その5 ビオトープ周辺
川沿いを遡り、そしてビオトープ部分へ入る。
「ここのビオトープもGW等を使って整備したのだ。今では色々生えたり色々住み着いたりして面白くなったのだ」
アシだの色々生えていて、既に工事した頃と大分変わっている。
ただまだ一年目なので灌木とかが無く、全部がほぼ枯れた色になっているので歴史の新しさがわかるかなという処だ。
「さて、ここは深い部分、浅い部分、流れが速い部分、遅い部分と作ってあるのだ。そして今日みたいな日は温かくて流れが緩やかな部分をこうやって見てみるのだ」
深川先輩が僕から網を取り上げ、岸辺の草付近をガサガサ始める。
「こんな感じで小エビとか魚とかが捕れるのだ」
人差し指くらいの長さの魚と、透明な川エビが3匹入っていた。
流石龍神、川の中の事は完全に把握している模様。
「この魚とか小エビとかは食べるんですか」
「結構美味しいのだ。まあ魚は後で一網打尽ポイントがあるので、ここは川エビとか小物を主に狙うのだ」
そんな訳で網を回しながら全員でガサガサ体験をする。
「残念、虫しかいない」
「よし、エビ二匹ゲット!」
「ならこっちを念入りにガサって……葉っぱだけ!」
僕もやってみたがエビ一匹だった。
「みんな甘いのだ」
再び深川先輩が網を構える。
すとととと数歩歩いて、すさまじい速度でがさっと網を入れた。
「やる気になればこんなものなのだ」
手のひらサイズよりちょっと大きめの小鮒が入っていた。
「凄い、こんなのも捕れるんだ」
「本当はもっと大きいのもいるのだ。でもこの網で捕れる範囲だとこの程度なのだ」
取った小エビや魚はクーラーボックス内に入っている袋へ。
保冷剤がきっちり入っていて冷たい。
「さて、実はもう少しエビが捕れる場所があるのだ」
ビオトープ部分を横切って水路の方へ。
大きいU字形のコンクリ製水路のところで立ち止まる。
「ここの水路の底をよく見てみるのだ」
ここは前に亜理寿さんに川エビのポイントとして聞いているから知っている。
そう、何故かここのコンクリの底にエビがいっぱいいるのだ。
透明だから目が慣れないと見えないけれど。
「えっ、これってよく見ると全部エビか?」
「その通りなのだ。何故かわからないがここによくエビがたまっているのだ」
「本当だ。よく見るとあちこちにいる」
「これは捕ってもいいのか?」
「勿論なのだ。そんな訳で昼食の唐揚げ用はここでゲットするのだ」
「でもこんなにいるのを捕って無くならないのかな?」
「毎週捕ってもしっかり出てくるのだ。ただそろそろシーズン終わりなのだ」
そんな訳で網で捕りまくる。
小さめのビニール袋にいっぱいになったのでこれもクーラーボックスへ。
「さて、次は魚狙いなのだ」
「キノコ類もここから先です」
そんな訳で今度はため池方向へと歩いて行く。
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