
疑問その①:現場において、韓国艦は何故無反応だったのか?
いきなり大きな疑問がわき出てきました。そう、やってもいない事をやったといちゃもんをつけられた駆逐艦「クァンゲト・デワン」が黙っているのです。何か通信があれば「こっちは救助で忙しいんだ。一々うるさいぞ、コノヤロー」的な返信をしてもいいと思うし、「何だって? FCアンテナ? そんなもん使っとらんわ。ふざけんな馬鹿モン!!」とか怒ってもよさそうです。
火器管制レーダーの照射はかなりの問題行動となります。そういう問題行動の濡れ衣を着せられたわけです。これに対して沈黙しているのは謎ですが、ここは韓国側の発表通り、雑音がひどくて聞き取れなかったとしましょう。聞こえていたら間違いなく激怒する案件ですけど。ところで、韓国艦の無線って、旧日本海軍の空中無線みたいな性能なんですかね?
疑問その②:何で言い訳みたいな回答をしたの?
そう、最初は「天候が悪く、捜索の為全てのレーダーを使用していた」とか言ってました。目の前に漁船がいるのにレーダー使って漁船を探していたとか。そして、射撃管制レーダーまで使用していたとか。韓国艦は一方的にいちゃもんをつけられている格好なのです。ならば「当方は射撃管制レーダーは一切使用していない。ふざけんな。ゴルア!!」とかの回答が出てもおかしくないのです。「レーダーを使用したが、哨戒機には当てていない」とか、「STIR-180(これがFC系レーダー)の光学カメラを使用したが、レーダーは使用していない」とかね。傍から見ればいい訳にしか聞こえない歯切れの悪い回答です。やってない事をやっていないと、堂々と世界に向けて発信できたはずなのにしていない。物凄く怪しいんですよ。
疑問その③:低空威嚇飛行に論点をすり替える必要がない。
そう、火器管制レーダーを照射していないのですから、堂々と言えばいい。低空飛行とか威嚇されたとか言う必要はないのです。論点を分散させず、むしろ集中して日本に対して徹底的に抗議すべきです。
疑問その④:韓国側の反論動画において、何故、先に公開された日本の動画を多用しているのか。
韓国側は日本の動画がフェイクであることを知っています。まあ、画像に上手く嘘の音声を乗せている訳ですが、これが現場でぶっつけでやった名演技がちりばめられています。
日本のこの素晴らしい演技に対して敬意を表してくれているのでしょうか。
そんな事は無いよね。
さて、この韓国側の動画は日本側の動画を流用しています。日本の無線が聞こえなかったと言い訳しているシーンで、日本側の動画から音声をそのまま流していますが、
We observed that your FC antenna is directed to us.
この部分だけは削られています。まあ、韓国がフェイクだと思った部分を削ったんだね。まあ、あれです。自身の潔白を証明するためにフェイクを使っているのは大いに怪しいと思います。普通は使わんよ。
疑問その⑤:1月14日の実務者会議において、レーダー情報の交換を拒否したのは何故?
そう、ここが最大の疑問点なのです。韓国はレーダー照射していない事を主張しています。つまり、韓国のレーダーに関する情報を日本が持っていないことを知っています。
レーダーには、その機器特有の特徴があるんだそうです。人間で言えば指紋の様なものです。同じ型番のレーダーでも、それぞれ特徴を持っていて個体を識別することができるんだと。
つまり、ここで情報を交換すれば、日本の嘘を暴いてぎゃふんと言わせてやる絶好の機会だったはず。
ところが、韓国は難癖付けて情報の公開に応じなかった。
件のレーダーはオランダ製のSTIR-180です。日本側はこのSTIRの情報を交換しましょうと言ったはず。他のレーダーはFC系ではありませんからね。
日本を痛めつける千載一遇のチャンスを捨ててしまったのです。
これは謎ですね。
さて、この5つの疑問を検討してみると、日本が嘘をついているとは考えられないのですね。特に疑問⑤です。韓国必勝の筈のチャンスを自らが潰している。
面白いですね。
韓国側が正しく、日本側が嘘をついている。
この前提で事実を確認してみると、韓国側の行動が不自然すぎるのです。韓国の側に立ち、日本の方が嘘をついていると言う前提で事実を確認しているのにどうしてこうなったんだ……。結局、日本が嘘つきという前提でも、韓国が嘘つきと言う前提でも、韓国の方が矛盾しているんですね。韓国の方が嘘をついているという前提では検証はしません。そのまんまですからね。
さて、もう一つの前提があります。日韓双方が正しくその間に誤解があると言う前提です。
これは一部、そういう方向で意見を述べる人がいますけど、自分としてはあり得ない結論です。というのも、FC系(火器管制)レーダーを探知して間違えるなんてありえないからです。
あるとすれば逆のパターンですね。「FC系を当てられたのに探知できなかった」というもの。
一応解説すると、探索用レーダーは360度回転しながら電波を出すので、受信する方は「ピ……ピ……ピ……」と言う感じの断続した信号となります。一方、FC系は「ビビビビビビビビ」と言った感じの「めちゃくちゃすごい音」になります。
興味のある方はこちらを参照してください。http://www.mod.go.jp/j/approach/defense/radar/index.html
動画も見れます。
具体的な資料はこちら。素人でも分かりやすく解説してあります。
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2019/01/21x.html
蛇足かもしれませんが、クァンゲト・デワンに搭載されているレーダーは4種。LバンドとかXバンドと言うのは周波数帯の事。
AN/SPS-49(v)5 早期警戒用:Lバンド
MW-08 目標捕捉用:Cバンド
SPS-95K 対水上捜索用:不明だけどXバンドじゃないようです。
STIR-180 射撃指揮用:Xバンド
対空機関砲のゴールキーパーCIWSには専用のレーダーがついていてこれはXバンド
ついでに海洋警察WARSのレーダーがXバンドらしい。これはSTIR-180と同じ周波数帯だと言う理由で誤認した可能性を指摘されていたが、上で説明している通り、レーダーの動作が全く違うので誤認のしようがない。
韓国はMW-08を使っていたと言ってるんですが、これと射撃管制レーダーのSTIRは周波数帯が違うので、こちらも誤認するはずなし。
後、Xバンド使ってるのは対空機関砲のゴールキーパーだけど、もうこれを稼働していたらoutですね。哨戒機、撃墜されてます。
日本が嘘つきだと言う前提でも、韓国の行動に矛盾が生じているとは驚きました。
あと一つ、見解を述べておきましょう。
安倍政権が票集めの為、支持率を上げるために証拠動画を公開したとか言う人がいますが、これは違うと思いますよ。
2013年に中国海軍のフリゲートが護衛艦「ゆうだち」にレーダー照射した事件がありました。この時も日本は事実を公表して中国に再発防止を訴えました。中国側は最初はそんな事実はないととぼけていたのですが、最終的には事実を認め、関係者を処分したようです。共産党の指示とか言われていましたが、艦長の独断だったことになっていますね。
あの中国が折れたわけですよ。レーダー照射というのは、それだけ重大な事案であると言えます。政権が何であれ、だれが首相であれ、支持率がどうであっても、声を上げて抗議する必要があるのです。うやむやにしてなかったことになってしまえば、取り返しのつかないことになります。安倍首相が余計な事をしたと言う人がいますが、むしろ迅速に反応し、断固たる態度で臨んでいることを評価すべきでしょう。
雑感☆最近の韓国に対して思う事 暗黒星雲 @darknebula
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