その10 バイク体験とサバゲー銃訓練
午後はまずバイクから。
まずは元田んぼに作ったレースコースにカブ二台を持って行って始める。
「それではオフロードバイク体験だ。ところで、この中でバイクに乗った事がある奴は手を揚げろ」
僕と美智流先輩だけが手を上げる。
「未経験了解。でもまあこいつは簡単だ。こっちがアクセル、こっちのレバーがフロントブレーキ、右足のここを踏むとリアブレーキだ。
そして左足がギア。前に踏むとニュートラルから一速、二速、三速、四速まで。後を踏むとその反対。男だからギアくらいはわかるよな。ということで説明は以上、あとは乗って確かめてくれ」
ものすごく大雑把な説明だ。
でもよく考えたら以前は説明すら無かったな。
「そしてこれが地図。まずはこのコースを二周して戻ってくる。全員二周を二回やったら、今度は山道だ。地図を渡すからこの山をぐるっとまわって戻ってくるコース、全部走って十分くらいだな」
「免許が無いけれど大丈夫ですか」
松本の質問にアンドレア先輩は頷いた。
「ああ、この辺は舗装してある道路以外、全部文明の家の敷地だからな。つまりは道交法外って訳だ。だから怪我さえしなければ全く問題無い」
「随分お前の家広いんだな」
「田舎だからな。土地代なんて二束三文以下、売れないレベルだ。税金だけは年五万かかるらしいけれどな」
「そんな訳でまずは一度経験のある文明から乗って貰おうか」
「夏休み以来ですけれどね」
僕はプロテクターを両膝両腕胸へとつけ、ヘルメットを被る。
◇◇◇
思った以上に山道コースが楽しかった。
以前からのバイク道をのぼっていって、尾根道へと入り、大滝の方へ下って、ため池とあぜ道経由で戻ってくる周回コースだ。
山道は見晴らし台とか曲がりくねった坂道でバイクを操る楽しさとか色々ある訳で、しかも最後近くがあの大滝だ。
夏休みに開通したというけれど結構作るのが大変だったのでは無いだろうか。
あぜ道の方もジャンプ可能な傾斜がついていたり色々工夫されている。
さて、次はサバゲ体験だ。
僕らが走っている間に、隣のサバゲ場第二に色々なグッズが運び込まれていた。
「まずは全員、ゴーグルをつけて貰います。服装は全員長袖だからそのままで問題無いですね」
という訳で美智流先輩が講習を始める。
「まずは銃の操作から。そこに並んでいるので気に入ったのを取って下さい。全部充電済みで弾も入っています」
色々な形のものが並んでいる。
「これは全部、先輩達の持ち物ですか」
「私とアンドレア、そしてイライザと真理枝の分ですね」
四人分だけれど銃は八丁もある。
「長さが色々ありますが違いはありますか」
「基本的にそんなに違いは無いですね。ただ長い方が遠くに当たりやすいのは確かです。あとこれとこれとこれはハイサイクルと言って、連写性能が高いものです。代わりに弾切れも早いですけれど」
四人で色々と見たり構えたりする。
結局僕は以前借りて使った八十九式とかいうものを選んだ。
「おっ、津々井は自衛隊仕様か」
「わかりますか」
美智流先輩に松本は頷く。
「自衛隊の八十九式くらいは。多分ここで正しいのはM4なんだろうけれど、俺は気分的にAKだな」
松本は僕よりは色々知っている模様。
松原は短いのP90とか言った奴。
長尾は確かM4とかいう標準的なのを選択した。
「まずは撃ってみましょう。そういう事でこちらまで」
案内されたのはいかにも射撃練習場という感じの場所だ。
十メートルごと五十メートルまで台が置かれ、ペットボトルが置かれていた。
「そんな訳で練習です。自分の選んだ銃がどんな特性かここで確認して下さい。まずはセレクタを単射にして、一発ずつ撃ってみます。慣れたら連射でも試して下さい。弾はそれぞれ三百発ずつ入っています。撃ち終わったら確認終了です」
「弾代とかは大丈夫ですか」
「安いのをまとめて大量購入しているので気にしないで下さい。遊び相手が増えれば私達としても楽しいですから」
そんな訳でそれぞれ射撃練習を開始。
僕の借りた銃にはなかなか見やすい照準器がついている。
さっと目で照準器の枠を見て見て赤い点が見える部分にあわせればいい感じ。
十メートルだと赤い点よりやや上側に弾が行く。
二十メートルでちょうどという感じかな。
連射すると単射の時よりちょっとだけ弾が下にいく感じだ。
長いせいか二十メートル位なら結構当たる。
三十はちょっと厳しいが何とか。
四十はかなり苦しい。連射かけてやっとペットボトルに当たるかなという程度だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます